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英語教材ラボ 高校版

授業づくり

論理・表現の1年、何をどの順でやるか|6つの型を並べる順序

高校「論理・表現」を、教科書の順ではなく生徒の負荷の順で1年に並べる考え方です。要約→パラグラフ→意見文→リテリング→ミニディベート→添削の6つの型を、いつ・何コマで・どう評価するか。すべて無料PDFの設計図つきで、型は6つとも同じ骨(主張→理由2つ+具体→まとめ)でそろえてあります。

公開 2026-08-30・更新 2026-08-30

「論理・表現」でいちばん多い困りごとは、教材が無いことではありません。バラバラの活動が、1年でつながらないことです。1学期にスピーチをやり、2学期にディベートをやり、3学期に自由英作文を書かせる。どれも悪くないのに、生徒から見ると毎回ちがう課題が降ってきているだけで、前の学期にできたことが次に効いてきません。

つながらない原因は、活動の種類がちがうからではなく、骨がそろっていないからです。当サイトの論理・表現の教材は、6つの形式が全部、同じ骨で作ってあります。

主張 → 理由2つ(それぞれに具体を1つ)→ 譲歩 → まとめ

書くのか話すのか、資料があるのかないのか、自分の意見なのか与えられた立場なのか。ちがうのはそこだけです。骨が同じなら、2学期のディベートで生徒が使うのは、1学期に書いた設計図と同じ順序になります。

6つの型と、負荷の順

並べる順序は、教科書の単元順ではなく生徒の負荷の順で決めます。負荷を決めるのは、次の2つがどちらも要るかどうかです。

  1. 内容を自分で用意するか(自分の意見/与えられた資料)
  2. その場で返すか(書く/話す)

この2つで並べると、順序はほぼ自動的に決まります。

内容その場の負荷だいたいの時期
1要約ラダー与えられる(本文)低(書く)4〜5月
2パラグラフの型与えられる(資料)低(書く)5〜7月
3意見文の設計図自分で用意低(書く)9〜10月
4リテリング与えられる(本文)高(話す)通年の帯
5ミニディベート与えられる(立場)高(話す)11〜12月
6発表(運営キット自分で用意高(話す)1〜2月

いちばん重いのは6番です。内容も自分で用意し、その場で話す。ここを1学期に置くと、原稿の暗唱大会になります(暗唱は暗唱で価値がありますが、それは論理・表現の目標ではありません)。

最初が要約なのはなぜか

順序で唯一「意外だ」と言われるのが、1番目に要約が来ることです。要約は難しい、というのが一般的な感覚だからだと思います。

ただ、要約が難しいのは削る基準がないときです。逆に言えば、削る順序さえ決まっていれば、要約は「自分で言うことを考えなくていい」ぶん、いちばん軽い書く活動になります。当サイトの要約ラダーは、段落1語 → 段落1文 → 20語 → 10語と、落とす順序を決めて削る枠です。ここで「主張と理由だけが残る」という体験をしておくと、3番目の意見文で「自分の主張と理由を先に決める」が自然に入ります。

2学期は、意見文からディベートへ

3番目の意見文の設計図は、理由2つとそれぞれの具体、そして譲歩を1文。ここまでを紙で書けるようにしてから、5番目のミニディベートに移ります。

ディベートを重い活動にしてしまう要因は、たいてい立場を自分で選ばせることです。自分の信条を述べる活動にすると、点が「何を信じているか」に近づき、評価が難しくなります。運営キットが立場をくじで決める形にしてあるのはこのためで、与えられた側で理由を立てる訓練にすれば、見るのは「言えたこと」だけになります。勝敗もつけません(勝ち負けを決めた瞬間、勝つのは英語ではなく声の大きい生徒です)。

意見文の紙で書いた「譲歩の1文」が、そのままディベートの反論(You said ..., but ...)になります。ここが、1年でいちばん気持ちよくつながる場所です。

添削は、型ではなく仕組み

6つの型とは別に、通年で回すものが1つあります。添削とピアフィードバックです。

週1回、40人分の英作文を全部直すのは物理的に無理があります。かといって直さなければ、書く回数を増やすほど誤りが固まります。解決は、直す仕事を生徒に戻すことです。教師は記号10個で「どこが」だけを示し、何がどう違うかは生徒が考える。この形にすると、1枚あたりの時間が数分の一になり、週1回が現実的な回数になります。

添削の記号は、上の6つの型のどれで書いた文にも同じものを使ってください。記号が型ごとに変わると、生徒は記号を覚え直すことに労力を使います。

評価は、書く回数を減らさない形で

定期考査に移すときは、授業で使った型をそのまま設問にします。パラグラフの型で書かせているなら「同じ表を配って60語以内」、意見文なら「賛成か反対かを選び、理由2つで80語」。授業と考査で型が変わると、生徒は考査用の別の書き方を覚えることになります。

配点は加点式にしてください。減点式にすると、書く量を減らすほど点が上がってしまい、指導と逆向きの力がかかります。各設計図に刷ってあるルーブリックは、すべて加点式(内容・構成・言語)です。

考査全体の組み方は、中間考査の作り方にまとめてあります。

まとめ

  • 型は6つあるが、骨は1つ。主張 → 理由2つ+具体 → 譲歩 → まとめ。
  • 並べる順序は教科書順ではなく、内容を自分で用意するか・その場で返すかの2軸。
  • 1学期は資料が紙の上にあるもの(要約・パラグラフ)、2学期に自分の意見(意見文・ディベート)、3学期に発表。
  • 添削は型ではなく仕組み。記号で「どこが」だけを示し、直す仕事は生徒に戻す。

紙はすべて論理・表現のページにあります。基礎・標準・発展の3難易度がある形式は、同じ論題で支援の量だけを変えてあるので、同じ教室で配り分けても答案を同じ観点で並べて読めます。

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、中3の英語が高1でどうつながるかを見てきた立場から書いています。高校の制度・評価の記述は、高等学校学習指導要領(平成30年告示)と国立教育政策研究所「指導と評価の一体化」参考資料、大学入学共通テストの公表問題にあたって確認しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

この記事で使った紙は、すべて無料でダウンロードできます

論理・表現の設計図と運営キット、評価とテストの作問の道具。刷るだけで1コマが流れます。

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