本校はALTの来校が月に2〜3回しかありません。隣の市は毎週来ると聞くと、うちの生徒は生の英語に触れる機会が少なくて不利なのではと焦ります。私の英語だけで補えているのか自信もありません。(中1担当・教職5年目)
結論: ALTの代役を探さない。「いる日」と「いない日」の役割分担を設計する
月数回でも、設計しだいで英語のインプット量は確保できます。考え方はシンプルで、ALTがいる日にしかできないことに来校日を全振りし、録音や音声で代替できることはいない日に回す。焦りの正体は量の不足ではなく、役割分担が未設計なことがほとんどです。
いる日: 「その場のやり取り」専用日にする
ALTの本当の価値は、正しい発音のモデルではなく、台本のない相互作用です。生徒の答えに That's interesting! Why? と返してくる、予想外の質問が来る——この「本物とのやり取り」は録音では代替できません。だから来校日は、音読モデルや単語の発音確認のような録音でできる仕事に使わず、インタビュー活動・Q&A・生徒の発表への即興フィードバックなど、生身の反応が要る活動に集中させます。この1点を変えるだけで、月2回の密度は毎週来る学校に見劣りしなくなります。
いる日の仕込み: 1回の来校で「録りだめ」を頼む
来校日の10分を使って、次の来校までに使う音声素材をまとめて録音してもらいます。教科書本文の音読、次の単元の対話文、リスニング小テストの台本——台本を渡して読んでもらうだけなので、負担は小さく、断られることはまずありません。これで「いない日」の教室にもALTの声が流れます。5分しか打ち合わせが取れない場合の段取りは、ALTとの打ち合わせ時間が毎回5分しか取れませんも参考にしてください。
いない日: 教師のTeacher Talkと音声教材で回す
「私の英語だけで大丈夫か」という不安に答えておくと——大丈夫です、設計すれば。生徒のインプットの土台は、実は日々の教師の英語(挨拶・指示・Small Talk)です。ネイティブらしさよりも、伝わる英語を毎時間安定して浴びせることのほうが、月数回の生英語より効きます。そこにデジタル教科書の音声やモデル音源を組み合わせれば、「聞く量」は教師とALTの分業で十分に確保できます。帯活動に1日5分のリスニングや音読を固定するのが、一番確実な量の稼ぎ方です。
「不利」を測るものさしを変える
隣の市との比較で焦るときは、来校回数ではなく生徒が英語を使った回数で比べてください。毎週ALTが来ても一斉授業の後ろで立っているだけの教室より、月2回のやり取り集中日+毎日の帯活動の教室のほうが、生徒の発話量は多くなります。回数は行政が決めますが、密度は教師が決められます。