年間計画を4月に作るとき、多くの人がまず18の項目を月に均等に並べます。ところがその計画は、だいたい11月に壊れます。壊れるのは進度が遅れたからではなく、等分できない前提で等分したからです。
まず、実際に使えるコマ数を数える
週2コマ、年間35週で70コマ。ここから引くものがあります。
| 引くもの | コマ |
|---|---|
| 定期考査(実施・返却・解き直し)4回 | −8 |
| 行事・短縮・研修・年度末の空白 | −6 |
| 実働 | 56 |
56を18で割ると3.1です。つまり計画の時点で、1ユニットに使えるのは3コマちょっとしかありません。ところが実際に丁寧にやると、どのユニットも4コマは要ります。ここに14コマ分の赤字が最初から埋まっていて、それが表面化するのが2学期の後半です。
等分をやめて、先に効く6本を1学期に寄せる
赤字を消す方法は2つしかありません。ユニットを削るか、軽く回せるユニットを作るかです。後者を選ぶなら、順序で解きます。
あとのユニットの土台になるものを先に置くと、置かれた側が軽くなります。18本のうち、土台になるのは次の6本です。
| 学期 | ユニット | ねらい |
|---|---|---|
| 1学期(4〜7月) | 文型と語順/時制/完了形/助動詞/受動態/不定詞 | ここが動詞まわりの土台。あと12本の説明がここに戻ってくる |
| 2学期(9〜12月) | 動名詞/分詞/分詞構文/比較/関係代名詞/関係副詞・複合関係詞/接続詞と節 | 準動詞と節。1学期の語順が入っていれば、説明は語順の話に還元できる |
| 3学期(1〜3月) | 仮定法/話法/否定・強調・倒置・省略/名詞・冠詞・代名詞/前置詞 | 単独で立つもの。1コマ落としても他が崩れない |
3学期に置いた5本は、順番を入れ替えても、1本落としても、他のユニットに波及しません。赤字はここで吸収します。逆に、1学期の6本のどれかを2学期へ送ると、送った先で説明が二重になります。
1ユニット4コマの中身
4コマの内訳は固定にします。毎回中身を考えないことが、年間で効きます。
- 見取り図(1コマ)… 全体像を1枚で。ここでは解かせない
- 定着ドリル(1コマ)… 手を動かす。3難易度から1つ選んで配る
- 表現ワーク(1コマ)… その文法で話す・書く。ここが論理・表現につながる
- 10分小テスト(コマの頭10分)… 次のユニットの1コマ目に実施
4つめが独立したコマではないところがポイントです。小テストを次のユニットの導入に食い込ませると、実質3コマで1ユニットが回り、56コマに18ユニットが入ります。
積み残しは、戻さないで回収する
それでも2学期の終わりに1〜2ユニット遅れます。ここで前に戻ると、3学期がまるごと崩れます。
戻さずに回収する方法は、10分小テストを「今のユニット+積み残し1問」の形で刷ることです。テストビルダーで大問単位に組めるので、遅れたユニットのドリルから1問だけ混ぜた小テストを毎週出す。3学期の12回で12問入り、これで扱えなかったユニットの中心は一度は通ります。
関連
- 論理・表現を並行して持っている場合の並べ方は論理・表現の1年、何をどの順でやるかにあります。文法の「表現ワーク」が、そのまま論理・表現の型に接続します。
- 小テストを1枚に組む手順はテストをつくるから。ユニットをまたいで大問を選べます。
- 3学期に置く5本の扱いは3学期、入試と授業をどう両立するかに、学年別の事情とあわせて書きました。