本文へスキップ
英語教材ラボ 高校版

評価とテスト

素点から評定までの実務|3観点の記録を、5段階にする手順

学期末に、集めた素点と3段階の記録を評定に変えるまでの手順です。観点ごとにABCへ落とす基準、ABCの組み合わせから5段階を出す表、素点をそのまま平均しない理由、記録が足りないと気づいたときの扱いまで。4月に決めておくものを1枚にまとめました。

公開 2026-08-30・更新 2026-08-30

学期末の作業が重くなるのは、集計そのものではなく、その場で基準を決めながら集計しているからです。素点を眺めながら「このあたりでAにしようか」とやると、クラスごと・年ごとにずれます。

決めるのは4月、使うのは学期末。手順は3段です。

段1:観点ごとに、素点を割合にする

観点ごとに満点がばらばらなので、まず割合(%)にそろえます。

観点材料満点の例割合の出し方
知識・技能考査前半60+小テスト3090合計 ÷ 90
思考・判断・表現考査後半40+出口4回×3+パフォーマンス961合計 ÷ 61
主体的に学習に取り組む態度振り返り3回×39合計 ÷ 9

ここで大事なのは、観点をまたいで足さないことです。全部足して1つの点にしてから観点に割り戻す、という運用をしている学校がありますが、それをすると観点別評価をやっていないのと同じになります。

段2:割合をABCに落とす

境目は学年でそろえます。よく使われるのは次の線です。

  • A … 80%以上
  • B … 50%以上80%未満
  • C … 50%未満

この線を4月に決めて動かさないのが要点です。学期末に「Cが多すぎるから45%に下げよう」とやると、その学期だけ基準がちがう評定になります。Cが多すぎるなら、直すのは線ではなく次の学期の授業か、材料の作り方です。

段3:ABCの組み合わせから5段階を出す

3観点のABCが出たら、組み合わせで評定にします。

ABCの組み合わせ評定
AAA5
AAB / ABA / BAA4〜5(素点の合計で判断)
ABB / BAB / BBA / AAC など4
BBB3
BBC / BCB / CBB3
BCC / CBC / CCB2
CCC1

境目に来た生徒(AABなど)だけ、素点の合計を見て決めます。全員分を見る必要はありません。実務としては、境目に来るのはクラスの1〜2割です。

素点をそのまま平均しない

やってしまいがちなのが、材料の点をすべて足して平均する形です。これをやると、回数の多い材料(小テスト10回)が、回数の少ない材料(パフォーマンステスト1回)を押し流します。

観点ごとに割合を出してから比べる、という順序が、この偏りを止めています。段1で観点ごとに割ることに意味があるのはここです。

記録が足りないと気づいたら

学期末に「思考・判断・表現の記録が2つしかない」と気づくことがあります。このとき、無理に評定を出すより、次の手のほうが安全です。

  • その学期は、足りない観点の重みを下げる(境目の判断に使わない)
  • 次の学期の4月に、出口の帯を1つ増やす(→英語コミュニケーションの50分をどう組むか
  • 学年で材料の数を共有する(クラスによってちがうと、評定の意味が変わります)

記録の下限は観点別評価、3観点をどの材料で取るかに書いた「10/5/3」です。ここを割った学期は、評定の説明が難しくなります。

4月に決めて、1枚に貼っておく

学期末に迷わないために、次の3つを4月に紙にします。

  1. 観点ごとの材料と満点(段1の表)
  2. ABCの境目(段2の%)
  3. 組み合わせから評定への対応(段3の表)

この3つが学年で共有されていれば、学期末の作業は集計だけになり、1クラス1時間で終わります。逆に、これがないまま12月を迎えると、3日かかります。

関連

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、中3の英語が高1でどうつながるかを見てきた立場から書いています。高校の制度・評価の記述は、高等学校学習指導要領(平成30年告示)と国立教育政策研究所「指導と評価の一体化」参考資料、大学入学共通テストの公表問題にあたって確認しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

この記事で使った紙は、すべて無料でダウンロードできます

論理・表現の設計図と運営キット、評価とテストの作問の道具。刷るだけで1コマが流れます。

ほかのガイド