観点別評価でつまずく場所は、だいたい同じところです。「思考・判断・表現をどう取ればいいのか」から考え始めると、答えが出ません。観点は抽象的なので、抽象のまま考えると抽象の答えしか出てこないからです。
順序を逆にします。すでに学期の中でやっている活動を先に全部並べて、そこに観点を貼る。足りない観点だけ、あとから足す。
学期に手元にある材料を、全部並べる
たいていの高校英語の1学期には、これくらいの材料が実際にあります。
| 材料 | 回数 | 知識・技能 | 思考・判断・表現 | 主体的に学習に取り組む態度 |
|---|---|---|---|---|
| 定期考査(中間・期末) | 2 | ◎ | ◎ | − |
| 10分小テスト | 8〜10 | ◎ | − | ○ |
| 出口の要約・意見(帯) | 15〜20 | − | ◎ | ○ |
| パフォーマンステスト | 1 | ○ | ◎ | ○ |
| 提出物(ワーク・ノート) | 2〜3 | ○ | − | ○ |
並べてみると、足りないのはたいてい思考・判断・表現ではなく、その観点を単独で取れる材料のほうだとわかります。定期考査に寄りすぎていると、思考・判断・表現の点が年5回の考査でしか動かず、生徒の側から見て「何をすれば上がるのか」がわからない状態になります。
二重に数えない
いちばん多い事故が、1つの活動を2つの観点で数えることです。たとえばパフォーマンステストを、内容で思考・判断・表現、態度で主体的に学習に取り組む態度として両方に入れる。これをやると、話すのが得意な生徒の得点が二重に効きます。
切り分けの原則は1つです。
同じ提出物の中で、別々の欄に書かれたものだけを、別の観点に数える。
パフォーマンステストなら、話した内容(ルーブリック)は思考・判断・表現、あとで書く振り返り欄は主体的に学習に取り組む態度。同じ発話を2回数えない。観点ラベル早見表は、大問や活動の形ごとにこの判定を並べた1枚で、⚠印が付いているのが二重計上の起きやすい形です。
比率は、材料の数で決まる
比率を先に決めて材料を合わせようとすると、無理が出ます。実際には材料の数が比率を決めます。目安として、
- 知識・技能 … 定期考査の前半+小テスト。学期に10以上の記録が残る
- 思考・判断・表現 … 定期考査の後半+帯の出口+パフォーマンステスト。学期に5以上
- 主体的に学習に取り組む態度 … 振り返りと記述。学期に3以上
記録の数がこの下限を割ると、1回の出来で評定が動いてしまいます。逆に、知識・技能の記録が20を超えているのに思考・判断・表現が2つしかない、という偏りが、いちばんよくある形です。足すなら思考・判断・表現で、足す場所は定期考査ではなく授業の出口です(→英語コミュニケーションの50分をどう組むか)。
1枚にまとめる
4月に決めるのは、次の1枚だけで足ります。
| 観点 | 材料 | 回数 | 記録の形 |
|---|---|---|---|
| 知識・技能 | 考査前半/10分小テスト | 2/10 | 素点 |
| 思考・判断・表現 | 考査後半/出口の要約・意見/パフォーマンステスト | 2/4/1 | 素点/3段階 |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 単元末の振り返り | 3 | 3段階 |
これを学年で共有しておくと、学期末に「クラスによって材料がちがう」という問題が起きません。実際に評定を出すところまでの手順は素点から評定までの実務に書きました。
刷るもの
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