秋に校内研究授業が当たってしまいました。正直、憂鬱で仕方ありません。普段やらないような凝った授業を用意すべきなのか、指導案の書式を前にしても何を書けばいいのか分からず、手が止まっています。検討会でベテランの先生方に何を言われるかも怖いです。(中2担当・教職2年目)
結論: 特別な授業を作らない。「いつもの授業の一番いい日」を見せる
研究授業が苦しくなる最大の原因は、この日のためだけの特別な授業を作ろうとすることです。特別な授業は、生徒も初めて・教師も初めてなので、まず成功しません。発想を変えましょう。見せるのは、いつもやっている授業の型が一番よく機能する日。普段の帯活動、普段のペアワーク、普段の進め方——その中で「生徒が動く様子が一番見える1時間」を単元の中から選ぶのです。
どの1時間を選ぶか
単元の中で研究授業に向くのは、文法導入の日か、活用・応用の日です。導入の日は「生徒が新しい表現に出会って使い始める瞬間」が見え、活用の日は「習った表現で生徒同士がやり取りする姿」が見えます。逆に避けたいのは、練習問題を淡々と解く定着日と、単元最初の本文和訳の日。参観者は生徒の動きを見に来るので、動きが構造的に生まれる日を選ぶこと自体が、最大の準備です。
指導案は「本時の目標1文」から逆算する
書式の空欄を上から順に埋めようとすると迷子になります。書く順番はこうです——①本時の目標を1文で書く(例:「昨日したことを、過去形を使ってペアで3往復伝え合える」)②その姿が出る本時の山場の活動を決める ③山場に至る前半の手順を並べる ④「予想される生徒の反応」は、実際の生徒3人(得意な子・平均的な子・苦手な子)の顔を思い浮かべて、その子が言いそうなこと・詰まりそうな所を書く。目標1文が決まれば、残りの欄はぜんぶその逆算で埋まります。
検討会は「防御しない」が一番楽
指摘が怖いのは自然ですが、検討会で自分の授業を守ろうとすると、消耗だけが残ります。おすすめの構えは、指摘をもらったら反論も言い訳もせず「先生ならその場面、どうされますか?」と聞き返すこと。指摘は「あなたへの評価」から「具体的な技の伝授」に変わり、検討会があなたにとって一番の研修になります。メモに残すのは指摘そのものより、この聞き返しで引き出した具体策です。
それでも憂鬱なあなたへ
ひとつ確かなことを書いておきます。授業を見てもらった回数と授業のうまさは、ほぼ比例します。研究授業は、多忙な同僚たちが1時間まるごとあなたの授業を見て、知恵を出してくれる、教職人生でそう多くない機会です。うまくやる必要はありません。いつもの授業を見せて、いつもの課題に知恵をもらう——それで研究授業は成功です。