ひとことで言うと
観点別評価は、生徒の学習の状況を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点に分けて、それぞれをA・B・Cで評価し、最後に評定(5段階など)にまとめる仕組みです。英語では、この3観点を、聞くこと・読むこと・話すこと[やり取り]・話すこと[発表]・書くことの5領域と組み合わせて評価します。
出どころ
現行の学習指導要領(小・中学校は平成29年告示、高校は平成30年告示)が、育成を目指す資質・能力を3つの柱で整理したことに対応して、観点も3つに整理されました。文部科学省の指導要録の改善通知(平成31年3月)と、国立教育政策研究所の「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」が、具体的な進め方を示しています。小学校は2020年度、中学校は2021年度、高校は2022年度の入学生から順に全面実施です。
授業での実際の使い方
- 単元の評価計画を作る。3観点×5領域の表のうち、その単元で評価する場所に印をつけます。全部を埋める必要はなく、年間で全領域が1回以上入ればよい、という考え方です。
- 本時の評価規準を1〜2観点に絞る。毎時間3観点を記録しようとすると続きません。
- 見取る方法を観点に合わせる。知識・技能はペーパーテストや小テスト、思考・判断・表現はパフォーマンステストやワークシートの記述、主体的に学習に取り組む態度は振り返りや取り組みの継続で見取ります。
- 記録を残す。A・B・Cの記録が単元ごとにあれば、学期末の評定はその総括で決まります。
| 観点 | 英語で見るもの | 主な方法 |
|---|---|---|
| 知識・技能 | 文法・語彙の理解と、それを使う技能 | 小テスト・定期テストの大問1・2、音読 |
| 思考・判断・表現 | 目的や場面に応じて聞く・読む・話す・書く | パフォーマンステスト、英作文、内容一致 |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 粘り強く取り組む姿と、自分の学習を調整しようとする姿 | 振り返り、帯活動の記録、書き直し |
よくある誤解
- 主体的に学習に取り組む態度は「挙手の回数」や「提出物の有無」ではありません。参考資料が示すのは「粘り強い取り組み」と「自らの学習を調整しようとする側面」の2つで、思考・判断・表現と切り離さずに見取ります。
- 3観点を毎時間すべて評価する必要はありません。単元の中で分担し、年間で全領域を回します。
- 定期テストの点数だけで評定は決まりません。定期テストは主に知識・技能と思考・判断・表現の一部を測るもので、話すことはパフォーマンステストで測ります。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校(外国語科) | 3観点で評価するが、評定は3段階。外国語活動(3・4年)は文章による評価 |
| 中学校 | 3観点をA・B・Cで記録し、5段階の評定に総括。高校入試の調査書にも関わる |
| 高校 | 2022年度入学生から観点別の記載が指導要録に加わり、科目ごとに評価計画を作る |
この用語が出てくる教材と記事
- 観点別評価の考え方。3観点と5領域の組み合わせと、単元の評価計画の作り方です。
- 3観点の評価(高校版)と主体的に学習に取り組む態度の見取り方。高校版の授業ガイドですが、考え方は中学でも同じです。
- 中1英語・最初の定期テストの作り方。大問構成と配点を観点に対応させる手順です。
- 評価と所見のガイド(小学校)。点数をつけない小学校の評価の進め方です。
- 用語の整理は評価規準と評価基準とルーブリックへ。