音読は、やっている学校とやっていない学校で差がつく活動のわりに、続けるのが難しい活動です。理由は単純で、同じことを繰り返すと生徒が飽きるから。それで型を増やそうとするのですが、増やすと今度は教師が覚えられません。
必要なのは型の数ではなく、並べる順序です。
7つの型と、負荷
| 型 | やり方 | 負荷 | 目が見るもの |
|---|---|---|---|
| 1 コーラス | 音声のあとに全員で | 低 | 本文 |
| 2 バズ | 各自が自分の速さで小声で | 低 | 本文 |
| 3 オーバーラップ | 音声と同時に重ねて | 中 | 本文 |
| 4 チャンク | スラッシュで区切って、区切りごとに止める | 中 | 本文 |
| 5 リード&ルックアップ | 1文黙読 → 顔を上げて言う | 中 | 顔を上げる |
| 6 シャドーイング | 本文を見ずに音声を追う | 高 | 何も見ない |
| 7 穴あき音読 | 語を隠したプリントで | 高 | 穴のある本文 |
並びは負荷の順です。この列でいちばん大事なのは右端で、目が本文から離れる型が2つあることがわかります。5と6です。この2つが入っていない音読は、何回やっても本文を追うだけの作業で終わります。
7分に3つ、と決める
1コマにつき音読は7分。そこに3つ入れます。選び方は「低→中→高」から1つずつです。
- 1回目(低)… 2 バズ。1分半。全員が声を出す状態を作るのが目的
- 2回目(中)… 3 オーバーラップ か 4 チャンク。2分半
- 3回目(高)… 5 リード&ルックアップ か 6 シャドーイング。3分
低・中・高から1つずつという決め方だけ覚えておけば、その日の気分で中身を変えても構いません。飽きは「毎回ちがう型をやる」ことで消えるのではなく、負荷が上がっていく順で並んでいることで消えます。1回目が軽いから声が出て、3回目が重いから読めたときに手応えがある。
同じ本文を3回読んでも飽きない理由
生徒が飽きるのは、繰り返しそのものではなく、同じ難しさを繰り返すときです。3回とも本文を見て読むなら、2回目以降にやることがありません。目が離れる型を最後に置くと、3回目には「思い出す」という別の仕事が入ります。
同じ理由で、7の穴あき音読は最後にしか置きません。穴を埋めるのは思い出す作業なので、本文を見て読む型と並べると難易度の落差が大きすぎます。
帯にするなら、週2回・別の本文で
課の本文とは別に、短い英文で音読の帯を持つやり方もあります。この場合は速読ラダーのような短い読み切りの英文が向きます。150語前後で1回3分、週2回。課の進度に関係なく回るので、行事で授業が飛んでも途切れません。
課の本文で音読する日と、帯で別の英文を読む日を分けておくと、「今日は音読ばかりだった」という日が生まれません。
音読は、評定に入れないほうがいい
音読を評価の材料にすると、途端に空気が変わります。声の大きさや発音の良さが点になるのがわかると、苦手な生徒が黙るからです。音読は全員が声を出す時間として守り、評定の材料は別に取ります。
関連
- 1コマの中の位置は英語コミュニケーションの50分をどう組むかの「本文25分」に。音読7分はこの中に入っています。
- 目が離れる型(5・6)の先にあるのがリテリングです。読む → 思い出して言う → 再構成する、と地続きにすると、リテリングの導入がずいぶん軽くなります。