9月の1週目、明らかに読めなくなっている。単語が出てこない。7月にできていたことが崩れている。ここで「復習に2週間かける」と決めると、10月の中間考査までの時間が足りなくなり、結局そのあと詰め込むことになります。
夏休み明けに起きているのは、忘却というより取り出せなくなっている状態です。取り出しは、進度を止めなくても戻せます。
1コマ目に、テストをしない
再開の1コマ目に確認テストを置くのは、いちばん多い形で、いちばん効きません。点が低く出て、生徒の側に「休み中にやらなかったからだ」という結論だけが残り、9月の空気が重くなります。
1コマ目に置くのは、取り出す作業です。テストではなく、思い出すこと自体を作業にします。
- 1学期に扱った文法ユニットの名前だけを板書(6本)
- 各自、思い出せる例文を1つずつ書く(教科書・ノートを見てよい/10分)
- ペアで見せ合い、相手が書いていない項目を1つ埋める(5分)
- 6本のうち「いちばんあやしいもの」を1つ選んで挙手で集計(3分)
手順4の集計が、そのあとの2週間の設計図になります。教師の予想と、生徒の自己申告は、たいていずれます。
復習週間は作らず、帯の5分でやる
戻す作業を独立した授業にすると、進度が2週間分遅れます。そのぶんは10月に返ってこないので、中間考査の範囲が薄いまま試験を迎えることになります。
代わりに、9月の2週間だけ帯の中身を差し替えます。
| 期間 | 帯5分の中身 |
|---|---|
| 9月1〜2週 | 手順4で上位に来たユニットの10分小テスト(基礎版)を、半分だけ・毎回 |
| 9月3週以降 | 通常の速読ラダーに戻す |
小テストを「半分だけ」にするのは、5分で終わらせるためです。全部やろうとすると10分かかり、帯が本文を圧迫します。半分でも、毎回やれば2週間で8回、6ユニット分は通ります。
戻すユニットは、2本まで
全部を戻そうとすると、どれも中途半端になります。優先するのは、2学期の内容が乗るユニットです。
- 時制・完了形 … 2学期の分詞構文、仮定法の土台
- 文型と語順 … 関係詞の説明がここに戻ってくる
逆に、比較や前置詞は2学期の内容が乗らないので、戻さず、中間考査の範囲外にしておきます。戻す価値は「あとで効くかどうか」で決めます。ユニットの並べ方の考え方は文法18ユニットを1年にどう割るかに書きました。
読む力は、語数を下げて戻す
読解が落ちて見えるときも、いきなり通常の語数に戻さないほうが立ち上がりが速くなります。
- 9月1週 … 速読ラダーの基礎版(短い・易しい)を、時間を計らずに
- 9月2週 … 同じ基礎版を、時間を計って
- 9月3週 … 標準版に戻す
計らずに読ませる回を1週はさむのが要点です。7月と同じ速さを求めると、読めていないのではなく焦って読み飛ばしているだけの状態が固定します。
10月から逆算する
9月は、10月の中間考査に向かう月です。逆算するとこうなります。
| 週 | やること |
|---|---|
| 9月1〜2週 | 取り出しの帯+新しいユニットに入る |
| 9月3〜4週 | 通常運転。考査に出す初見英文の在庫をここで確保 |
| 10月1週 | 作問。範囲は9月に扱った1〜2ユニットの中心 |
3〜4週目に初見英文を用意しておくのは、10月に入ってから探すと数時間が消えるからです(→高校英語の中間考査、どう作るか)。
関連
- 4月の立ち上げは4月、最初の3コマで何をするかに、同じ考え方で書いています。