2学期期末は、年間でいちばん範囲が長くなりやすいテストです。中間のあとから12月はじめまでの6〜7週間に、文化祭や合唱コンクールのような行事が挟まり、進度は学級ごとにずれます。しかも返却のあとに残っているのは終業式までの数日だけで、そのまま2学期の評定に入ります。中3なら、その評定を進路の資料として見る学校も少なくありません。
だから期末の作問で迷うのは、中間のときの「どこで切るか」ではなく、「どこまで残すか」です。中間で測った文法を期末でもう一度主役にすると、範囲が2学期まるごとになって100点に収まりません。逆に切り捨てると、2学期の終わりに定着を見られないまま冬休みに入ります。
この記事は、その残し方から順に組み立てます。中間の主役を維持問題に格下げし、期末の主役を1つに絞れば、大問の型は中間と同じものがそのまま使えます。範囲の決め方そのもの(3つの線引き)は2学期中間テストの作り方に書いたので、ここでは期末に固有のことだけを扱います。
期末は「残し方」で決まる——3つの決めごと
1つめ。中間の主役は、維持問題に格下げする。中間で三単現や不定詞を主役にしたなら、期末では大問2のなかに2〜3問混ぜるにとどめます。配点でいえば1〜2割。ここを削らないと期末の主役が薄まり、逆にゼロにすると「中間の1か月後に消えていないか」を見る機会を失います。維持問題は新しく作らず、中間の問題の場面を変えた1問で足ります。
2つめ。期末の主役は1つに絞る。中間のあとに来る文法は学年で決まっていて、中1は時制の使い分け(進行形・過去形)、中2は比較、中3は関係代名詞と分詞の後置修飾です。ここに動名詞や受け身が同居する教科書もありますが、主役は1つにして、残りは「出会えたか」を見る1〜2問にします。期末の平均点がぶれる原因の多くは、主役を2つにして大問2が判断だらけになることです。
3つめ。12月に入ってから導入する文法は学年末に送る。11月下旬に新しい単元へ入っても、期末の範囲に入れないほうが安全です。導入から2週間で主役に置くと、測るのが定着ではなく授業の記憶になる——中間のときと同じ理屈で、期末は範囲が長いぶん、この線を引かないと歯止めがなくなります。年間指導計画の上で「ここから先は学年末」の線を、作問の前に学年で決めておきます。
教科書6種——2学期期末の範囲に入りやすいところ
各社の年間指導計画にある単元の並びから、2学期中間の範囲のあとに来る単元を拾うと次のようになります。実施月ではなく並び順から見たものなので、実際にどこまで入るかは自分のクラスが11月に進んだところで決まります。正確な位置は単元マップで確認してください。
| 教科書 | 中1 | 中2 | 中3 |
|---|---|---|---|
| NEW HORIZON | Unit 7〜8(現在進行形・感嘆文・want to) | Unit 6〜7(比較・受け身) | Unit 4〜5(間接疑問・分詞の後置修飾・関係代名詞) |
| NEW CROWN | Lesson 7〜8(一般動詞の過去形・be動詞の過去形・過去進行形) | Lesson 6〜7(比較級・最上級・現在完了の経験) | Lesson 5〜6(関係代名詞の主格・目的格・接触節) |
| SUNSHINE | PROGRAM 7〜8(There is・現在進行形) | PROGRAM 6〜7(比較級・最上級・as 〜 as・like を使う比較) | PROGRAM 5〜6(関係代名詞の主格・目的格・省略) |
| ONE WORLD | Lesson 7〜8(should・have to・be going to・will) | Lesson 6〜7(比較・受け身) | Lesson 4〜5(関係代名詞・仮定法過去) |
| BLUE SKY | Unit 8〜9(動名詞・to不定詞・一般動詞の過去形・be動詞の過去形) | Unit 6〜7(SVOC・tell/want+人+to・比較) | Unit 5〜6(関係代名詞・原形不定詞・仮定法過去) |
| Here We Go! | Unit 8(現在進行形・過去進行形) | Unit 7〜8(比較・want+人+to・受け身) | Unit 5〜6(関係代名詞の目的格・接触節・分詞・間接疑問) |
中間の表とは景色が変わります。中間では中3だけが教科書でばらけていましたが、期末は中2の比較が6種全部でそろい、中3も関係代名詞でそろいます。ばらけるのは中1で、現在進行形が主役の教科書(NEW HORIZON・SUNSHINE・Here We Go!)と、過去形が主役の教科書(NEW CROWN・BLUE SKY)に分かれます。中1の期末だけは、他校の問題や去年の自校の問題を参考にするときに、主役が同じかを先に確かめてください。
学年別——期末の主役と、中間から残すもの
中1:時制が3つ並ぶ回。「時の語」で決める設計にする
中1の2学期期末は、現在形に進行形と過去形が加わって、動詞の形が初めて3つ並びます。ここで変換問題(「次の文を進行形にしなさい」)を主軸にすると、形の操作はできるのに場面で選べない生徒を見落とします。now なら進行形、every day なら現在形、yesterday なら過去形——「時の語」を手がかりに選ぶ問題にすると、まちがえた箇所がそのまま「どの時制が場面で選べていないか」の診断になります。
中間の主役だった三単現は、この3つの時制のなかに自然に混ざります。He plays と He is playing と He played を並べれば、-s の維持問題は別枠で作らなくても済みます。
実物は中1・2学期期末の設計サンプル(標準版)にあります。姉妹校とのオンライン交流の続きで、文化祭を実況する場面のなかで「今」と「過去」を使い分けさせる設計です。基礎版は時制が増えても語群と書き出しで最後まで書ける支援つき、発展版は姉妹校の友だちのメッセージを読んで返信する技能統合まで入っています。
中2:比較は「比べる数」で形が決まる。不定詞は維持問題へ
中2の期末は、6種のどれを見ても比較が主役です。more easier、as faster as、the tallest of our class——比較の誤りはほぼこの3種類に集まりますが、規則の暗記では消えません。2つを比べるなら -er と than、3つ以上なら the -est と in/of、同じくらいなら as 〜 as の原級——「いくつ比べているか」で形が決まると分かった生徒から、誤りが消えていきます。テストでも、比べる数が場面から読める問題にすると、この理解の差が点に出ます。
中間の主役だった不定詞は、維持問題として2〜3問混ぜます。比較の場面は「どちらを勧めるか」の提案になりやすいので、want to や to see のような不定詞が自然に入り、別枠を作らなくても維持を見られます。
実物は中2・2学期期末の設計サンプル(標準版)です。ホームステイの客に日本を案内する場面で、比べて・理由を添えて「提案する」力を測る設計にしてあります。基礎版は不定詞・比較でつまずく生徒の支援つき、発展版は客のメッセージを読んで自分の考えを書く技能統合まで扱います。
中3:名詞が急に長くなる回。関係代名詞と分詞を「説明する英語」として測る
中3の期末は、関係代名詞と分詞の後置修飾で英文の名詞が急に長くなります。the boy who is playing soccer over there のような長い名詞を、生徒は「主語がどこまでか」で止まります。だから識別や和訳ではなく、人やものを紹介する場面のなかで測るのが素直です。留学生に自分の町の人や店を紹介する、写真を説明する——説明の必要がある場面では、後置修飾は使わざるを得ません。
中間の主役(不定詞の発展や受け身・現在完了)は、入試までに「全部を同時に使える」状態へ持っていく学年なので、期末でも維持問題として必ず混ぜます。中3の期末は、単元テストの顔をした入試の練習と考えると、配点の置き方が決まります。
実物は中3・2学期期末の設計サンプル(標準版)です。カナダの短期留学生を案内する場面で、関係代名詞・分詞・不定詞の発展を「説明する英語」として測ります。基礎版は後置修飾の「長い名詞」で止まる生徒を語群と書き出しで最後まで運ぶ1枚、発展版は後置修飾を多く含む入試型の長文に「読んで書く」で橋をかけます。
大問の型は中間と同じ。変えるのは配点の置き方だけ
大問の型(リスニング→対話文の空所補充→内容理解→資料統合→条件英作文)は、中間のときの表と同じものをそのまま使います。型を変えないから、生徒は対策の仕方を覚えていられるし、中間と期末の得点を同じ物差しで比べられます。
期末で変えるのは配点の置き方です。大問2の空所補充を「期末の主役 7割・中間の主役の維持 2割・1学期の既習 1割」くらいで組むと、上で決めた3つの決めごとがそのまま配点になります。大問4の資料統合は、期末の主役が「比べる」「説明する」の文法なので、2枚の資料を比べさせる形(中2)、写真や人物の紹介文を突き合わせる形(中3)が作りやすい回です。
配点の割り方、評価規準の書き方、採点のブレ対策は定期テストの作り方(大問構成・配点・観点別評価)にまとめてあります。難易度が回ごとにぶれる悩みは相談:定期テストの難易度が安定しないが近いはずです。
テスト1週間前——総復習の1枚で「弱点マップ」を作っておく
期末は範囲が長いぶん、テスト前の1週間に「どこが抜けているか」を生徒自身が見つけられる紙があると、返却後の指導が楽になります。混ぜ判定(時の語・比べる数・名詞のあとの形を書かせる20問)→表現→和文英訳→対話文→弱点マップの順に組んだ総復習プリントを、学年ごとに用意しました。弱点マップの戻る先は無料の定着ドリルなので、まちがえた文法へ自分で戻れます。
- 中1・2学期期末の総復習プリント——現在進行形・一般動詞の過去形・be動詞の過去形の混ぜ判定。be落ち(He running)と二重過去(didn't went)を見分ける
- 中2・2学期期末の総復習プリント——不定詞3用法・比較級・最上級・as 〜 as。「比べる数」で決める
- 中3・2学期期末の総復習プリント——不定詞の発展・分詞の後置修飾・関係代名詞。「名詞のあとの説明」を作る力で決める
3枚ともPremiumの紙です。クラスの誤答データから自分で総復習を組むなら、学期末前『文法大特訓』総復習プリント(誤答ランキング方式)の設計法と雛形が無料で使えます。
そのまま土台に使える実物(学年×3難易度)
2学期期末の9枚は次のとおりです。同じ場面・同じ配点で基礎・標準・発展の3版を作ってあるので、学年の実態で選べます。
| 学年 | 基礎 | 標準 | 発展 |
|---|---|---|---|
| 中1 | 時制が増えても支援で最後まで | 「今」と「過去」の使い分け | 読んで返信する技能統合 |
| 中2 | 不定詞・比較でつまずく生徒の支援つき | 比べて・理由を添えて提案する | 客のメッセージに自分の考えを書く |
| 中3 | 長い名詞で止まる生徒を最後まで | 関係代名詞・分詞を説明する英語で | 入試型の長文に読んで書くで橋をかける |
年5回×3学年×3難易度の全体像と、2学期制(前後期制)への読み替え表は定期テスト45枚の使い方ガイドにあります。他の回も含めた一覧は定期テスト教材の一覧から。
自校の進度に合わせて中身を差し替えるときは、2つの道があります。登場人物や地名だけを自分のクラス用に変えるならテストビルダーがブラウザで完結します。設問そのものを組み替えるなら、各教材ページのWord版が編集用です(どちらもPremium)。
返却から評定までを逆算する
期末は、返却のあとに残っている授業が数回しかありません。返却の1時間で何をするかと、その先の評定への落とし込みまで、作問のときに日付で決めておくと、終業式の直前に採点と成績処理が重なる事態を避けられます。返し方の型はテスト返却の授業に、採点が返却に間に合わない悩みは相談:定期テストの採点に追われ、返却が遅れるにまとめてあります。
評定の側では、観点別のABCから評定への付け方は相談:観点別のABCから評定への付け方、保護者に説明を求められたときの答え方は相談:保護者から「なぜこの評定なのか」と聞かれるが近いはずです。期末テストは評価の材料のひとつで、2学期の観点別の記録と合わせて評定になります(観点別評価の実務)。
よくある質問
2学期制(前後期制)なので「2学期期末」がありません。
回の名前ではなく、範囲の位置で読み替えてください。後期中間(11〜12月)のテストが、ここでいう2学期期末とほぼ同じ位置に来ます。読み替え表は定期テスト45枚の使い方ガイドにあります。
範囲が長すぎて、1枚に入りません。
入れようとしているのが「2学期に習った全部」なら、それは期末ではなく総復習テストです。中間の主役を維持問題の2〜3問に格下げし、期末の主役を1つに絞ると、範囲が長くても問題の数は増えません。長さは単元の数ではなく、生徒に求める判断の回数で決まります。
中間で使わなかった難易度の版を、期末で使ってもいいですか。
かまいません。3版は同じ場面・同じ配点なので、中間で標準版を使ったクラスが期末で基礎版に下げても、得点の比較はできます。ただし同じ学年で違う版を配ると評定の公平性の問題になるので、版の選び方は学年で1つに決めてください。
中3の期末は、入試の形式に寄せたほうがいいのでしょうか。
大問の型は変えず、大問4の資料統合と大問5の条件英作文を入試の出題に近づけるのが現実的です。型を変えると生徒の対策が効かなくなりますし、入試の練習は冬休み以降にいくらでもできます。中3の秋に入試対策と教科書の進度が両立しない悩みは相談:中3の秋、入試対策と教科書の進度が両立できないにまとめてあります。