英語コミュニケーションの1コマで、いちばんよく聞く困りごとは「活動までたどりつかない」です。原因はほぼ1つで、本文の解説から順に時間を使っているからです。前から使うと、余りが出口に回ります。余りは、たいてい出ません。
時間は、後ろから取る
配り方を逆にします。出口でやりたいことを先に確保して、残りを本文に割り当てる。これだけで、活動は消えなくなります。
| 区分 | 分 | やること |
|---|---|---|
| 帯 | 5 | 速読・語彙の想起。毎回同じ形にして、指示ゼロで始まるようにする |
| 導入 | 5 | 本文に入る前の問い。日本語でよい |
| 本文 | 25 | 音読と内容確認。ここが可変 |
| 出口 | 10 | リテリング/ペアで1分/数文書く。先に確保する |
| 予告 | 5 | 次回・小テスト・宿題 |
可変にしてよいのは本文の25分だけです。ここが伸びたときに削るのは導入で、出口は削らない。出口を守ると決めておくと、本文の扱いが自然に軽くなります。
本文25分の内訳
25分で全文を精読しようとすると足りません。ここは「全部を同じ濃さで扱わない」で解きます。
- 通し(5分) … 音声を1回、区切らずに。ここで訳さない
- 山場だけ精読(10分) … 1コマにつき2〜3文。文型と語順、関係詞、分詞構文など、その課で構造がいちばん重い文を選ぶ
- 音読(7分) … 同じ本文を形を変えて3回。並べ方は音読を飽きさせない7つの型に
- 内容確認(3分) … 英問英答を3つ。全文の理解を測らず、山場の3文が読めたかだけを見る
精読する文を「2〜3文」と決めてしまうのが要点です。決めないと、難しい文が出るたびに止まり、25分が消えます。
訳を捨てずに、英語を増やす
オールイングリッシュを目標にすると、たいてい導入と指示だけが英語になり、肝心の本文は日本語に戻ります。逆にすると続きます。
- 英語にする… 帯の指示、出口の活動、英問英答、ペアの手順(毎回同じ文言にする。3週間で生徒が覚える)
- 日本語で残す… 山場2〜3文の構造の説明、評価の説明、初出の抽象語
構造の説明を英語でやると、英語が得意な生徒にしか届かない説明になります。ここは日本語で短く済ませて、浮いた時間を出口の英語に回すほうが、クラス全体の英語の総量は増えます。
出口10分を、評価の材料にする
出口を毎回同じ形にしておくと、材料が勝手にたまります。おすすめは月ごとの固定です。
| 月 | 出口の形 | たまる材料 |
|---|---|---|
| 4〜7月 | 要約ラダーで2文にまとめる | 知識・技能/思考・判断・表現 |
| 9〜12月 | リテリングをペアで1分 | 思考・判断・表現 |
| 1〜3月 | 本文への賛否を3文(意見文の設計図の骨) | 思考・判断・表現/主体的に学習に取り組む態度 |
同じ形を1学期続けると、生徒の出来が学期の頭と終わりで比べられるようになります。この比較が、観点別評価でいちばん使いやすい材料になります(→観点別評価、3観点をどの材料で取るか)。
関連
- 帯の5分に置く教材は読解・速読にあります。速読ラダーは3難易度がパラレルなので、クラスによって配り分けても記録は同じ形で残ります。
- 出口をリテリングにするときの足場はリテリングで生徒が黙るのをやめさせるに書きました。