ひとことで言うと
形成的評価は、学習の途中で「いまどこまでできているか」をつかんで、次の指導に生かすための評価です。総括的評価は、単元や学期の終わりに「どこまで到達したか」をまとめる評価で、評定の材料になります。英語なら、帯の記録や10分小テストが形成的評価、定期テストやパフォーマンステストが総括的評価にあたります。同じ小テストでも、使い方で役目が変わります。
出どころ
アメリカの評価研究者スクリヴェンが1967年に、教育プログラムの評価について形成的(formative)と総括的(summative)を分けたのが始まりで、ブルームらが学習者の評価に当てはめました。日本の現行の学習評価では、国の参考資料が「記録に残す評価」と「記録に残さない(指導に生かす)評価」を区別していて、後者が形成的評価の考え方に対応します。
授業での実際の使い方
| 区別 | 目的 | 英語での例 | 記録 |
|---|---|---|---|
| 形成的評価 | 次の指導を決める | 帯の記録、10分小テスト、ワークシートの机間での確認、振り返り | 残さない(か、参考程度) |
| 総括的評価 | 到達をまとめる | 定期テスト、パフォーマンステスト、単元末の英作文 | 残す(評定の材料) |
形成的評価は「結果を見て、次の授業を変える」ところまでが1セットです。小テストで大問2(語順)の正答率が半分なら、次の帯を語順の練習に替える。この動きが無い小テストは、ただの小さな総括的評価になります。先生が言う言葉は、返すときの「点数より、どこで落としたかを見て」です。
よくある誤解
- 小テストは必ず成績に入れるもの、ではありません。指導に生かすためだけの小テストがあってよく、そのほうが生徒は失敗を怖がらずに受けます。成績に入れるものは事前に伝えます。
- 総括的評価が「本番」で形成的評価が「練習」、という上下関係ではありません。役目が違うだけで、指導を動かすのは形成的評価のほうです。
- 総括的評価も指導に返せます。定期テストの返却の時間に、落とした大問から戻す授業をすれば、次の単元の形成的評価になります。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 形成的評価が中心。振り返りカードと活動の様子で次の時間を変える |
| 中学校 | 10分小テストを形成的に、定期テストとパフォーマンステストを総括的に。役目を4月に生徒へ説明 |
| 高校 | 定期考査の比重が大きい。小テストの結果で授業を変える動きを意識的に入れる |
| 塾 | 確認テストは形成的評価そのもの。落とした大問で次の回を決める |
この用語が出てくる教材と記事
- 10分小テストの教材一覧。形成的評価に使う3版の小テストです。
- テスト返却の授業。総括的評価の結果を次の指導に返す時間の組み方です。
- 定期テストの教材一覧。総括的評価に使う3版の定期テストです。
- 考え方の全体は指導と評価の一体化、まとめの数字は評定へ。