ひとことで言うと
学習指導要領は、文部科学省が定める、各教科で何をどこまで教えるかの基準です。おおむね10年ごとに改訂され、教科書はこれに沿って作られます。英語については、小学校3・4年の「外国語活動」、5・6年の「外国語」、中学校の「外国語」、高校の「外国語」の順に、目標と内容が定められています。先生が「何を教えるか」で迷ったとき、最後に戻る場所です。
出どころ
現行のものは、小学校と中学校が平成29年(2017年)告示、高校が平成30年(2018年)告示です。小学校は2020年度、中学校は2021年度から全面実施、高校は2022年度の入学生から学年進行で実施されました。本文(告示)は簡潔で、具体的な説明は文部科学省の「解説」に書かれています。授業を組むときに読むのは解説のほうです。
授業での実際の使い方
校種別の要点を早見表にします。
| 校種 | 教科・領域 | 年間時数 | 語数の目安 | 要点 |
|---|---|---|---|---|
| 小3・4 | 外国語活動 | 35時間 | なし | 聞く・話すに慣れ親しむ。文字は名前の読みまで |
| 小5・6 | 外国語(教科) | 70時間 | 600〜700語 | 読む・書くが加わる。5領域。教科書と評価がある |
| 中学校 | 外国語 | 各学年140時間 | 1,600〜1,800語 | 5領域。授業は英語で行うことを基本とする。即興のやり取り |
| 高校 | 外国語 | 科目ごと | 1,800〜2,500語 | 英語コミュニケーション・論理・表現の科目構成 |
小学校から高校まで合わせると、語数の目安は4,000〜5,000語になります。5領域は「聞くこと」「読むこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」「書くこと」で、目標と評価はこの5つで組みます。授業で使うときは、単元の目標を、解説にある領域の目標の文言から1文で書き出す、というのがいちばん実務的な使い方です。
よくある誤解
- 教科書が学習指導要領そのもの、ではありません。教科書は指導要領に沿って各社が作った教材で、扱う順や題材は会社ごとに違います。基準は指導要領、道具は教科書です。
- 「指導要領に書いてあるから毎時間やる」ものは、実はそれほど多くありません。本文は目標と内容の基準で、方法の多く(帯活動・音読の種類など)は現場の工夫です。
- 解説は指導要領の「本文」ではありません。ただし現場で読むべきは解説で、方法や例はそこに書かれています。
校種別の違い
| 校種 | 最初に読む場所 |
|---|---|
| 小学校 | 解説の「外国語活動」と「外国語」の目標、5領域の内容。研修ガイドブックと合わせて |
| 中学校 | 解説の5領域の目標と言語活動の例。「授業は英語で行うことを基本とする」の趣旨 |
| 高校 | 科目ごとの目標(英語コミュニケーションI〜III・論理・表現I〜III)と、観点別評価の記載 |
| 塾 | 中学校の5領域と語数の目安。学校の定期テストがどの領域を測っているかを読む |
この用語が出てくる教材と記事
- 教科書の年間ペース配分。指導要領の内容を1年で終えるための軽重のつけ方です。
- can-doリスト(小学校)。5領域の目標を「〜できる」に直した階段です。
- 文法18ユニットの年間(高校版)。高校の科目構成の中で文法をどう配るかです。
- 教科書との関係は検定教科書と単元、活動の定義は言語活動、評価は観点別評価へ。