リテリングを入れると、教室が静かになります。「うちの生徒には早い」と結論が出て、次の週にはやめている——という流れがいちばん多いパターンです。
ただ、黙る理由を分けてみると、英語力そのものが原因のものは意外に少数です。
黙る理由は3つしかない
- 手元に何もない… 本文を閉じさせた瞬間、話す材料がゼロになる
- どこまで話すのかわからない… 全文なのか、要点なのか、時間なのかが決まっていない
- 聞き手がいない… 教師に向かって話すと、評価されている場になる
3つとも、英語力ではなく設計の問題です。順に外していきます。
足場は、外す順序を先に決めておく
いちばんよくない形が、初回から白紙で話させることです。1回黙ると、そのクラスでリテリングは二度と成立しません。3段階で外します。
| 段階 | 手元にあるもの | 期間の目安 | ねらい |
|---|---|---|---|
| 1 | キーワード6〜8語(教師が与える) | 最初の3〜4回 | 「言えた」を先に経験させる |
| 2 | 自分で書いた図・矢印だけ(英文は禁止) | 次の5〜6回 | 語ではなく順序で思い出す |
| 3 | 白紙(1分だけ思い出す時間を取る) | それ以降 | 本番の形 |
段階2が要点です。ここを飛ばして1から3へ行くと、生徒は「暗唱に失敗した」と受け取ります。図に落とす作業をはさむと、リテリングが暗唱ではなく再構成だと体でわかります。
帯5分の回し方
週2回、授業の出口に固定します。手順は毎回同じ文言で。
- 1分 … 本文を見て、頭の中で順序を作る(書かない)
- 1分 … A が話す。B は聞くだけ
- 1分 … B が話す。A は聞くだけ
- 1分 … ペアで「相手が言って自分が言わなかったこと」を1つ挙げる
- 1分 … もう一度 A が話す(2回目は必ず伸びる)
手順4を入れると、聞き手の役割ができます。聞くことに仕事があると、教室の空気が「評価の場」から「作業の場」に変わります。手順5で2回目を必ず入れるのは、1回目より伸びる体験が、この活動を続けられるかどうかを決めるからです。
評価に使うのは、月に1回でいい
毎回評価すると、生徒は毎回身構えます。帯として回す日は記録を取らず、月に1回だけ「今日は記録します」と予告して取る。予告した日は、ルーブリックを配ってから始めます。
見る観点は3つで足ります。
- 順序(出来事が本文の順に並んでいるか)
- 接続(because / so / but が入っているか)
- 量(30秒で何文言えたか。文数だけ数える)
内容の正確さを最初から見ないのがコツです。正確さを見ると、生徒は安全な短い発話に寄ります。
刷るもの
- リテリング・スキャフォールド … 段階1のキーワード欄、段階2の図の枠、段階3の記録欄が1枚に並んだ紙です。段階が進むごとに書く欄が減っていく作りなので、外す順序を紙のほうが覚えていてくれます。
- パフォーマンステスト(発表) … 月1の記録日をそのまま評定の材料にするなら、こちらのルーブリックと記録シートに移せます。
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- 1コマのどこに置くかは英語コミュニケーションの50分をどう組むかの「出口10分」に書きました。
- 話す活動を評定に入れるときの実務はパフォーマンステストを40人で1コマに収めるに。