ひとことで言うと
検定教科書は、文部科学省の検定を経て発行され、学校の授業で使うことが定められている教科書です。中学校の英語は6社(NEW HORIZON・NEW CROWN・SUNSHINE・ONE WORLD・Here We Go!・BLUE SKY)が発行していて、どれも学習指導要領に沿っていますが、単元(Unit・Lesson)の順や、どの学年のどの単元でどの文法を扱うか(配当)は会社ごとに違います。「同じ中2の同じ月でも、隣の学校と進んでいる文法が違う」のはこのためです。
出どころ
教科書の検定は、教科書検定制度(学校教育法)に基づき、民間の発行者が作った教科書を文部科学省が審査する仕組みです。どの教科書を使うか(採択)は、公立の小・中学校では市区町村の教育委員会(採択地区)が決め、高校は学校ごとの選定をもとに都道府県の教育委員会が決めます。中学校の教科書はおおむね4年ごとに改訂されます。
授業での実際の使い方
教科書が違っても、扱う文法は学習指導要領で決まっているので、中学3年間で出てくる文法はどの会社もほぼ同じ18前後です。違うのは順と学年です。
| 場面 | やること |
|---|---|
| 自分の学校の教科書を読む | 単元の順に文法を書き出し、年間のどこで何が出るかを1枚にする |
| 転勤・異動で教科書が変わった | 同じ文法がどの単元に移ったかを、教科書別の単元マップで対応づける |
| 塾で複数の学校の生徒を見る | 範囲表の単元名を文法に翻訳し、文法別の紙で教える |
| 教材を探す | 「教科書名+単元」ではなく「学年+文法」で探すと、教科書が違っても使える |
先生が言う言葉(自分に向けて)は「単元名ではなく、文法で考える」です。教科書は道具で、教える中身は文法と領域の目標です。
よくある誤解
- 教科書会社が違えば教える内容が違う、わけではありません。内容の基準は学習指導要領で同じです。違うのは順・題材・活動の作りです。
- 教科書の本文を全部扱わないと指導要領に反する、ということもありません。指導要領が求めるのは目標と内容で、教科書のどのページをどう扱うかは先生の計画に委ねられています。
- 教科書の本文は著作物です。学校の授業の範囲(著作権法35条)では複製できますが、塾など営利の教育機関では同じ扱いになりません。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 5・6年に検定教科書(複数社)。3・4年は文科省の教材や各社の副教材 |
| 中学校 | 6社。採択地区(市区町村)ごとに1社。学校を越えて教科書が違う |
| 高校 | 科目ごとに多数の教科書。学校ごとに選ぶので、同じ地区でも違う |
| 塾 | 生徒の学校ごとに教科書が違う。範囲表を文法に翻訳するのが最初の仕事 |
この用語が出てくる教材と記事
- 教科書別の単元マップ。6社×3学年の単元と文法の対応を一覧にしてあります。
- 教科書別マップ(小学校)。小学校版の教科書別の対応です。
- 教科書の年間ペース配分。単元の順を年間に配る軽重のつけ方です。
- 学校ごとに教科書も範囲も違う生徒を1つの教室で回す方法。塾で複数の教科書を扱うときの考え方です。
- 基準そのものは学習指導要領(外国語)、著作権は塾で教材をコピーするときの著作権へ。