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英語教材ラボ

教育実習の英語授業ガイド|指導案は目標1文から・研究授業までの3週間の組み立て

教育実習(中学英語)の3週間を、参観の観点→指導案の書き方→最初の1時間→研究授業の順に解説。指導案は書式の空欄からではなく「本時の目標を生徒の姿の1文で書く」から逆算します。検定教科書6種の単元に対応した授業案・ワークシート・帯活動など無料教材つき。5〜6月の実習にも9〜10月の秋実習にも使えます。

公開 2026-08-29・更新 2026-08-29

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教育実習の授業準備でいちばん困るのは、実は「自由に作っていいよ」という言葉です。指導教員なりの気づかいなのですが、授業は自由には作れません。教科書の進度があり、クラスには4月から積み上がってきた約束の型があり、生徒はあなたの知らない文脈をたくさん持っています。制約が見えないまま自由だけを渡されるから、何から手をつければいいか分からなくなる——実習の授業づくりは、まず制約を見つけるところから始まります。

この記事は、中学英語の教育実習を時系列で歩けるようにまとめたものです。参観で何を観るか、指導案をどこから書き始めるか、最初の1時間で何を目指すか、研究授業(査定授業)の1時間をどう選ぶか。大学の英語科教育法で模擬授業を作るときも、組み立ては同じです。当サイトの教材はすべて無料・登録不要で学校での利用は自由なので、実習にもそのまま持ち込めます。5〜6月の実習にも、9〜10月の秋実習にも使える通年の内容です。

後半には、実習生を受け入れる指導教員の先生向けの節も置きました。初日に渡すものを先に決めておくと、受け入れの3週間はかなり軽くなります。

実習の3週間の見取り図

中学校の教育実習は3週間の形が多く(大学や取得する免許によって2〜4週間)、おおまかに次の順で進みます。

中心になること授業づくりで進めておくこと
1週目参観・学級での生活観る観点を決めて参観する。担当単元と教科書の現在地を確認する
2週目部分実習→1コマの授業帯活動や導入の10分から任される。指導案の型をここで固める
3週目連続の教壇実習・研究授業査定の1時間を選んで磨く。検討会までが実習の山場

2週間の実習では1週目と2週目が圧縮されて、研究授業が最終週の後半に来ます。どちらでも順番は変わりません。観る、部分でやる、通しでやる、です。

1週目——参観は「観る観点」を3つに絞る

参観は、観点を持たずに座っていると「上手だなあ」で終わります。ノートの左端に次の3つを書いてから教室に入ってください。

1つめ、クラスの型。授業の最初の5分に何が起きているかを見ます。帯活動が回っているクラスなら、その型はあとで借りられます(後述)。帯活動ネタ20選を先に読んでおくと、いま観ている活動に名前がついて、メモが速くなります。

2つめ、指示の英語。先生が何語で・どの長さで・どんな決まり文句で指示しているか。生徒が聞き取れている指示には共通の形があります(指示の英語とTeacher Talk)。自分が教壇に立つ週には、この決まり文句をそのまま使うのが早道です。

3つめ、生徒が動いた瞬間。発問や指示の直後に、誰が・どれくらいの速さで動き始めたかを記録します。よく動いた場面の発問には設計があります(発問の3段階)。逆に詰まった場面のメモは、あとで指導案の「予想される生徒の反応」の欄を書くときの、いちばん確かな材料になります。

担当する単元が決まったら、その単元が教科書のどこにいるかを単元マップで確認します。検定教科書6種それぞれについて、単元と文法の対応を学年別に一覧にしてあります。見るのは担当単元だけではなく、その前の2つの単元です。生徒が何を既習として持っているかを知らないと、導入は書けません。

授業の日は3種類——どの日を任されたかで準備が決まる

英語の授業は、大きく分けると3種類の日でできています。新しい文法や表現に出会わせる導入の日、形を反復して身につけさせる定着の日、身についた形を使ってやり取りさせる活用の日。自分が任されたのがどの日なのかをまず指導教員に確認すると、探す教材と指導案の山場が決まります。

導入の日なら、文法の教え方ガイドから入ってください。18文法それぞれについて、生徒がどこでつまずくか・導入をどう組み立てるかをまとめてあり、担当の文法から教材へ直接たどれます。導入の場面のアイデアは文法導入ネタ20選に、実物の授業案には導入クイズの進行から板書に残す文まで書いてあるので、指導案の「展開」欄をどの粒度で書けばいいかの見本にもなります。

定着の日なら文法定着ドリル28本を。機械的に解けない作りにしてある理由も書いてあるので、「ドリルの日は退屈になる」という不安ごと解消できます。

活用の日ならコミュニケーション活動18選を。情報の差があるから話さざるを得ない、という活動の原理から回し方まで一覧になっています。生徒同士のやり取りが山場になる日は、参観者から見ても動きが分かりやすい日です。

指導案は「本時の目標1文」から逆算する

学習指導案の書式は学校・自治体ごとに違います。まず指導教員がふだん使っている書式をもらってください。そして、もらった書式の空欄を上から順に埋めようとしないこと。迷子になる書き方です。書く順番はこうします。

  1. 本時の目標を1文で書く。「昨日したことを、過去形を使ってペアで3往復伝え合える」のように、生徒の姿が浮かぶ形で書きます
  2. その姿が出る山場の活動を決める
  3. 山場に至るまでの前半の手順を並べる
  4. 「予想される生徒の反応」は、参観でメモした実際の生徒3人——得意な子・平均的な子・苦手な子——の顔を思い浮かべて、その子が言いそうなこと・詰まりそうな所を書く

目標の1文が決まれば、残りの欄はぜんぶ逆算で埋まります。4の欄が書けなくて手が止まるのは、生徒をまだ知らないのだから当然で、恥ずかしいことではありません。1週目の参観メモがそのまま材料になります。

細案(発問や指示のセリフまで書く形式)を求められたら、山場の活動の前後10分だけ細かく書き、他は略案でよいか指導教員に相談してみてください。50分ぜんぶをセリフで書く時間があったら、山場の指示を実際に声に出して練習するほうが本番に効きます。この逆算の考え方は研究授業の指導案の相談で詳しく書いています。研究授業向けの記事ですが、実習の指導案も手順は同じです。

最初の1時間——目標は「成立させる」

最初の授業の目標は、うまくやることではなく成立させることです。時間内に終わり、生徒が指示どおりに動き、あなたが最後まで英語の授業をした。それで60点、合格です。そのために確実に効くことが2つあります。

1つは、帯活動を教室の型のまま借りることです。1学期から回っている帯活動は、進行役が実習生に代わっても生徒の体が覚えているので機能します。授業の最初の5分が定型で流れると、残りの45分に向かう緊張がまるで違います。参観の1週目に観ておいた型を、そのまま使わせてもらってください。

もう1つは、指示を短い英語で言い切る形に決めて、声に出して練習しておくことです。あわせて板書計画を先に固めます。50分後の黒板の最終形を1枚に描いてから指導案に戻ると、展開の欄が書きやすくなります(板書とノート指導)。

研究授業——「いつもの授業の一番いい日」を選ぶ

実習のまとめとして研究授業(査定授業)があります。ここで特別な授業を作ろうとするのが、いちばんよくある失敗です。この日のためだけの凝った活動は、生徒も初めて・あなたも初めてなので、まず成功しません。見せるのは、いつもの授業の型が一番よく機能する日です。

単元の中で研究授業に向くのは、導入の日か活用の日です。導入の日は生徒が新しい表現に出会って使い始める瞬間が見え、活用の日は生徒同士がやり取りする姿が見えます。避けたいのは、練習問題を淡々と解く定着の日と、本文和訳の日。参観者は生徒の動きを見に来るので、動きが構造的に生まれる日を選ぶこと自体が最大の準備です。

検討会では、指摘に反論も言い訳もせず「先生なら、その場面どうされますか」と聞き返してみてください。指摘があなたへの評価から具体的な技の伝授に変わり、検討会が実習でいちばんの研修になります。実習の査定で見られているのも、1時間のうまさではなく、観てもらって直すサイクルを回せるかどうかです。授業のあとに1点だけ直して翌日の授業で試す——これがいちばん伝わる挽回です。研究授業の組み立ては研究授業が憂鬱です(相談)にも書いています。

指導教員の先生へ——初日に渡す3点

ここからは受け入れる側の節です。実習生への説明は小出しにするより、初日に3点まとめて渡してしまうほうが、お互いの3週間が軽くなります。

  1. 教科書の現在地。単元マップで自分の教科書のページを開き、いまの単元と実習期間中に進む範囲を一緒に確認します
  2. クラスの型。帯活動・ペアの組み方・挙手や指名のルールなど、4月から積み上げてきた約束を3つだけ口頭で
  3. 指導案の書式。ふだん自分が使っている形を、過去の実物つきで

あわせて、授業をどこから任せるかの階段——帯活動→導入の10分→1コマ→連続——を初日に見取り図として示しておくと、実習生の準備が前倒しで回り始めます。関わり方の距離感に迷ったら、初任者や教育実習生の指導担当になったときの相談がそのまま使えます。

当サイトの教材は無料・登録不要で学校での利用は自由なので、「この単元ならこの1枚」と印刷して渡す使い方ができます。実習生に教材の探し方ごと渡すなら、このページをそのまま案内してください。

そのまま持ち込める無料教材

実習でよく使われる順に並べます。すべて無料PDF・登録不要で、学校・授業での利用は自由です(再配布・販売は不可)。

よくある質問

指導案は細案で書くべきですか、略案でいいですか。

指導教員の指示が正です。指定がなければ、研究授業は細案・ふだんの1コマは略案が一般的です。細案を求められたら、山場の活動の前後10分だけセリフまで書き、他は略案の粒度でよいか相談を。全50分をセリフで書く時間は、山場の指示を声に出して練習する時間に回すほうが本番に効きます。

授業がうまくいきませんでした。実習の評価に響きますか。

1時間の出来ばえより、観てもらって直すサイクルを回せているかが見られています。検討会で指摘をもらったら、反論せずに「先生ならその場面どうされますか」と聞き返して具体策をメモし、翌日の授業で1点だけ直す。これができる実習生への評価が低くなることは、まずありません。

サイトの教材を実習の授業で使ってもいいですか。

使えます。無料・登録不要で、学校・授業での利用は自由です(再配布・販売は不可)。指導案の資料欄には「英語教材ラボのワークシートを一部改変」のように書いてかまいません。使う前に指導教員に実物を見せて一言相談しておくと、当日の差し戻しがなくなります。

秋(9〜10月)の実習は、春の実習と何が違いますか。

進め方は同じで、違うのは担当する単元です。2学期は各学年とも文法の山が来る時期——中1は三単現、中2は不定詞・動名詞、中3は関係代名詞や分詞——なので、導入の日を任される可能性が春より高くなります。担当文法が決まったら文法の教え方ガイド単元マップで位置を確認してください。また、9月中旬〜10月は体育祭・文化祭の練習で時間割が動く週があります。授業の予定が朝に変わるのも、秋の実習の景色のうちです。

紹介した教材はすべて無料PDFでダウンロードできます

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