三人称単数の教え方ガイド中学英語・中1
つまずきの主役は「付け忘れ」ではなく「付けすぎ」と二重加算
三単現は「sを付け忘れる」単元だと思われがちですが、実際の誤答はI likes(付けすぎ)とDoes she plays?(二重加算)に集中します。つまり必要なのはsを付ける練習より、主語を判断する練習です。導入からテストまで、判断の練習に組み替える流れをまとめました。
三人称単数でつまずく3つのポイントと直し方
つまずき1: 一人称・複数主語にもsを付ける
× My dogs likes water.
なぜ起きる? 「三単現の単元だから全部sを付ける」という単元内ルールで解いており、主語を見ていません。
直し方 ドリルにIや複数主語(sを付けない)の問題を混ぜ、主語に○をつけて「一人(単数)で、自分と相手以外?」を確認してから書く手順を固定します。
つまずき2: doesと動詞のsの二重加算
× Does she plays the piano?
なぜ起きる? 「三人称にはs」を疑問文・否定文にもそのまま適用してしまいます。doesがsを引き受ける、という役割分担が見えていません。
直し方 「sは1文に1回」という合言葉が効きます。doesが出たら動詞はすっぴん(原形)に戻る——過去形のdidでも同じ原理が再登場するので、ここで原理として教えておくと後が楽です。
つまずき3: 友だち紹介になると崩れる
× (自分の文は書けるのに、He play soccer.になる)
なぜ起きる? 練習が穴埋め中心で、三人称について語る場面(紹介・説明)の産出量が足りないためです。
直し方 友だち・家族紹介の3文産出とペアのインタビュー→他己紹介活動をセットにします。「聞いたことをsを付けて言い直す」変換が最高の練習になります。
三人称単数の授業の一本道(導入→定着→応用)
1つの文法は1時間では身につきません。意味に出会う導入、形を固めて使う定着、自分のことを語る応用——この一本道を、そのまま使える教材つきでたどれます。
1. 導入——意味と場面に出会わせる
教師や有名人の紹介クイズで「三人称について語るとき、動詞が変身する」ことに気づかせます。ルールの説明より先に、sの音(plays/likes/watches)に触れさせるのがコツです。
2. 定着——形を固め、使って身につける
定着ドリルはIや複数主語の問題を混在させ、「heを見たらs」の反射では解けない設計です。対話完成で「いま誰の話か」を追う練習を重ねます。
3. 応用——自分のことを語るタスクへ
友だち紹介・家族紹介の産出タスクへ。インタビューで聞いた一人称の答えを三人称に変換して発表する流れが、この文法の使いどころそのものです。
定期テストでどう測るか
テストでは友だち紹介カードやチャットの場面で、主語に応じたs/does運用を問います。中1・1学期の定期テスト(場面設定つき・3難易度)が実例です。
三人称単数の指導でよくある質問
三単現はいつまでに定着すれば大丈夫ですか?
中1のうちに完璧は求めなくて大丈夫です。話す・書く場面で6〜7割正しく使えれば十分で、中2・中3の帯活動やライティングの朱入れで少しずつ引き上げるのが現実的です。ただしdoesとの二重加算だけは早めに直すことをすすめます(原理の誤解なので放置すると過去形にも波及します)。
s/es/iesの綴りルールはどこまで教えますか?
watches/goes(es)とstudies(y→ies)の2パターンを代表語で押さえれば十分です。網羅的な規則表より、頻出動詞の音で覚える方が定着します。
なぜ三人称のときだけsが付くのか、と質問されました。
「英語は昔、主語ごとに動詞の形が全部違った。今はほとんど消えて、三人称単数のsだけが生き残り」という歴史の小話が使えます。理屈ではなく生き残りだと知ると、生徒はむしろ受け入れます。