ひとことで言うと
ルーブリックは、評価の観点(何を見るか)を縦に、達成の段階(どこまでできればA・B・Cか)を横に置いて、各マスに「その段階の生徒の姿」を短い言葉で書いた表です。パフォーマンステストのように、正解が1つに決まらない活動を、先生が誰でも同じように評価するための道具です。
出どころ
文部科学省の「学習評価の在り方ハンドブック」(2019年)が、パフォーマンス評価とセットで「ルーブリック(評価基準表)」を示しています。国立教育政策研究所の「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」(中学校 外国語)にも、単元の評価規準と、それを段階に分けた例が載っています。
授業での実際の使い方
作るときの順番は、規準→段階→記述語です。
- 観点を決める。中学校なら「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点。全部を毎回見なくてよく、その課題で見る観点だけにします。
- 段階を決める。3段階(A・B・C)が基本です。Bを「おおむね満足できる」姿として先に書き、Aは「Bに何が加わるか」、Cは「Bに何が足りないか」で書きます。
- 記述語を行動で書く。「意欲的に話している」ではなく「相手の答えに質問を1つ返している」のように、聞けば丸がつけられる形にします。
| 観点 | C | B | A |
|---|---|---|---|
| 思考・判断・表現(やり取り) | 質問に単語で答える | 質問に文で答え、相手に質問を1つ返す | 相手の答えに付け足しの質問をして、やり取りを2往復以上続ける |
使うときのコツは、単元の最初に生徒へ配ることです。ルーブリックは採点表であると同時に、「ここまでやればよい」を先に見せる目標の表でもあります。帯活動の中間指導で「今日はBの行を目指そう」と言えると、評価と指導がつながります。
よくある誤解
- 細かくすれば公平になる、わけではありません。5段階以上にすると、先生の判定がぶれて、かえって不公平になります。3段階で、記述語を行動にするほうが安定します。
- 加点表ではありません。「声が大きい+1点」のような加点方式は、規準に無いものを評価してしまいます。
- 評価規準そのものとは違います。評価規準は「何を評価するか」、ルーブリックはそれを段階に分けた表です。詳しくは評価規準と評価基準へ。
校種別の違い
| 校種 | 段階の数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 小学校 | 2〜3段階。点数化はしない | 「できるようになった言い方」で記述し、所見につなげる |
| 中学校 | 3段階(A・B・C) | 3観点。定期テストの評定と合わせて総括する |
| 高校 | 3段階 | 英作文は「内容・構成・語彙文法」のように観点を分けることが多い |
| 塾 | 合格ラインだけ | 学校のルーブリックのBの行を「合格」と読み替えて使う |
この用語が出てくる教材と記事
- 中学英語のルーブリック例20種。音読・スピーチ・やりとりの評価規準と段階を集めた特集です。
- パフォーマンステストの教材一覧。課題カードと対になったルーブリックがそのまま使えます。
- 英作文の採点。高校版ですが、観点を分けて採点する考え方は中学でも同じです。
- 評価規準の作り方(小学校)。点数をつけない小学校での規準の書き方です。