2学期の最後の週。期末テストを返し終え、教科書は単元の切れ目に来ている。次の単元に入っても、2〜3時間で冬休みになってしまう。生徒の頭も、半分は冬休みに行っています。
この週は、行事の週と同じように考えると組みやすくなります。新しい形を教える週ではなく、習った形を使う週。クリスマスは、その「使う場面」を学年を問わず用意してくれる題材です。このページでは、中1・中2・中3それぞれが12月までに習っている文法で回せる活動を1つずつ(中2の比較だけは、Here We Go! が1〜2月)、15分版と1時間版でまとめました。3学年ぶんの紙はクリスマスの英語ワークシート(A4・4ページ・無料PDF)にあります。
いつ・何分で——終業式前の最後の週
2026年度の2学期の終業式は、12月23〜25日の地域が多くなっています。たとえば柏市は12月23日、さいたま市は12月24日、世田谷区・練馬区・西宮市は12月25日です。期末テストは11月中旬に終わる学校が多いので、返却とまとめのあと、12月の第3週から終業式までがクリスマスの活動を置きやすい時期です。
取れる時間で2通りに使い分けます。
| 時間 | 向いている場面 | 進め方 |
|---|---|---|
| 15分 | テスト返しの残り時間・帯活動の枠・短縮授業 | 始めの一言 → ペアで出し合う・読み合う → 短く書く(中1は3ヒント・中2は1文・中3は2行) |
| 1時間 | 終業式前の最後の1コマ | 15分版のあとに、書く・直す・届けるまで |
1つだけ決めておきたいのは、この週に新しい文法の導入を置かないことです。導入から冬休みまでに使う時間がなく、3学期の最初にもう一度教えることになります。行事の週を「使う週」にする考え方は学校行事の英語授業活用術と同じです。
学年別——12月までに習った文法で使う
活動ごとに使う文法は、教科書6社の進度で「12月にはもう習っている」ものを選びました。各社の2学期の範囲は2学期期末テストの作り方の表にまとめています(単元の並びから見た目安で、学校の計画で前後します)。
| 学年 | 使う文法 | 活動 | 6社の進度(目安) |
|---|---|---|---|
| 中1 | 三単現 | クリスマスの3ヒントクイズ | 6社とも2学期の期末より前に習う |
| 中2 | 比較 | くらべて、へえ! 世界のクリスマス | 5社が2学期の期末まで(Here We Go! は1〜2月) |
| 中3 | 関係代名詞 | ありがとうのホリデーカード | 6社とも2学期の期末の範囲 |
中1:クリスマスの3ヒントクイズ(三単現)
先生がヒントを3つ読み、生徒が「だれでしょう?」を当てます。始めの一言はこうです。
He lives in a very cold place. He has a big white beard. He comes on Christmas Eve. Who is he?
ここはすぐ当たります。2問目で空気が変わります。
He looks like Santa. He rides a white horse. He visits children in the Netherlands on December 5th. Who is he?
1つめのヒントで「サンタ!」と声が上がり、白い馬で外れます。答えはオランダのシンタクラース(サンタクロースのもとになったといわれる人)。3問目はこうです。
She is an old woman. She rides a broom. She brings sweets to children in Italy on the night of January 5th. Who is she?
答えはベファーナ。イタリアで1月5日の夜に、ほうきに乗ってお菓子を届けにくる魔女です。2問目と3問目は、生徒は名前までは当てられません。「オランダのサンタ」「魔女」まで言えたら正解にして、名前は先生が明かします。beard(ひげ)や broom(ほうき)は身ぶりで伝えます。「知らない答えを、英語のヒントだけで追いかける」体験を、最初の3問で作っておきます。
ペアの出し合いでは、配ったら紙のまん中の点線で折って、相手の問題の列を見えないようにします。聞く人はシートを裏返して、耳だけで当てます。答えは自分の列の下にあるので、読む人がその場で点をつけられます。1つめのヒントで当てたら3点、2つめで2点、3つめで1点。当てる前に1回だけ Does he ~? で質問できるので、疑問文と No, he doesn't. も自然に出ます。出てくるのは赤い鼻のトナカイ、ホッキョクグマ、雪だるま、クリスマスツリー。ホッキョクグマとツリーは it で、三単現の主語が人だけではないことにも触れられます。
最後に、生徒が自分の3ヒントクイズを作ります。題材は冬やクリスマスのキャラクター・動物・物で、クラスの人や家族は使いません。
本物にする一手は「冬休みカウントダウン・クイズ」です。クラスでいちばんのクイズを残りの登校日の数だけ選んで(最後の週なら4〜5問)、終業式まで1日1問、教室のドアに貼ります。答えるのはほかのクラスの生徒。読む人がいるので、「1つめのヒントで当てられたら作った人の負け」というヒントの順番の工夫に、本当の理由が生まれます。
見るところは1つ、動詞の s(lives・has・comes)です。三単現の授業で贈り物を決める流れを使ったことがあれば、『プレゼント作戦会議』の授業案を思い出させる復習にもなります。
中2:くらべて、へえ! 世界のクリスマス(比較)
「どっちだと思う?」のクイズで、比較の文を言わせます。始めの一言はこうです。
Which is longer, the Christmas season in the Philippines or the Christmas season in Japan?
予想を聞いてから、In the Philippines, the Christmas season starts in September! と答えを言います。9月からクリスマスソングが流れ始める国がある、という事実は、日本の中学生にはかなりの驚きです。
ペアで出し合う4問と答えは次のとおりです。答えるときは I think ~ is hotter than ~. のように文で言います。文で言えたら1点、because まで言えたら+1点、最後に先生が正解を言ったら、当たった問題に+1点。turkey(七面鳥)・Christmas pudding(ドライフルーツの蒸し菓子)・keep(日持ちする)には紙に注をつけてあります。
| 問題 | 答え | 「へえ」の一言 |
|---|---|---|
| Which is hotter on Christmas Day, Sydney or Tokyo? | Sydney | 12月のオーストラリアは夏 |
| Which is more popular for Christmas dinner in Japan, fried chicken or turkey? | fried chicken | 日本ではフライドチキンが定番 |
| Which keeps longer, a Christmas pudding from the UK or a strawberry shortcake from Japan? | a Christmas pudding | 数週間前に作って寝かせておく |
| Which comes earlier in the Netherlands, Sinterklaas Eve or Christmas Day? | Sinterklaas Eve | 12月5日の夜にプレゼント |
そのあと、日本と別の国のクリスマスを比べる文を2つと、I like Christmas in ~ better because ~. を書きます。
本物にする一手は、外国から来た人への質問です。ALT のほか、留学生、地域の人、姉妹校など、だれかに届く相手を決め、クラスで質問を5つにしぼって届けます。たとえば Which is more important for you, Christmas or New Year's? のように、その人にしか答えられないことを聞きます。答えは次の時間の最初の5分に読みます。比較の文を「自分たちが知りたいことを聞くための形」として使う時間になります。
見るところは、than の前後に同じ種類の物がそろっているかです。Christmas in Japan is shorter than the Philippines. は、than のあとも Christmas in the Philippines にそろえます。Here We Go! の学校は比較が1〜2月なので、12月は1問目だけ口頭で使うか、比較を習ったあとに回してください。
中3:ありがとうのホリデーカード(関係代名詞)
学校を支えてくれている人に、関係代名詞の who を使ってカードを書きます。始めの一言は、先生が読む見本のカードです。
To the person who opens our school gate every morning and always says "Good morning!" with a smile — thank you for taking care of our school. Happy holidays!
Who is this card for? と聞いて、だれへのカードかを当てさせます。この見本は、先生の学校の実際の人に合わせて書きかえてください。門を開けるのが教頭先生の学校もあります。
宛先は名前でなく「何をしてくれる人か」で書きます。門を開ける人、給食をつくる人たち、学校の物を直してくれる人、朝の通学路で見守ってくれる人たち、保健室の先生。カードは4行です。
| 行 | 型 |
|---|---|
| だれに | To the person who ~, |
| してくれること | Thank you for ~ing. |
| 気づいたこと | The flowers which you take care of are always beautiful. など |
| あいさつ | Happy holidays! / Have a happy New Year! |
本物にする一手は、カードを本当に届けることです。英語を読まない相手もいるので、裏に日本語のひとことを書くようにします。見るところは、the person who opens は1人なので s がつき、the people who make our lunch は2人以上なので s がつかない、という主語と動詞の一致。関係代名詞の文で生徒が落としやすいところの1つを、宛先という実感のある中身で確かめられます。
ONE WORLD と BLUE SKY の学校で仮定法をもう習っていれば、If I were Santa, I would bring you ~. の1行を足してもかまいません。
クリスマスカードに書ける英語(習った文法別)
カードを書くときに、生徒が選べる文を学年の目安つきで並べました。黒板に貼っておくと、書き出せない生徒の足場になります。
| 英語 | 意味 | 使う形・学年の目安 |
|---|---|---|
| Merry Christmas and a Happy New Year! | クリスマスと新年のあいさつ | 中1 |
| Happy holidays! / Season's greetings! | 祝う行事を問わないあいさつ | 中1 |
| Have a great winter vacation! | よい冬休みを | 命令文・中1 |
| Thank you for everything this year. | 今年はいろいろありがとう | 中1 |
| See you next year! | また来年 | 中1 |
| I enjoyed your class this year. | 今年の授業が楽しかった | 過去形・中1の後半〜 |
| I hope you have a wonderful Christmas. | すてきなクリスマスを | 接続詞 that の省略・中2 |
| Your class was the best part of my week. | あなたの授業が1週間でいちばんの時間でした | 最上級・中2 |
| I have learned a lot from you this year. | 今年はあなたからたくさん学びました | 現在完了・中3 |
| To the person who always smiles at us — thank you! | いつも笑顔でいてくれる人へ | 関係代名詞・中3 |
気をつけたいこと
- 「クリスマスに何をもらった?」「家で何をする?」は聞かない。家庭の差がそのまま出る問いです。このページの3つの活動は、生徒が自分の家の話をしなくても書けるようにしてあります。
- クリスマスを祝わない家庭もあります。カードのあいさつは Happy holidays! を選べるようにしておきます。
- 中1のクイズの題材に、クラスの人や家族を使わない。当てる遊びは、だれかをからかう方向に流れやすいからです。
- カードを学校の外の人(見守りボランティアなど)に届けるときや、廊下に掲示するときは、学校のきまりを先に確かめます。
- 世界のクリスマスの習慣は、同じ国でも地域や家庭によって違います。クイズの答えは「よく知られている例」として扱い、「その国の人はみんなこう」とは言わないようにします。
小学校と、ほかの季節
小学校の先生は、Small Talk の週の台本の12月14日の週が「クリスマスにほしいもの」です。
体育祭・文化祭・合唱コンクールのような学校行事の週には、行事の英語カードが同じ考え方の1枚です。冬休みが明けた3学期の最初の時間は、授業開きガイドのよくある質問「2学期・3学期のはじめにも同じことをするのですか?」にある15分の短い版から組めます。
よくある質問
進度が遅れているクラスでも、クリスマスの活動をしてよいですか?
15分版をおすすめします。3つの活動はどれも12月までに習った文法の復習になっているので、単元が遅れているクラスほど「使って思い出す」時間として意味があります。新しい単元の導入を終業式直前に置くより、3学期の頭にまとめて入る方が、結果的に進度も崩れにくくなります。
公立の学校で、クリスマスを授業で扱ってもよいのですか?
公立の学校は、特定の宗教のための宗教教育や宗教的活動をしない決まりです(教育基本法第15条第2項)。一方で、宗教に関する一般的な教養は教育の上で尊重する、とも定められています(同条第1項)。このページの活動は、世界の習慣やあいさつ、身近な人への感謝を題材にしたもので、宗教的な活動は含んでいません。学校の方針があればそれに合わせ、祝わない家庭への配慮として Happy holidays! も選べるようにしてください。
12月に ALT が来ない学校でも、中2の「外国から来た人への質問」はできますか?
できます。留学生や地域の国際交流の窓口、姉妹校、先生の知り合いなど、答えてくれる人が1人いれば成り立ちます。大事なのは、答えをまだだれも知らないことです。相手がすぐに見つからないときは、先生が答えを調べて読むのではなく、答えてくれる人に会える日(3学期の ALT の来校日など)まで質問を取っておく方が、聞く理由が残ります。