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英語教材ラボ 高校版

授業づくり

リテリングで生徒が黙るのをやめさせる|足場の3段階と、帯5分の回し方

リテリングで生徒が黙る原因を、英語力ではなく「手元に何もないこと」として扱う手順です。キーワード→図→白紙と足場を外す3段階、ペアで回す5分の型、評価に使うときだけルーブリックを見せる理由まで。リテリング・スキャフォールドは無料PDFです。

公開 2026-08-30・更新 2026-08-30

リテリングを入れると、教室が静かになります。「うちの生徒には早い」と結論が出て、次の週にはやめている——という流れがいちばん多いパターンです。

ただ、黙る理由を分けてみると、英語力そのものが原因のものは意外に少数です。

黙る理由は3つしかない

  1. 手元に何もない… 本文を閉じさせた瞬間、話す材料がゼロになる
  2. どこまで話すのかわからない… 全文なのか、要点なのか、時間なのかが決まっていない
  3. 聞き手がいない… 教師に向かって話すと、評価されている場になる

3つとも、英語力ではなく設計の問題です。順に外していきます。

足場は、外す順序を先に決めておく

いちばんよくない形が、初回から白紙で話させることです。1回黙ると、そのクラスでリテリングは二度と成立しません。3段階で外します。

段階手元にあるもの期間の目安ねらい
1キーワード6〜8語(教師が与える)最初の3〜4回「言えた」を先に経験させる
2自分で書いた図・矢印だけ(英文は禁止)次の5〜6回語ではなく順序で思い出す
3白紙(1分だけ思い出す時間を取る)それ以降本番の形

段階2が要点です。ここを飛ばして1から3へ行くと、生徒は「暗唱に失敗した」と受け取ります。図に落とす作業をはさむと、リテリングが暗唱ではなく再構成だと体でわかります。

帯5分の回し方

週2回、授業の出口に固定します。手順は毎回同じ文言で。

  1. 1分 … 本文を見て、頭の中で順序を作る(書かない)
  2. 1分 … A が話す。B は聞くだけ
  3. 1分 … B が話す。A は聞くだけ
  4. 1分 … ペアで「相手が言って自分が言わなかったこと」を1つ挙げる
  5. 1分 … もう一度 A が話す(2回目は必ず伸びる)

手順4を入れると、聞き手の役割ができます。聞くことに仕事があると、教室の空気が「評価の場」から「作業の場」に変わります。手順5で2回目を必ず入れるのは、1回目より伸びる体験が、この活動を続けられるかどうかを決めるからです。

評価に使うのは、月に1回でいい

毎回評価すると、生徒は毎回身構えます。帯として回す日は記録を取らず、月に1回だけ「今日は記録します」と予告して取る。予告した日は、ルーブリックを配ってから始めます。

見る観点は3つで足ります。

  • 順序(出来事が本文の順に並んでいるか)
  • 接続(because / so / but が入っているか)
  • 量(30秒で何文言えたか。文数だけ数える)

内容の正確さを最初から見ないのがコツです。正確さを見ると、生徒は安全な短い発話に寄ります。

刷るもの

  • リテリング・スキャフォールド … 段階1のキーワード欄、段階2の図の枠、段階3の記録欄が1枚に並んだ紙です。段階が進むごとに書く欄が減っていく作りなので、外す順序を紙のほうが覚えていてくれます。
  • パフォーマンステスト(発表) … 月1の記録日をそのまま評定の材料にするなら、こちらのルーブリックと記録シートに移せます。

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執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、中3の英語が高1でどうつながるかを見てきた立場から書いています。高校の制度・評価の記述は、高等学校学習指導要領(平成30年告示)と国立教育政策研究所「指導と評価の一体化」参考資料、大学入学共通テストの公表問題にあたって確認しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

この記事で使った紙は、すべて無料でダウンロードできます

論理・表現の設計図と運営キット、評価とテストの作問の道具。刷るだけで1コマが流れます。

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