ひとことで言うと
所見は、通知表や指導要録に、児童生徒の学習の様子や成長を文章で書いた欄です。評定の数字では「何ができるようになったか」が伝わらないので、それを言葉で補います。英語では「Small Talk で相手の答えに質問を返せるようになりました」のように、できるようになった言い方や場面で書くと、保護者にも本人にも伝わります。
出どころ
指導要録の様式(文部科学省の平成31年の通知)に「総合所見及び指導上参考となる諸事項」の欄があり、これが所見の公式の場所です。通知表の所見は各学校の様式で、法定ではありません。小学校3・4年の外国語活動は評定がなく、文章による評価(所見に相当)で学習の状況を記述することになっています。
授業での実際の使い方
英語の所見の型は「場面+できるようになったこと+次の一歩」の3つです。
| 要素 | 書き方 | 例 |
|---|---|---|
| 場面 | 単元名や活動名を入れる | 「行きたい国」の単元で |
| できるようになったこと | 言い方や行動を具体的に | 理由を1文添えて、行きたい国を伝えられるようになりました |
| 次の一歩 | 責めずに、方向だけ | 相手に質問を返す練習を続けると、やり取りが広がります |
材料は、単元の振り返りカード、パフォーマンステストの記録、帯の記録用紙です。学期末にまとめて思い出そうとすると書けないので、単元が終わるたびに1人1行のメモを残します。避ける表現は「意欲的」「積極的」「頑張っていました」のような、どの教科にも当てはまる言葉です。英語の所見は、英語でしか書けない中身にします。
よくある誤解
- 所見はほめ言葉の欄ではありません。事実(できるようになったこと)を書く欄で、根拠のあるほめ言葉は結果としてそうなるだけです。
- 課題を書いてはいけない、わけではありませんが、「〜できない」で終わらせず「〜すると伸びる」の形にします。開示を前提に書きます。
- 長いほど丁寧、ではありません。通知表なら2〜3文、指導要録なら1〜2文で、具体的なほうが伝わります。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 3・4年は文章評価が評価そのもの。5・6年も「できるようになった言い方」で。担任が全教科をまとめて書く |
| 中学校 | 教科の所見欄がある学校と、担任の総合所見だけの学校がある。教科担任は担任に1行の情報を渡す |
| 高校 | 総合所見が中心。進路の調査書の材料にもなる |
| 塾 | 保護者報告票の「できたこと・次にやること」が同じ型。所見の書き方がそのまま使える |
この用語が出てくる教材と記事
- 所見文例集(小学校)。単元と活動ごとに「できるようになった言い方」で書いた文例です。
- 所見の書き方(小学校)。3つの要素で組む書き方の本編です。
- 外国語活動(3・4年)の所見。評定のない学年の文章評価です。
- 記録の様式は指導要録、目標の言い方はCAN-DOリストへ。