ひとことで言うと
主体的に学習に取り組む態度は、観点別評価の3観点の1つです。国の参考資料は、この観点を2つの側面で見取るとしています。知識や技能を身につけようと粘り強く取り組む側面と、自分の学習の進め方を見直して調整しようとする側面です。「元気に挙手する」「ノートを提出する」といった行動の回数ではなく、学習の中身に向かう姿を評価します。
出どころ
国立教育政策研究所の「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」(2020年)が、この観点の2つの側面と、「知識・技能」「思考・判断・表現」と切り離さずに評価することを示しています。文部科学省の指導要録の改善通知(平成31年)でも、性格や行動面の傾向ではなく、学習の状況を評価するものだと明記されています。
授業での実際の使い方
英語では、次のような場面と方法で見取ります。
| 側面 | 見取る場面 | 方法 |
|---|---|---|
| 粘り強い取組 | 帯活動の記録(タイム・語数・点数)を続けている | 記録用紙の推移 |
| 粘り強い取組 | パフォーマンステストで止まっても言い換えて続けようとする | 観察・ルーブリックの記述語 |
| 学習の調整 | 小テストのあと、落とした大問を自分で選んで書き直す | 書き直しの提出 |
| 学習の調整 | 振り返りに「次は◯◯を直す」と具体的に書く | 振り返りカード |
コツは、他の2観点と同じ課題で見ることです。たとえばパフォーマンステストのルーブリックに「止まったときに聞き返す・言い換える」の行を置けば、思考・判断・表現と一緒に、この観点も見取れます。別の課題を増やす必要はありません。
よくある誤解
- 挙手の回数、提出物の有無、忘れ物の数ではありません。これらは行動の回数で、学習の中身に向かう姿を表しません。
- 「態度」という語から、性格や礼儀を評価すると誤解されがちですが、評価するのは学習への取り組み方です。
- 授業中に見える生徒だけを高く評価しがちです。書き直しや振り返りのように、静かな生徒の姿が残る方法を必ず入れます。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 振り返りカードと活動の様子。所見につなげる形で、A・B・Cは慎重に |
| 中学校 | 3観点の1つとして評定に入る。帯の記録と書き直しが主な材料 |
| 高校 | 2022年度入学生から指導要録に観点別が記載。年間の評価計画で見取る場面を決める |
| 塾 | 評定には関わらないが、宿題の書き直しを見る習慣は同じ考え方 |
この用語が出てくる教材と記事
- 主体的に学習に取り組む態度の見取り方。高校版の授業ガイドですが、2つの側面の見取り方は中学でも同じです。
- 観点別評価の考え方。3観点と5領域の組み合わせと評価計画です。
- 帯活動の教材一覧。記録を残す欄のある帯のプリントです。
- 3観点の全体は観点別評価、指導と評価のつなぎ方は指導と評価の一体化へ。