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英語教材ラボ 高校版

評価とテスト

英作文の採点をぶれさせない|部分点の刻み方と、採点例の作り方

自由英作文・意見文の採点で、クラス間や日によって基準がずれるのを止める手順です。減点法をやめて加点の柱を3本にする組み方、部分点を何点刻みにするか、採点前に3枚だけ通し読みする理由、想定答案で採点例を作る手順まで。添削記号表は無料PDFです。

公開 2026-08-30・更新 2026-08-30

英作文の採点でいちばん困るのは、時間ではなくぶれです。40枚目と1枚目で基準が変わる。隣のクラスと合わない。去年の自分と合わない。

ぶれの原因は、たいてい基準が甘いことではなく、細かすぎることです。項目が7つあると、7つとも毎回同じように見られる人はいません。

減点法をやめる

減点法(ミスを引く)は、一見客観的ですが、英作文には向きません。理由は2つです。

  • 挑戦した生徒ほど点が下がる(複雑な構文を使えばミスは増える)
  • 何も書かない答案と、書いてミスをした答案が近づく

加点に変えます。柱は3本だけです。

配点見るもの
内容4主張があるか、理由が2つあるか、それぞれに具体があるか
構成3主張が先頭にあるか、つなぎ語があるか、まとめがあるか
言語3伝わるか。文法の細部ではなく、読んで意味が取れるか

10点満点。柱ごとの内訳は上の3つずつで、1つできて1点という単純な刻みにします。これ以上細かくすると、判定に時間がかかるうえに、採点者ごとの解釈が入ります。

部分点は1点刻み、0.5点は作らない

0.5点を許すと、迷った答案が全部0.5に寄ります。寄った瞬間に、その項目は差を測っていません。

同じ理由で、「内容4点」の内訳も「主張1・理由2・具体1」のように整数に割り切ります。理由が1つしかない答案は2点ではなく1点。ここを機械的にするほど、ぶれません。

採点の前に、3枚だけ通し読みする

40枚を1枚目から採点し始めると、最初の数枚で基準が決まってしまいます。1枚目がたまたまよくできていると、以降が全部辛くなる。

先に、無作為に3枚だけ読みます。点は付けません。このクラスの上・中・下がどのあたりにあるかを見るだけ。3枚読んでから採点に入ると、1枚目からの基準が安定します。

採点例を、自分で作っておく

いちばん効くのがこれです。設問を作ったら、自分で答案を3通り書きます。

  • 満点の答案(10点)
  • 真ん中の答案(6点前後。理由が1つ、具体が薄い)
  • 下の答案(3点前後。主張だけ)

書いてみると、設問の欠陥が先に見つかります。「満点の答案が80語で収まらない」なら語数指定が短すぎるし、「真ん中の答案が書けない」なら、その設問は0点か満点かに割れます。

作った3通は、返却のときにそのまま配れます。生徒にとって、点の説明としていちばん通じるのは基準の文言ではなく、実際の答案です。

クラス間をそろえるには、10枚を交換する

同じ学年を複数人で持っているなら、採点後に各クラス10枚ずつ交換して、点を伏せて付け直します。ずれが2点以上出た答案だけ突き合わせる。1時間で終わり、次の考査から明らかにそろいます。

全部を突き合わせる必要はありません。ずれるのはたいてい真ん中の帯なので、そこだけ合えば評定は合います。

刷るもの

  • 添削記号とピアフィードバック … 返却時に使う記号表。記号で返すと、書き込みの量が3分の1になります。
  • 意見文の設計図 … 授業で使った型がそのまま採点の3本柱に対応しているので、生徒の側で「何が点になるか」が事前にわかります。

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執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、中3の英語が高1でどうつながるかを見てきた立場から書いています。高校の制度・評価の記述は、高等学校学習指導要領(平成30年告示)と国立教育政策研究所「指導と評価の一体化」参考資料、大学入学共通テストの公表問題にあたって確認しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

この記事で使った紙は、すべて無料でダウンロードできます

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