ひとことで言うと
指導と評価の一体化は、評価を学期末の成績づけのためだけに行うのではなく、単元の目標に照らして生徒の状況を見取り、その結果を次の指導に生かす、という考え方です。目標を決める、その目標に向けて指導する、目標に照らして評価する、評価から指導を直す。この輪が回っている状態を指します。
出どころ
国立教育政策研究所の「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」(2020年3月・校種と教科ごと)が、この語をそのまま題名にしています。現行の学習指導要領のもとで、3観点の評価規準を単元の目標から作り、評価の結果を指導の改善に生かす手順を、教科ごとの事例で示した資料です。
授業での実際の使い方
単元の計画を、目標・指導・評価の3列で1枚にします。
| 列 | 書くこと | 例(中2・不定詞) |
|---|---|---|
| 目標 | 単元の終わりにできること | 自分の目標や理由を、不定詞を使って伝え合うことができる |
| 指導 | どの時間に何をするか | 第1時 導入、第2〜4時 定着と帯、第5時 やり取り、第6時 小テスト |
| 評価 | どの時間に・何を・どう見取るか | 第5時 やり取り(思考・判断・表現)を観察、第6時 小テスト(知識・技能) |
評価は2種類に分けます。記録に残す評価(評定の材料)と、記録に残さない評価(指導のために見る)です。毎時間すべてを記録しようとすると続きません。記録に残すのは単元に1〜2回で、それ以外の時間は「見取って指導に返す」だけにします。小テストで大問2の正答率が低ければ、次の時間の帯を語順の練習に替える、という動きが一体化そのものです。
よくある誤解
- 評価の回数を増やすことではありません。むしろ、記録に残す評価を絞って、指導に返す時間を増やす考え方です。
- 評価規準を細かく書くことでもありません。目標が1文で言えて、それに対応する規準が1つあれば、輪は回ります。
- テストの点を返すだけでは一体化になりません。返したあとに、点数に応じて次の指導が変わって初めて「生かした」ことになります。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 点数化しないぶん、振り返りと所見に指導の結果を返す形で回す |
| 中学校 | 単元の評価計画を3観点×5領域で作り、記録に残す評価を単元に1〜2回 |
| 高校 | 科目ごとの年間評価計画。定期考査とパフォーマンステストの役割分担を先に決める |
| 塾 | 確認テストの落とした大問から次の回の指導を決める、という形が同じ考え方 |
この用語が出てくる教材と記事
- 観点別評価の考え方。単元の評価計画の作り方です。
- 年間の評価計画(高校版)。記録に残す評価と残さない評価の分け方です。
- テスト返却の授業。返した結果を次の指導に生かす時間の組み方です。
- 中学英語の学習指導案の書き方。目標→指導→評価の3列を指導案に落とす型です。
- 一体化の中身は評価規準と評価基準、観点別評価、指導の途中で見る評価は形成的評価と総括的評価、単元の計画に落とす形は単元計画へ。