ひとことで言うと
年間指導計画は、1年間の授業で、どの単元をいつ、何時間で扱い、どこで評価するかを月ごとに並べた計画です。読みは「ねんかんしどうけいかく」。教科書会社が配る「年間指導計画(案)」を土台に、自校の定期テスト・行事・パフォーマンステストを書き足すと、提出のための書類ではなく、授業の進度を守る道具になります。
出どころ
学習指導要領の総則が、各学校で指導計画を作成することを求めていて、年間指導計画はその1年単位のものです。英語の年間の授業時数は、中学校が各学年140時間(週4)、小学校が5・6年の外国語70時間(週2)、3・4年の外国語活動35時間(週1)、高校は科目の単位数×35時間が目安です。教科書会社は検定教科書ごとに年間指導計画案(単元・時数・評価規準の例)を公開していて、多くの学校がそれを土台にしています。
授業での実際の使い方
教科書会社の案に、次の3つを書き足すと自校の計画になります。4月の最初の1時間で済みます。
| 書き足すもの | やること | なぜ |
|---|---|---|
| 定期テスト | テストの日を入れ、そこまでに終える単元に線を引く | テストの範囲が先に決まると、進度の逆算ができる |
| 行事 | 修学旅行・体育祭・合唱コンクールの週に「授業が細切れになる」印 | 行事の週に新出文法の導入を置かないため |
| パフォーマンステスト | 学期に1〜2回、どの単元の後に何を(スピーチ・やり取り)やるかを入れる | 評価計画と指導計画が1枚になり、学期末に材料を探さない |
軽重のつけ方は、単元ごとに「厚く(導入と活動に時間)」「ふつう」「薄く(本文の要点だけ)」の3段階を4月に決めておくことです。3学期に駆け足になる原因は、1・2学期に全部を厚くやることなので、薄くする単元を先に決めます。行事や休校で遅れたときは、その場で慌てず、4月に決めた「薄くする単元」をさらに薄くして戻します。
様式の欄と記入例
様式は自治体や学校で違いますが、欄はおおむね次の7つです。教科書会社の案には上の4つ(月・単元と時数・単元の目標・言語材料)と評価規準の例が入っていて、自校で書き足すのは下の3つです。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 月 | 4月〜3月。行事で授業が細切れになる週に印 |
| 単元と時数 | 教科書の単元と、使う時間。合計は名目の時数ではなく、行事やテストで減ったあとの実際の時数で組む |
| 単元の目標 | 単元の終わりにできること(〜できる)。CAN-DOリストの1行に合わせる |
| 主な言語材料 | 扱う文法・表現 |
| 評価の場面 | 記録に残す観点と方法(小テスト・ワークシート・パフォーマンステスト) |
| テスト・行事 | 定期テストの日と範囲、行事の週、ALT の来校日 |
| 軽重 | 厚く・ふつう・薄く(4月に決める) |
記入例です(中2の1学期。単元は NEW HORIZON の2年で、時数・目標・評価の場面は例です。知=知識・技能、思=思考・判断・表現、態=主体的に学習に取り組む態度)。
| 月 | 単元と時数(軽重) | 単元の目標 | 評価の場面 | テスト・行事 |
|---|---|---|---|---|
| 4月 | Unit 0 1年の復習(2時間・薄く) | 春休みの出来事を伝え合うことができる | 記録しない(帯で復習) | 始業式の週 |
| 4〜5月 | Unit 1 be going to・will(10時間・ふつう) | 旅行の予定を、相手と伝え合うことができる | 知: 未来の形の小テスト/思: 予定を伝え合うやり取り | 体育祭の週は新出の導入を入れない |
| 5〜6月 | Unit 2 接続詞 when・if・because(9時間・ふつう) | 地域の食べ物を、理由をつけて説明できる | 知: 小テスト/思: 説明を書くワークシート | 中間テスト(範囲は Unit 1・2) |
| 6〜7月 | Unit 3 不定詞(12時間・厚く) | 将来の仕事について、理由をつけて話すことができる | 知: 小テスト/思: 将来の夢を書くワークシート | 期末テスト(範囲は Unit 3) |
| 7月 | Stage Activity 1(4時間・ふつう) | 好きな日本食を、理由をつけて紹介できる | 思・態: パフォーマンステスト(発表) | 期末テストのあと、夏休み前の2週 |
書き方のコツは、評価の場面とテスト・行事を同じ行に書くことです。パフォーマンステストを期末テストと重ねない、体育祭の週に新出の文法を置かない、といった判断が、1枚の上で4月のうちにできます。学期末には、この表の横に実際に使った時数を書き込んでおくと、翌年の計画の元になります。
よくある誤解
- 提出するための書類、ではありません。壁に貼って進度を書き込むと、初めて役に立ちます。
- 教科書会社の案をそのまま使うのは、テストも行事も入っていない計画を使うことです。3つを書き足す1時間だけは自分でやります。
- 1回書いたら終わり、でもありません。学期末に「計画とのずれ」を書き込んでおくと、翌年の4月に同じ失敗をしません。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 単元の時数が8時間前後で決まっているので、行事の週の割りつけが中心。ALTの来校日を計画に入れる |
| 中学校 | 定期テストから逆算する。文法の導入を行事の週に置かない。パフォーマンステストを学期に1〜2回 |
| 高校 | 科目ごと(英語コミュニケーション・論理・表現)に作り、文法18ユニットを1年にどう割るかが計画の芯 |
| 塾 | 学校の年間指導計画(定期テストの範囲)を先に手に入れて、塾の計画を学校に合わせる |
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