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英語教材ラボ 高校版

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高校英語の中間考査、どう作るか|観点別に割れる問題の順序と設計図

高校英語(英語コミュニケーション・論理・表現)の定期考査を、観点別評価に耐える形で作る手順です。問題を順に作らず設計図を先にうめる、観点は「その場で考えないと書けないか」だけで判定する、想定解答時間を試験時間の8割に収める——無料の設計図PDFと観点ラベル早見表つき。

公開 2026-08-30・更新 2026-08-30

中間考査の作問でいちばん困るのは、範囲が広いことでも、共通問題のすり合わせでもありません。観点別評価に合わせて配点を割ることです。作り終わってから「知識・技能に寄りすぎた」と気づき、慌てて英作文の配点を上げる——これを毎回やっている、という声をよく聞きます。

原因は、たいてい作る順序にあります。大問1から順に作っていくと、前半にある語彙・文法・並べかえに配点が積み上がり、思考・判断・表現は「最後に残った点数」になります。観点比率が作り終わってから数えるものになっている限り、この偏りは毎回出ます。

順序をひっくり返す

やることは1つです。問題を作る前に、大問の枠と配点だけを先に決めてしまう。

大問何を測るか観点配点想定
1発音・アクセント/語彙知識・技能104分
2文法(範囲の中心1つ)知識・技能156分
3既読本文の内容理解知識・技能158分
4初見英文の読み取り思考・判断・表現2512分
5条件英作文思考・判断・表現2010分
6意見を1段落で思考・判断・表現157分

この表を先にうめると、知識・技能40/思考・判断・表現60という比率が、1問も作らないうちに確定します。あとは枠に合う問題を入れるだけです。順序が逆になっただけですが、結果はまるで違います。

数字はあくまで目安で、学校の方針や科目(英語コミュニケーションか論理・表現か)で動きます。ここで決めたいのは比率そのものではなく、比率を先に決めるという手順のほうです。

観点は「その場で考えないと書けないか」だけで決める

大問ごとの観点で迷ったら、判定はこの一言に絞ります。答えるためにその場で考える必要があるなら思考・判断・表現、覚えていれば書けるなら知識・技能です。

難しさで決めないでください。難解な語彙問題は「難しい知識・技能」であって、思考・判断・表現ではありません。逆に、初見英文から必要な情報を選ぶ問題は、英文がやさしくても思考・判断・表現です。

判定がぶれやすい代表が2つあります。語順整序と、既読本文の内容一致です。どちらも思考・判断・表現に置かれがちですが、前者は文法の知識、後者は授業で扱った内容の記憶で解けます。既読本文で思考・判断・表現を測りたいなら、本文そのものではなく、本文から一歩出た設問(同じ主張を別の場面に当てはめる、本文にない条件を足して答えさせる)にする必要があります。

時間を、点数と同じくらい真剣に見積もる

作問で最後に効いてくるのが、想定解答時間です。上の表の想定を足すと47分。50分の試験なら94%で、これはかなり詰まっています。見直しの時間が残らず、最後の英作文が空欄のまま出てくる答案が増えます。

目安は試験時間の8割です。50分なら40分、60分なら48分。残りは見直しと、書くのが遅い生徒のための余白になります。時間が足りない試験は、思考・判断・表現の配点を上げても、その配点が実際には機能しません(最後の大問ほど白紙になるからです)。

見積もりのしかたは単純で、自分で解いてかかった時間を3倍します。教師が解く速度は、生徒のおよそ3倍です。

中間と期末で役割を分ける

範囲が広くて入りきらないときは、詰め込むのではなく、中間と期末で測るものを分けます。

  • 中間:範囲の中心にある文法1つを、知識・技能で確実に取る。初見英文は短め(150語前後)で1本。
  • 期末:中間で固めた文法を前提にして、初見英文を長め(250語前後)に。意見を書く設問はここに寄せる。

こうすると、中間で「まだ習ったばかりのことを、いきなり運用で測る」事故が避けられます。10月の中間で扱う文法は、9月の授業で初めて出会ったばかりのものが多いはずです。出会って3週間の文法を運用で測ると、点差は理解ではなく処理速度で開きます。

初見英文の在庫を、9月のうちに作っておく

作問でいちばん時間を食うのは、初見の英文を探すところです。教科書は使えず、市販の問題集はそのまま載せられません。10月に入ってから探し始めると、ここで数時間が消えます。

当サイトの初見読解ミニテストは、この用途のために書き下ろした英文で、基礎・標準・発展の3難易度がパラレルに作ってあります(同じ内容を難易度だけ変えてあるので、クラス間で難度を揃えたい場合も、逆に習熟度別に配りたい場合も使えます)。設問には観点ラベルが付いているので、上の設計図の大問4にそのまま移せます。

刷るのは2枚

ここまでの手順を紙にしたものが2枚あります。どちらも無料です。

  • 定期テスト設計図 … 問題を作る前にうめる表。裏に記入例が刷ってあり、その例はわざと想定合計を試験時間の94%にしてあります(詰めすぎがどう見えるかを、先に見せるため)。
  • 観点ラベル早見表 … 作っている最中に机の横に置く1枚。大問の形ごとに観点の判定が並んでいて、⚠印が付いているのが、上で挙げた「ぶれやすい代表2つ」です。

作り終わったら、最後に設計図をもう一度見てください。決めた配点と、実際にできあがった配点がずれていたら、ずれた理由が言えるかどうかだけ確かめる。言えるならそれでいいし、言えないなら、たいてい前半が膨らんでいます。

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執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、中3の英語が高1でどうつながるかを見てきた立場から書いています。高校の制度・評価の記述は、高等学校学習指導要領(平成30年告示)と国立教育政策研究所「指導と評価の一体化」参考資料、大学入学共通テストの公表問題にあたって確認しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

この記事で使った紙は、すべて無料でダウンロードできます

論理・表現の設計図と運営キット、評価とテストの作問の道具。刷るだけで1コマが流れます。

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