初任者のメンターや、教育実習生の指導担当を任されました。ただ、自分自身もまだ手探りで、どう助言し、どう育てればいいのか分かりません。あれこれ言いすぎるのも、放っておくのも違う気がします。若い人にどう関わればいいでしょうか。(中堅)
教え込むより、安心して挑戦できる足場を作る。答えを与えず問いで支える
指導担当として何をすべきか迷うのは、「自分の正解を教えること」を指導だと思うからです。でも、経験の浅い人に必要なのは、完成された正解より、挑戦して振り返れる安全な環境です。あなたのやり方をそのまま渡すと、相手はそれをなぞるだけになり、自分で考える力が育ちません。良い点を返し、答えでなく問いで考えを引き出し、失敗を許容して見守る。教え込むのではなく、育つ足場を作るのが指導です。
対策1: まず授業を見て、良い点を具体的に返す
ダメ出しから入ると、相手は萎縮して挑戦しなくなります。
- できていた点を、具体的な場面を挙げて言葉にする
- 「あの発問で生徒が考えていた」など、事実で認める
- 改善点は、良い点を伝えたあとに、一つか二つに絞る
まず認められる経験が、次の挑戦を支えます。
対策2: 答えを渡さず、一緒に考える
「自分ならこうする」の押し付けを避け、考える手伝いをします。
- 「そこ、どうしたかった?」と本人の意図をまず聞く
- 選択肢を一緒に並べ、本人に選ばせる
- 正解を渡すより、考える筋道を一緒にたどる
自分で選んだ工夫は、身につき方が違います。
対策3: 失敗を許容し、挑戦を見守る
うまくいかないことを、成長の一部として扱います。
- 失敗しても責めず、そこから何を学ぶかを一緒に振り返る
- 挑戦→振り返り→次の挑戦、のサイクルを見守る
- 完璧を求めず、伸びている方向を認める
指導とは、育つ足場を作ること
若い人への関わりを、正解を教えることだと構えると、身動きがとれなくなります。良い点を具体的に返し、答えでなく問いで支え、失敗を許容して見守る。この3つで、相手は安心して挑戦し、自分で考える力を伸ばしていきます。あなた自身もまだ手探りでよいのです。完成された指導者である必要はなく、一緒に考える先輩でいることが、いちばんの支えになります。