本文へスキップ
英語教材ラボ 高校版

論理・表現の紙(書く・話すを、型で運ぶ)

「話す・書く活動を増やしたいが、型がない」——論理・表現でいちばん多い詰まりはここです。ここに置くのは、教科書を選ばず、書かせたあとの評価まで1枚でつながるワークシートです。すべて書き下ろしで、印刷して配るところまでが完成形になっています。

書けない原因は、英語力の前にある

意見文で点が伸びないとき、たいてい詰まっているのは語彙や文法ではなく「理由が2つ立っていない」ことです。だから紙のいちばん上に、日本語で理由を2つ書く30秒のメモ欄を置いています。ここが埋まらない生徒だけを見に行けば、机間指導は終わります。

型は、書かせたあとに評価とつながる

立場→理由2つ+具体→譲歩→結論の各ブロックが、そのまま加点式ルーブリックの各行に対応します。生徒が見ている型と、教師がつける点が同じ形をしているので、返却時の説明が「ここが足りない」の一言で済みます。

教科書を選ばない

題材は書き下ろしで、教科書の本文に依存しません。英語コミュニケーションの単元後半でも、論理・表現の1コマでも、テスト前の書き方指導でも同じ紙が使えます。

6つの形式を1年のどこに置くかは、論理・表現の1年、何をどの順でやるかにまとめました(並べる軸は教科書順ではなく、内容を自分で用意するか・その場で返すかの2つです)。

意見文の設計図6

論題の連番。同じ論題を3難易度で出し、理由2つ+具体+譲歩の型と加点式ルーブリック・40人の回し方をつけています。どの回も書く型・測る力は同じなので、学期を通して同じ物差しで答案を並べられます

授業でスマホを使ってよいか

60/80/100語

宿題にAIを使ってよいか

60/80/100語

高校生はアルバイトをすべきか

60/80/100語

学校の始業を遅くすべきか

60/80/100語

英語の授業は英語だけで行うべきか

60/80/100語

リテリング1

教科書を選ばない4段階の枠(キーワード→図式化→穴あき→自力)。暗唱にしない配点つき

リテリング・スキャフォールド

添削とピアフィードバック1

記号10個で「どこが」だけ示し、直す仕事は生徒に戻す。週1×40人を回す配分つき

添削記号とピアフィードバック

パラグラフの型2

資料つき。数字の読み上げを、対比と推測のある段落に組み立てる3難易度

要約ラダー1

どの英文にも使える枠。段落1語→段落1文→20語→10語と、落とす順序を決めて削る

ミニディベート1

立場はくじで決め、勝敗はつけない。班内で同時に対戦させて、4分で40人全員が話す運営キット

ミニディベート(4分・2対2)

3つの版の使い分け(意見文・データ説明)

論題・書く型・測る力は3版で同じで、変えているのは支援の量だけです。基礎=理由の候補(日本語)と書き出し語を全部印刷、標準=書き出し語は立場と譲歩だけ、発展=型のみを示し、譲歩に「一度認めてから切り返す」1文を足します。クラスの帯で選んでも、同じクラスの中で配り分けても、返ってきた答案は同じルーブリックで並べて読めます。

カッコ内の語数(60・80・100語)は、生徒が書く量の目安です。型を満たせば自然に届く数字なので、語数だけを目標にしないでください。なお、リテリングと要約ラダーは3版に割っていません——4段の手順そのものが支えの梯子で、どこまで下りるかを先生が決める形にしています。

50分の流れ(例)

1枚で1コマが回ります。書かせるだけで終わらせないために、最後の10分を「差がついた場所を言葉にする」時間に使います。

5分論題を読み、日本語で理由を2つメモする(30秒メモ)。ペアで「どっちの立場か」だけ交換する
5分設計図を確認。基礎版は書き出し語が全部刷ってあるので、そのまま流し込める
20分書く。教師は机間で「理由が2つ立っているか」だけを見る
10分ペアで交換し、紙の下にある3つの目(理由・具体・切り返し)でチェックする
10分良い答案を2本、匿名で映して読む。裏面のモデル答案と比べて、どこで差がつくかを言語化する

書かせる回数を増やすには、添削の側を変える

週1で書かせられない理由は、たいてい教材ではなく添削の時間です。赤で全部直した紙は、生徒が読まずに清書して終わります——直す作業を教師が肩代わりしているからです。記号で「どこが」だけを示せば、考える仕事は生徒の側に残ります。

添削記号のセットには、全員に記号3か所+抜き取り8人だけ記号とひとこと、という配分を入れてあります。5回で40人が1周する形です。生徒面と教師面に同じ記号表を刷ってあるので、返却のときに言葉が通じます。

定期テストに移すとき

自由英作の配点は、内容3・構成3・言語4の10点が扱いやすい形です。言語を減点式にすると、書く量を減らした生徒が有利になります。授業で配った紙と同じ型・同じ観点で出題すれば、「授業でやっていないことがテストに出る」という生徒の不信も起きません。初見の題材が要るときは、初見読解・速読の英文が同じ3難易度でそろっています。

文法ユニットの「表現ワーク」もここにつながります

文法ユニット18本には、それぞれ表現ワーク(use)が3難易度で入っています。仮定法なら「歴史のもしも」、比較なら自分の選択を比べて説明する——文法を入り口に、同じ「型で書いて、話す」ところまで運ぶ紙です。単元の学習と論理・表現をつなぐときは、そちらから入るのが早道です。

これから増える紙

意見文とパラグラフは、論題と資料を替えた連番で増やします(比較・対照の型とミニディベートの運営キットは2026-08-30に公開済み)。この先はスピーチの型と、書いたものを読み合う回のしかけを順に足していきます。どれも教科書に依存しない汎用の型で、評価物とセットにする方針は変えません。