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英語教材ラボ 小学校版

評価・中学接続

35人分の外国語の所見を、書く時間がありません

学期末に全教科の所見を書くなかで、外国語だけ何を書けばいいか分からず1人に15分かかってしまう——という相談に答えます。時間がかかっているのは文章力ではなく材料さがしであること、材料は授業中に3回拾えば足りること、所見の3文構成、3・4年の外国語活動は数値評定がなく顕著な事項だけでよいこと、無料のしょけんビルダーで学期末30分に収める手順まで。

公開 2026-08-31・更新 2026-08-31

学期末になると、全教科の所見に加えて外国語の所見があります。国語や算数はテストとノートがあるので書けるのですが、外国語だけは何を材料にしていいのか分からず、1人あたり15分くらいかかってしまいます。35人だと8時間以上です。毎学期、これが来るのが怖いです。(小6担任)

遅いのは、書くのが遅いからではありません

15分の内訳を、いちど分けてみてください。おそらくこうなっています。

何に使っているかだいたいの時間
この子が外国語で何をしていたか思い出す・探す10〜12分
どの観点で書くか決める1〜2分
文を書く2〜3分

書くこと自体は3分で終わっています。時間を食っているのは材料さがしです。そしてこれは、材料を学期末に集めているから起きます。国語や算数が書けるのは、テストとノートという材料が学期のあいだに勝手にたまっているからで、文章力の差ではありません。

外国語も同じ状態にできます。必要なのは、学期のあいだに3回だけ材料を拾うことです。

材料は、この3つで足ります

いつ拾うもの手間
単元の最後の時間ふりかえりカードの1行回収して名簿順に重ねるだけ
パフォーマンステストの日名簿にA・B・Cと一言テストのときに同時に済む
単元の途中で1回気になった子だけ名簿に一言メモ5人まで。全員書かない

3つ目がコツです。35人全員について毎単元メモを取ろうとすると続きません。1単元で5人だけ、と決めます。8単元あれば40回のメモになり、学級の全員に1回は当たります。当たらなかった子は、次の単元で先に狙います。

毎単元のふりかえりカードのほかに、きろくパスポートという1枚も無料で置いてあります。学期に1枚、児童が自分で記録する紙で、言えた文・話した相手・自分から出した質問の数と、can-doの★の段が並びます。所見の材料としては、これ1枚が回収できていれば足ります。

所見の型は3文で、主語は単元です

材料がそろったら、型に入れます。小学校外国語の所見は、次の3文でできています。

  1. どの単元で(「『行きたい国』の学習では、」)
  2. 何をしたか(事実。「選んだ国の魅力を3つの文で紹介し、」)
  3. どんな力・様子か(観点。「聞き手の反応を見ながら話す姿が見られました。」)

主語を「英語の力」ではなく「単元でやったこと」に置くのが要点です。「英語をがんばっていました」は誰にでも書けてしまい、保護者に何も伝わりません。単元名と活動名が入っていれば、その子の学期が具体的になります。

観点ごとの言い回しと、はげまし型・中学校への接続型の書き分けは所見の書き方に、単元別の文例は所見文例集にまとめました。

3・4年は、全員に書かなくてかまいません

3・4年の外国語活動を担当されている場合は、前提が違います。指導要録の外国語活動の記録は、平成31年3月29日の通知により、観点に照らして顕著な事項がある場合にその特徴を文章で端的に記述する、という形です。数値評定もABCもありません。

「顕著な事項がある場合に」なので、全員ぶんを埋める書類ではありません。通知表は各校の裁量なので学校の様式に従うことになりますが、公簿である指導要録がこの形だということは知っておいて損がありません。書き方は外国語活動の所見の書き方にまとめました。

学期末の30分でやる手順

材料が3つそろっている前提で、こう進めます。

時間やること
最初の5分今学期に扱った単元名を書き出す(3〜4つ)
次の5分名簿を見て、単元ごとに子どもを割り振る(この子は「行きたい国」で書く、と決めるだけ)
残り20分1人ずつ組む。1人30秒

2つ目の工程が効きます。全員を同じ単元で書こうとすると、35人ぶんの差をつけるために悩みます。子どもごとに書く単元を変えてよいと決めた瞬間に、「この子はこの単元でよく動いていた」が思い出せるようになります。

しょけんビルダーは、この「単元を選ぶ→観点を選ぶ→様子を選ぶ」をそのまま画面にした無料ツールです。文例144本が教科書の単元に連動していて、3観点のほかにはげまし型と中学校への接続型を持っています。

35人ぶんをためていく場合

ビルダーは、登録なしでも1人ずつ組んでコピーできます。組んだものをためて一括でコピーする「ストック」は、無料の会員登録で3人ぶんまで。クラス全員ぶんをためるところと、今学期やった複数の単元をまたいで1人ぶんを組む「学期モード」は、Premiumの範囲になります。

ただ、この相談への答えとしては、そこは本題ではありません。1人15分が3分になるかどうかを決めているのは、ためる機能ではなく、学期のあいだに材料が3つ拾えているかどうかのほうです。材料さえあれば、無料のまま1人ずつコピーしていっても30分で終わります。

「これが来るのが怖い」について

学期末が怖い、という感じ方は、たぶん外国語だけの話ではないと思います。全教科の所見のなかで、外国語がいちばん材料が薄いから怖い。そこは事実です。

ただ、外国語の所見は本来、いちばん書きやすい教科であってもおかしくありません。子どもが立って動いて、誰かと話している時間が毎回あるからです。国語や算数より、その子の様子は見えているはずなのです。見えているものが記録に残っていないだけで。

来学期、単元の最後にふりかえりカードを1枚回収して、名簿順に重ねて引き出しに入れる。まずこれだけ試してみてください。それだけで、1人15分は半分を切ります。

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、小6の英語が中1でどうつながるかを見てきた立場から書いています。制度・評価の記述は、学習指導要領と国立教育政策研究所「指導と評価の一体化」参考資料、文部科学省の通知・研修ガイドブックにあたって確認しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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