3学期は、実働がいちばん少ない学期です。1月の始業から学年末考査まで、週2コマなら12〜14コマ。しかも学年によって事情がまるでちがいます。ここを1つの設計で通そうとすると、どこかが必ず崩れます。
高3:共通テスト後の空洞をどうするか
1月の共通テスト以降、教室の状態が生徒ごとにばらばらになります。二次試験に向かう生徒、私大の個別試験が続く生徒、進路が決まって来ている生徒。同じ課題を出す前提が成立しません。
現実的な形は3つです。
| 形 | 向くクラス | 中身 |
|---|---|---|
| 演習の場として開ける | 受験者が多い | 教師は解説せず、質問対応と時間管理だけ。各自の教材を持ち込ませる |
| 共通の課題を軽く1本 | 進路が割れている | 300語前後の長文読解ラダーを1本、時間内で読み切る |
| 出口の英語 | 進学先が決まっている生徒が多い | 大学・専門でのレポートの型(要約ラダー・パラグラフの型) |
いちばん避けたいのは、全員に同じ問題演習をさせて解説する形です。二次に向かう生徒には易しすぎ、決まった生徒には無関係で、どちらにも刺さりません。
高1・高2:3学期に置くユニットの条件
3学期は12〜14コマしかないので、途中で切れても影響の小さいユニットを置きます。条件は「あとのユニットの土台にならないこと」です。
- 仮定法/話法/否定・強調・倒置・省略/名詞・冠詞・代名詞/前置詞
この5本は、単独で立ちます。1本落ちても、次の学年の説明が二重になりません。逆に、時制や文型を3学期に置くと、次の学年の4月がそのぶん重くなります(→文法18ユニットを1年にどう割るか)。
短い学期に、評価の材料を確保する
3学期の落とし穴は、評価の材料が足りなくなることです。考査が1回しかないので、知識・技能は取れても、思考・判断・表現の記録が1〜2しか残りません。
先に3つだけ決めておきます。
| 観点 | 3学期の材料 | 回数 |
|---|---|---|
| 知識・技能 | 学年末考査+10分小テスト | 1+4 |
| 思考・判断・表現 | 学年末考査の後半+出口の意見文 | 1+3 |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 1年の振り返り(3月) | 1 |
思考・判断・表現の「出口の意見文」を1月に3回入れておくのが要点です。ここを入れないと、学年末考査1回で観点が決まり、その日の出来がそのまま評定になります。記録の下限の考え方は観点別評価、3観点をどの材料で取るかに。
2月:学年末考査は、1年の範囲から出す
3学期の範囲だけで作ると、1年を通した力が測れません。かといって全範囲にすると、生徒が準備できません。
配分の目安は、3学期の範囲7割・1年の総合3割です。総合の3割は、文法の項目を細かく問うのではなく、初見の英文を読む・書くの形にします。1年間で読める語数がどれだけ伸びたかが、いちばん見たいところです。
作問の手順そのものは高校英語の中間考査、どう作るかと同じで、定期テスト設計図に総合の枠を1つ足すだけで組めます。
3月:次の学年に、3つだけ残す
学年末に引き継ぐものを増やすと、読まれません。3つに絞ります。
- 進んだところ(ユニット名で。教科書のページ数ではなく)
- やらなかったところ(積み残し。ここが次の担当にいちばん要る)
- 読める語数の推移(4月・9月・2月のクラス平均WPM)
3つめは、次の担当が4月に教材の難易度を決めるのに直接使えます。測り方は4月、最初の3コマで何をするかに書いた形と同じにしておくと、そのまま比較できます。
関連
- 評定を出す手順は素点から評定までの実務に。