評価とテストの道具(規準を、先に見せる)
観点別評価とパフォーマンステストは、多くの先生が課題に挙げる場所です。県や国の事例集はありますが、報告書のPDFに埋まっていて、そのまま印刷して配れる形にはなっていません。ここに置くのは、明日の授業で刷って使える版下です。並びは学期の流れどおり——4月に評価計画を書いて生徒に説明し、考査の前に作問し、実演を回して、学期末に評定を出す。その順に16点あります。
「80点なのに評定3」を説明できる形にする
観点別評価でいちばん重いのは、点の付け方より説明です。ここに置く紙は、評価規準を生徒に配る面へ先に刷ってあります。何を見るかを先に見せておけば、返却時の説明は「ここが入っていない」の一言で済みます。
パフォーマンステストは、運用で落ちる
課題とルーブリックだけでは回りません。落ちるのは決まって算数です。90秒×40人は60分で、1コマにどうやっても入らない。だから班内同時発表から代表だけ全体へ、という回し方と、待っている生徒の仕事を同じ紙に入れています。
英作文の採点は、規準を配ってもそろわない
減点式で採点すると、英語が弱い生徒の答案は0点に張りつきます。加点式は逆で、入っているものを数えるだけ。それでも人によって点が割れるので、同じ答案を採点してみせた紙を置きました。教科でそろえる会は、これ1枚で30分で終わります。
作問の重さは、初見英文の不足から来る
読解を教科書本文の再掲で作ると、測っているのは記憶になります。問題を作る前にうめる設計図と観点ラベルの早見表、書き下ろしの初見英文、大問を選ぶだけのテストビルダーで、その部分の時間を減らせます。
年間の設計と説明3本
学期はじめに配る評価の説明プリント(数字の欄は空けてあるので、決めて書き込んでから印刷します)、1年ぶんの材料を月に割りつける年間の評価計画、年度末に教科でそろえる点検表。説明プリントは無料、年間の評価計画と点検表はPremiumです
作問の道具3本
観点ラベル早見表(この大問はどの観点か)、問題を作る前にうめる定期テスト設計図、リスニングの作問キット(設問4型・スクリプト作法・読み上げ台本)。3点とも無料です
パフォーマンステスト3本
やり取りと発表の運営キット(課題・ルーブリック・進行台本・記録シート)と、6回ぶんを1枚に積む話すことの記録。3点とも無料です
ライティング評価3本
生徒に配る加点式ルーブリック(20点・引かないものを先に宣言する)、同じ課題の答案6本を実際に採点してみせた採点アンカー集、二次試験型の和文英訳と自由英作の採点キット。ルーブリックは無料、採点例の2点はPremiumです
評定と記録4本
返却したテストを次の一手に変える誤答分析シート(落とし方を4つの記号で数える)、素点のまま1クラス分を持つ学期の記録簿、追試と再提出の運用ルール、観点別評価から評定を出しきるまでの段取り。評定の出し方だけがPremiumです
定期テストの配点、どう分けるか
決まった正解はありませんが、迷ったときの出発点として使える比率です。学校の方針や科目の性格に合わせて動かしてください。大事なのは、どの大問がどの観点かを作問の前に決めておくことです。
| 区分 | めやす | 中身 |
|---|---|---|
| 知識・技能 | 40〜50% | 語彙・文法の運用、音声、既習の型が使えるか。語順整序や適語補充はここ |
| 思考・判断・表現 | 50〜60% | 初見英文の読解、自由英作、やり取り。「その場で考える」問いはすべてここ |
| 初見英文の割合 | 読解の半分以上 | 教科書本文からの出題を残すなら、設問だけは初見の角度にする |
語順整序を「思考・判断・表現」に置くと、観点と中身がずれます(並べかえは既習の型を当てはめる作業なので、知識・技能です)。自由英作は論理・表現の意見文と同じ型・同じルーブリックで出すと、授業とテストが一本になります。
年間のどこに置くか
やり取りのテストは、学期に2回が現実的です(1回だと当日の調子で決まってしまい、3回だと授業が足りません)。1回目は評定に入れない練習回にして、記録シートの使い方と時間感覚を教師側が確かめる回にすると、2回目が静かに回ります。
やり取り(1分)と発表(90秒)を1学期に1回ずつ置くと、話すことの評価が学期2回になります。順番はやり取りが先です——発表は準備が要るぶん、準備できる生徒とできない生徒の差が出やすいので、先にやり取りで話す型を共有しておくほうが安全です。
評定に入れる回は、話題を3セット用意して待機順で配り分けます。1セットで回すと、後半の生徒が有利になります——ここは公平性の質問が出やすい場所なので、先に手を打っておくと後が楽です。
観点のズレは、作問の順序から生まれる
作問の順に問題を作ると、配点は前半の語彙・文法に寄り、観点の比率は「作り終わってから数えるもの」になります。設計図の紙は、その順序を逆にするためのものです。大問の型・観点・配点・素材・想定時間を先にうめてしまえば、作問は穴うめになります。
迷ったときの判定はひとつだけ持てば足ります。その場で考えないと書けないか——知っていれば書けるなら知識・技能、その場で読んで選んで組み立てるなら思考・判断・表現です。難しさで決めないのがコツで、難しい語彙問題は「難しい知識・技能」です。早見表には大問の型を12並べてあります。
英作文の採点は、2周に分けると速い
1周で内容と英語を同時に見ると、英語のうまい答案の内容まで高く見えます。1周目は内容だけ(立場・理由・具体)、2周目で言語とつなぎ。この順にすると40人で1時間に収まり、点の説明もしやすくなります。加点式ルーブリックには、その配分と引かないもの——つづりの小さな誤り、書き直しの跡、指定語数を超えた部分——を先に刷ってあります。
それでも、規準を配っただけでは採点はそろいません。採点アンカー集に入れた6本の答案では、型は全部そろっているのに具体が1つも無い答案と、文法が6か所崩れているのに言いたいことが届く答案が同じ16点になります。この2本を並べて「これでいいか」を話すのが、教科の基準づくりでいちばん速い道です。納得できなければ言語の配点を上げて、もう一度6本を採点し直せば、自校の配点はその日に決まります。
評定は、学期のはじめに決まっている
学期末に迷うのは、3つを学期のはじめに決めていないときです——材料(何を何回見るか)、線(得点率のどこでA・B・Cを切るか)、組み合わせ(3観点のA・B・Cをどう評定に変えるか)。この3つが紙に書いてあれば、学期末の仕事は集計だけになります。
いちばん割れるのは、A・A・Bのときに評定を4にするか5にするかです。学校の規程が最優先ですが、規程に定めがなければ「Cが1つでもあれば5にしない」のような追加の決めごとを先に置いて、学期のはじめに生徒へ伝えておきます。境目の生徒は上げる材料があるかだけで見ます——下げる材料は探せば必ず見つかるので、探し始めた時点で公平ではなくなります。
1点差で分かれる生徒が何人もいるなら、疑うのは生徒ではなく線の置き方です。線が分布の山の真ん中を通っているときに起きるので、次の学期に動かす材料として1行だけ残しておきます。
作問の時間を減らす道具
テストビルダーは、このサイトの大問を選ぶだけで1枚の定期考査になります。観点の配点比は選んだそばから集計され、教師用ページにテスト設計表が入ります。読解の初見英文が足りないときは、書き下ろしの初見読解11本と、300〜450語の長文読解ラダー10本(記述つき)から持ってこられます。
授業ガイド: 中間考査をどう作るか
設計図と早見表を使って1枚の考査を組む手順を、大問の枠・観点・配点・想定時間の実例つきで書きました。想定解答時間は試験時間の8割に収める、中間と期末で測るものを分ける、といった運用の判断もここにまとめてあります。
無料とPremiumの線
16点のうち11点は無料です——生徒に配る紙(評価の説明プリント・評価規準・加点式ルーブリック・誤答分析シート・追試の運用ルール)と、その日の授業を回す道具(パフォーマンステスト2種・話すことの記録・観点ラベル早見表・定期テスト設計図・リスニング作問キット・学期の記録簿)。授業が成立するために要る紙に壁は作りません。
Premiumは5点です。採点アンカー集と入試英作文の採点キット(どちらも想定答案を実際に採点してみせた紙)、年間の評価計画、評定の出し方、年度末の点検表。どれも学期や年度に1回しか使いませんが、使う日には丸一日かかる仕事で、市販の問題集にも報告書にも入っていない形です。無くてもその日の授業は回る、という線で分けています。
次に足すのは、観点別評価のQ&A(生徒からよく出る質問への答え方)、調査書・推薦に使う記録の残し方、3年間で何をどの学年に置くかの設計表です。どれも「報告書ではなく、刷って使える版下」の形で作ります。