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中学英語の学習指導案の書き方|略案・細案のテンプレートと記入例

中学校英語科の学習指導案の書き方を、略案と細案のちがい・本時の目標・評価規準・展開表の順に記入例つきで解説。略案・細案のテンプレートはWordとPDFで無料(登録不要)。展開表に写せる授業案40本以上つき。教育実習にも研究授業にも。

公開 2026-09-11・更新 2026-10-17

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学習指導案の前で手が止まるとき、困っているのは書式ではありません。何時間目に何をするかは決まっているのに、本時の目標が1文にならないことです。目標が決まらないうちに展開表から書き始めると、活動の予定表ができあがります。参観者はそれを読んで「この時間で生徒が何をできるようになるのか」を探すことになり、検討会の最初の質問がそこになります。

指導案は上から順に書くものではありません。本時の目標→評価規準→展開表、の順に決めれば、残りはほとんど埋まります。この記事はその順番で書き方を説明し、上の箱にテンプレート(WordとPDF)、後半に略案・細案それぞれのプレビューと、画面からコピーできる形を置いています。

まず、略案か細案かを確かめる

学習指導案には大きく2つの形があります。呼び方は自治体や学校で変わりますが、中身の差は分量ではなく、単元の指導計画をどこまで書くかです。

略案(本時案)細案(正式な指導案)
分量A4・1枚A4・3〜6枚
書くもの本時の目標/評価規準/展開表左記+単元名・単元の目標・生徒観・教材観・指導観・単元の指導計画
使う場面校内の研究授業、教育実習の日常の授業研究発表会、教育実習の研究授業、初任者研修

先に確かめてほしいのは、指導教官や研究主任がどちらを求めているかです。細案を求められているのに略案を出すと差し戻しになりますし、逆に略案でよい場面に細案を書くと、その時間ぶんの教材研究が削られます。教育実習では、日常の授業は略案、研究授業だけ細案という運用が多いです。

生徒観・教材観・指導観の3つは細案だけに必要な部分で、ここに時間を取られている人が多いのですが、実は本時の目標が決まっていれば逆算で書けます。あとの節で触れます。

本時の目標は「〜できる」の1文にする

本時の目標は、生徒を主語にして、その1時間の終わりに観察できる姿を書きます。動詞は「できる」で止めるのが基本です。

書けているかどうかは、次の3つで判定できます。

  1. 生徒が主語になっているか。「〜を指導する」「〜に気づかせる」は教師の行動なので目標ではありません
  2. 授業の終わりに、見て確かめられるか。「理解する」「意識を高める」は外から見えないので、確かめようがありません
  3. 文法の名前ではなく、その文法で何をするかが書いてあるか

3つめが特に効きます。「不定詞の名詞的用法を使うことができる」は文法の名前だけなので、目標としては空です。「したいことを3つ挙げて、その理由を1文ずつ添えて紹介することができる」まで書くと、どの活動を組めばいいかが自動的に決まります。

よくある書き方直したあと
三人称単数現在のsを理解する友だちのことを4文程度で紹介し、動詞にsが必要な場面で使うことができる
受け身の形に慣れ親しむご当地クイズに答えながら、ものが「どこで作られたか」をたずね、答えることができる
関係代名詞の主格を使えるようにする3つのヒントで人やものを説明し、2文を1文にまとめて言うことができる

評価規準は、目標をそのまま裏返す

評価規準は目標と別のことを書く欄ではありません。目標を、観察するための言い方に置き換えたものです。目標が「〜できる」なら、評価規準は「〜している」になります。

3観点のうち、本時で見るのは基本的に1つか2つです。1時間で3観点すべてを評価しようとすると、記録が取れないまま授業が終わります。導入の時間なら知識・技能に寄り、活用の時間なら思考・判断・表現に寄る、という程度の割り切りで構いません。

主体的に学習に取り組む態度をこの欄に書くときは、挙手の回数や声の大きさを規準にしないでください。「相手が分からない顔をしたとき、言い換えたり例を足したりしている」のように、行動で書きます。評価規準の作り方そのものは観点別評価の付け方に、実技で使うルーブリックの実例は中学英語のルーブリック例20種にまとめてあります。

展開表は4列でいい

展開表の列は、学校の様式があればそれに従ってください。様式が指定されていない場合は、次の4列で十分です。

段階・時間学習活動指導上の留意点評価(方法)
導入 10分教師の話を聞き、クイズに答える文法の説明はしない。答え合わせのときに黒板に文を残す—
展開 30分ペアで例にならって文を作り、クラスに紹介する例文カードを机間指導で配る。詰まったペアには質問の型を口頭で示す行動観察・ワークシート
まとめ 10分今日できるようになったことを1文で書く次時の予告は、今日の活動の続きとして話すワークシートの記述

書くときのコツが3つあります。

ひとつ、学習活動は生徒の行動で書きます。「〜を説明する」は教師の行動なので、指導上の留意点の列へ移します。この列の主語がそろっているだけで、読み手は授業の絵を描けます。

ふたつ、評価の列は全部の行を埋めません。埋まっている行が2つか3つあれば十分で、むしろ全部埋まっている指導案は「本当に全部見るのか」と聞かれます。

みっつ、時間配分は5分単位で書き、合計は50分ぴったりにします。そのうえで、遅れたときにどこを削るかを指導上の留意点に1行書いておきます。実際の授業では必ず遅れが出ますが、参観者は時間どおりに進んだかではなく、遅れたときに何を削ったかを見ています。

生徒観・教材観・指導観の3つ(細案のみ)

細案でだけ必要な3つです。順番に悩む人が多いのですが、本時の目標が決まっていれば逆算で書けます。

生徒観は、目標に届かせるうえで気になる実態を書きます。学級全体の褒め言葉ではなく、「書く量に個人差が大きく、白紙で出す生徒が3名いる」のように、本時の手立てにつながる事実だけで構いません。

教材観は、扱う題材や言語材料が、目標にとってなぜ適しているかを書きます。教科書の単元の趣旨をなぞるだけになりがちなので、自分のクラスの生徒にとっての意味を1文足すと、それらしくなります。

指導観は、生徒観と教材観を受けて、本時でどんな手立てを打つかを書きます。ここが展開表の指導上の留意点と一致していれば、指導案として筋が通ります。

テンプレートのプレビュー(略案・A4 1枚)

冒頭の箱から落ちる Word・PDF の1枚目と同じ構成です。角括弧の中を置き換えれば、そのまま本時案になります。記入例は導入の1時間(新しい文法に出会う日)で書いてあります。

項目記入内容([ ]を置き換える)
表題第[◯]学年[◯]組 英語科学習指導案(略案)
日時・場所令和[◯]年[◯]月[◯]日([◯])第[◯]校時/[◯]年[◯]組教室
指導者[氏名](T1)/ALT [氏名](T2・ティームティーチングのとき)
1 単元名[教科書名 Unit ◯「単元名」](言語材料: [◯◯])
2 本時の目標[生徒が主語・「〜することができる」で1文。文法の名前ではなく、その文法で何をするか]
3 本時の評価規準知識・技能[〜している]/思考・判断・表現[〜するために、〜している]/主体的に学習に取り組む態度[〜しようとしている(行動で)]。本時で見る観点は1〜2つ
6 準備物[ワークシート◯枚・例文カード・投影スライド・タイマー]

4 本時の展開([◯]/[◯]時間目・50分)

段階・時間学習活動(生徒の行動)指導上の留意点(教師の手立て)評価(方法)
導入 [5]分帯活動のあと、前時の表現で1往復。本時のめあてを知る英語で始める。前時のカードを再提示し、説明はしない—
展開① [15]分場面(クイズ・実況・先生の話)で新しい表現に出会い、聞いて反応する意味が分かった瞬間に、その文を板書に残す。文法用語は後から—
展開② [20]分ペアで例にならって文を作り、相手を替えて伝え合う。数人が全体に紹介する例文カードを机間指導で配る。詰まったペアには質問の型を口頭で示す。遅れたら全体発表を2人に減らす行動観察(知識・技能/思考・判断・表現)・ワークシート
まとめ [10]分今日できるようになったことを1文で書く。次時の予告を聞く次時の予告は、今日の活動の続きとして話すワークシートの記述

5 板書計画(黒板を3つに分けて、左から)

左(授業の終わりまで残す)中央(本時の文)右(手順・掲示物)
日付/めあて(生徒の言葉で)/前時の表現1文場面で出た文を2〜3文。新しい形だけ色チョーク活動の手順①②③/例文カード・タイマー

テンプレートのプレビュー(細案で足す項目)

Word・PDF の2枚目です。研究授業や教育実習の研究授業で細案を求められたときだけ、略案の前に付けます。

項目記入内容([ ]を置き換える)
単元の目標[単元の終わりに生徒ができること。1文、または3観点で1文ずつ]
単元の評価規準下の3観点の表
生徒観[目標に届かせるうえで気になる実態。学級全体の褒め言葉ではなく、本時の手立てにつながる事実だけ]
教材観[題材・言語材料が目標にとってなぜ適しているか。自分のクラスにとっての意味を1文足す]
指導観[生徒観と教材観を受けた本時の手立て。展開表の「指導上の留意点」と一致させる]
単元の指導計画下の表(全[◯]時間・本時に印)

単元の評価規準(3観点)

知識・技能思考・判断・表現主体的に学習に取り組む態度
[言語材料]の特徴やきまりを理解し、[聞く/話す/読む/書く]技能を身に付けている[目的・場面・状況]に応じて、[〜について][伝え合って/書いて]いる[目的・場面・状況]に応じて、[〜を〜しよう]としている(挙手の回数ではなく行動で)

単元の指導計画(全[◯]時間)

時学習内容評価規準(観点)・方法
1単元の導入。場面で新しい表現に出会う知識・技能(行動観察)
2形の定着。ドリルと小テスト知識・技能(小テスト)
3表現の練習。ペアでのやり取り思考・判断・表現(行動観察)
4(本時)活用。相手を替えて伝え合い、全体に紹介する思考・判断・表現/態度(行動観察・ワークシート)
5まとめ。パフォーマンステスト3観点(ルーブリック)

テンプレートをダウンロードする(Word・PDF)

冒頭の箱と同じファイルです。会員登録もメールアドレスも要りません。Word は学校の様式に合わせて編集でき、PDF はそのまま印刷して手書きできます。A4・四辺20mm。

学習指導案テンプレート(Word・無料)をダウンロード / PDF版

下は略案の部分を、画面から直接コピーできる形にしたものです。角括弧の中を置き換えてください。

第◯学年◯組 英語科学習指導案

日時   令和◯年◯月◯日(◯)第◯校時
場所   ◯年◯組教室
指導者 ◯◯ ◯◯

1 単元名  [教科書の単元名(例: NEW CROWN 1 Lesson 5)]

2 本時の目標
  [生徒が主語・「〜することができる」で1文]

3 本時の評価規準
  知識・技能        [〜を理解し、〜している]
  思考・判断・表現   [〜するために、〜している]
  主体的に学習に取り組む態度  [〜しようとしている(行動で書く)]
  ※ 本時で見る観点は1〜2つに絞る

4 本時の展開(◯/◯時間目)
  ※ Wordでは4列の表にする。列は次の4つ
     段階・時間 / 学習活動 / 指導上の留意点 / 評価(方法)

  導入  ◯分 | [生徒の行動] | [教師の手立て] | [空欄でよい]
  展開  ◯分 | [生徒の行動] | [教師の手立て] | [行動観察 など]
  まとめ ◯分 | [生徒の行動] | [教師の手立て] | [ワークシートの記述]

5 板書計画
  [黒板の左から順に、残す文・貼る掲示物]

6 準備物
  [ワークシート・例文カード・投影スライド など]

展開表の中身は、授業案から持ってこられる

指導案でいちばん時間を食うのは展開表の中身です。ここは、すでに50分の流れが書いてある授業案を土台にすると早く終わります。

当サイトの授業案40本以上は、導入・展開・まとめの時間配分を分単位で書いてあり、板書例と生徒への問いかけまで入っています。指導案の展開表に写す前提の粒度なので、置き換えるのは学級の実態に関わるところだけで済みます。

導入の1時間を扱うなら、次のあたりが指導案に起こしやすい形です。

学年文法授業案
中1三人称単数現在この人だれ?ヒミツの紹介クイズ
中1過去形先生の昨日、どれがウソ?ウソ日記
中2比較どっちが○○?実測クイズ
中2受け身チャンツ×ご当地クイズ
中3関係代名詞スリーヒントクイズ
中3分詞(後置修飾)名探偵!〜している人はだれ?

タスク型の授業を1時間見せるなら夢の時間割をつくろう、体を動かす導入なら教室を動いて覚える be動詞のTPRがあります。文法ごとの授業の並べ方は中学英文法の教え方ガイド、自分の教科書のどこにあたるかは教科書別 単元マップで確認できます。文法の導入の場面づくりは文法導入ネタ20選に文法別でまとめてあります。

研究授業の指導案として出すとき

研究授業だからといって、特別な授業を作る必要はありません。むしろ、ふだんやっていない活動を当日だけ持ち込むと、生徒が段取りに慣れていないぶん、授業として成立しにくくなります。

選ぶなら、単元のなかで文法の導入をする日か、活用・応用の日です。導入の日は生徒が新しい表現に出会って使い始める瞬間が見えますし、活用の日は習った表現でやり取りする姿が見えます。避けたいのは、練習問題を淡々と解く定着の日と、単元最初の本文和訳の日です。授業の選び方と検討会の乗り切り方は研究授業が憂鬱です。指導案も何を書けばいいのか分かりませんにまとめました。

よくある質問

教育実習で毎時間の指導案を書く時間がありません

日常の授業は略案で構いません。上のテンプレートのうち、本時の目標・評価規準・展開表の3つだけを埋めれば1枚になります。実習中に時間がかかるのは指導案そのものより教材づくりなので、授業案とワークシートは既存のものを土台にして、置き換える箇所を絞ってください。実習全体の進め方は教育実習の英語授業ガイドにあります。

学校の様式が決まっていて、この形と違います

様式が指定されているなら、そちらが優先です。列や項目の名前が違っても、本時の目標→評価規準→展開表という決め方の順番は変わりません。指定の様式に、この記事の順で決めた中身を流し込んでください。Word版なら列を足したり項目名を変えたりできます。

細案の「単元の評価規準」と「本時の評価規準」は何が違いますか

単元の評価規準は、単元の終わりに生徒に身に付いていてほしい力を3観点で書いたもので、単元の指導計画の各時間の評価はそこから割り振ります。本時の評価規準は、そのうち本時で実際に見取る1〜2観点だけを、本時の活動の言葉で書き直したものです。単元の表から本時の分を抜き出して具体化する、という関係になります。

ALTとのティームティーチングの指導案はどう書きますか

展開表の学習活動の列を、T1(授業者)とT2(ALT)に分けて書くのがいちばん簡単です。分けることで、ALTが立っているだけの時間が可視化されます。打ち合わせに使う1枚はALT打ち合わせシートを、役割分担そのものの悩みはALTとのティームティーチングで、役割分担がうまく決まりませんをどうぞ。


指導案は、書き上げることより、書いたとおりに授業が動くかどうかが本体です。展開表の中身に迷ったら、授業案40本以上から自分の単元に近いものを開いて、時間配分と発問の粒度を見てみてください。

紹介した教材は、はじめの1本が無料PDFです(2本目以降の活動はPremium・月980円)

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