自分のテストを見返して、ワークと同じ形式の問題が並んでいないか、一度確認してみてください。yesterday を見て過去形に直す、日本語に合うように語を並べかえる、語群から選んで埋める。こうした問題は、文脈から意味を考えなくても「形式に反応する」だけで解けてしまい、練習としては意味があっても、テストで測ると「使える英語の力」とはずれたものを測ってしまいます。この教材は、全ての大問に目的・場面・状況を設定した定期テストの設計サンプルです。テスト全体を「オーストラリアからの転校生 Mia」というひとつのストーリーで貫き、スピーチを聞く、チャットに返す、ポスターを読んで部活をすすめる、友だちを紹介するカードを書く、という「Miaと友だちになるための英語」として全問を出題します。
この教材で解決できる悩み
- テストがワークの寄せ集めになり、授業でやっている言語活動とずれている
- 「思考・判断・表現」の問題の作り方と、配点の付け方が分からない
- 英作文の採点が人によって、日によってブレる
教材の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 中学1年・1学期(be動詞・一般動詞・三単現・canの範囲。全教科書対応) |
| 形式 | 生徒用4ページ+教師用2ページ(テスト設計表・リスニング台本2本・解答と許容範囲・評価規準/評価基準・カスタマイズガイド) |
| 配点 | 100点満点・全小問に配点明記(知識・技能2点/思考・判断・表現3点/応用4点/ライティング10点) |
| 難易度 | 標準版(基礎版・発展版と同一場面・同一設計。作り分けは発展版ページ参照) |
| 編集 | Word版で固有名詞・範囲・本文・配点を自校に合わせて差し替え可 |
ワークにある問題は、テストに置かない
ワークやドリルは「形式の練習」のための道具で、それ自体は必要なものです。ただ、テストが同じ形式のままだと、生徒が文脈を読まずに答えられてしまいます。たとえば「( )内の動詞を適切な形に直しなさい。I (play) tennis yesterday.」は、yesterday という単語だけ見れば解けます。このサンプルの大問2は、同じ動詞の形を問うのでも、転校生Miaとのグループチャットの中で問います。My sister( play )tennis. の形を決めるのは、直前の Yes, I play basketball. との対比と、主語が「妹」であることです。会話の意味が分かって初めて形が決まる。これが「文脈の中で知識・技能を測る」ということで、ワークの穴埋めとの違いです。
全ての大問に「目的・場面・状況」を
学習指導要領は、英語の思考力・判断力・表現力を「コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて」理解し表現する力と定義しています。全国学力・学習状況調査の英語も、「必要な情報を聞き取る」「目的に応じて読む」という場面設定つきの出題が標準です。定期テストだけが場面のない問題のままだと、授業と入試の両方からずれていきます。
このサンプルの構成です。
| 大問 | 場面 | 測る力 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 1 リスニング | 転校生のスピーチと校内案内の対話を聞き、紹介カードを作る | 情報の聞き取り+状況判断+聞いて書く | 20 |
| 2 文法・語い | グループチャットとメモが成り立つように語形を判断する | 文脈の中の知識・技能 | 20 |
| 3 場面のやり取り | ろうか・授業中・給食・下校の場面で応答を選ぶ | 場面に応じた表現の選択 | 10 |
| 4 資料読解 | 部活ポスター2枚から、Miaの希望に合う情報を選び伝える | 目的をもった読み・情報の統合 | 20 |
| 5 教科書本文 | 学習した本文を「要旨→事実→語句推測→推論→自分」の5層で読む | 概要把握と本文をふまえた表現 | 20 |
| 6 ライティング | 掲示板の英語コーナーにMiaへ友だち紹介カードを書く | 条件に沿って読み手を意識して書く | 10 |
テスト全体をひとつのストーリーで貫いているのは、演出のためではありません。大問ごとに別の場面を読み解かせると、場面理解そのものが負担になって、英語の力以外のもので点差がつきます。登場人物を1人に固定すれば、場面理解のコストは最初の1回だけで済み、「Miaに伝わるように」という相手意識がリスニングからライティングまで一貫して働きます。
配点は「小問2点」を基本に、細かく刻む
このサンプルの配点は、知識・技能の小問2点、思考・判断・表現の小問3点、応用記述4点、ライティング10点。100点満点で約40問です。1問の配点を小さくして問題数を増やすのは、テスト理論の基本に沿った設計です。理由は3つあります。
- 1問の重みが小さいほど、まぐれ当たりやうっかりミスが総得点に与える影響が薄まり、テストの信頼性(安定して測れる度合い)が上がる
- 問題数が多いほど出題範囲を広くサンプリングでき、「たまたま勉強したところが出た・出なかった」の偏りが減る
- 2点・3点の刻みをそろえておくと、観点別の集計(知識・技能57点/思考・判断・表現43点)が採点しながらそのまま出せる
入試は大問数が限られるため1問4〜5点になりがちですが、定期テストは項目数を増やせるのが強みです。なお、この観点比率(およそ6対4)は基礎期である中1・1学期向けの設計で、学年が進むにつれて思考・判断・表現の比重を上げていくことを、教師用の設計表に明記しています。
ライティングは評価規準と評価基準をセットで作る
似た言葉ですが、役割が違います。評価規準(のりじゅん)は「おおむね満足できる」状況(B)を文章で決めたもので、何を見るかの宣言です。評価基準(もとじゅん)は、a/b/cの段階と点数の物差しで、どこまでできたら何点かの取り決めです。国立教育政策研究所の「指導と評価の一体化」参考資料の様式に合わせ、このサンプルでは大問6に次の2つを付けています。
評価規準(B)の例:「Miaにクラスの友だちを知ってもらうという目的に応じて、条件を含む紹介文を、意味の伝わる英文で書いている」。そのうえで評価基準は、思考・判断・表現(内容の適切さ)6点と知識・技能(語数・正確さ)4点に分け、a/b/cを点数に換算する表にしてあります。作問の時点でこの2つを確定し、生徒用の紙面にも「評価の目安」として簡易版を印刷しているので、生徒は何がよい解答かを知ったうえで書き、先生は誰が採点しても同じ点になります。
3つ、参考資料の立場をそのまま設計に反映した点があります。「主体的に学習に取り組む態度」はペーパーテストでは点数化せず思考・判断・表現と一体的に見ること。条件に「canを使って」のような言語材料の指定をせず、「すごいところ・できること」という内容の条件で can の使用を自然に促すこと(言語材料の提示がない状況で使えるかを見るのが技能の評価です)。そして c の生徒には、返却時に条件チェック表で自己点検させて書き直しを再評価する、C→Bの手立てまで含めて1枚にしてあります。
自校のオリジナルテストに育てる
教師用ページの最後はカスタマイズガイドです。Mia を自校のALTや実際の転入生の設定に、部活を自校に実在する部に差し替える。三単現が未習の学校向けの差し替え例、リスニング2本の時間配分の目安(リスニング10分・大問2〜5で25分・ライティング7分・見直し3分)も載せました。問いの型と配点の刻みを保ったまま固有名詞と話題を差し替えると、設計の妥当性を保ったまま「自分の学校の物語」のテストになります。同じ設計の基礎版・発展版、難易度の作り分けは発展版のページで説明しています。当サイトのテスト作りの相談(難易度と平均点の設計・文法テストは本当の力を測れるか)とあわせてご覧ください。