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英語教材ラボ 小学校版

単元別(5・6年)

小6 Unit 1 たからものの授業|値段のつかない宝物から始める

NEW HORIZON Elementary 6 Unit 1「This is me!」(Here We Go! 6 Unit 1「This is me.」対応)の全8時間の進め方です。「宝物=高価なもの」という誤解を第1時で作り直す先生モデル、5つの型を全部使いきるサイコロトークの回し方、can から I'm good at .... への渡し方、質問側に補給を寄せた中間指導、3秒だまって待つパフォーマンステストまで。教材は無料PDFでそろっています。

公開 2026-08-17・更新 2026-08-17

6年生の最初の単元に「宝物」が置かれているのは、よくできた配置です。5年で積み上げた「好きなもの」と「できること」を総動員して、はじめて自分をまとまりで語る。新しいクラスの仲間を知り合う場としても、これ以上の教材はありません。

ただし、地雷が1つあります。宝物イコール高価なもの、という誤解です。ここを放っておくと、持ち物の値段や新しさが教室に並び、家庭の経済状況がそのまま見えてしまいます。

外し方は決まっています。第1時の先生モデルを、いちばん古い物にすることです。Small Talkの台本では、20年もののグローブが先生の宝物として出てきます。古いこと、毎日つかっていることを先生が価値として語った瞬間に、教室の宝物の基準は作り直されます。ここまでが、この単元の準備に含まれます。ここでは小6 Unit 1「This is me! わたしのたからもの」の単元パック(NEW HORIZON Elementary 6 Unit 1 "This is me!" / Here We Go! 6 Unit 1 "This is me." 対応)の7点で、8時間を組みます。

8時間の見取り図

主な活動帯(はじめ5分)記録
1先生の自己紹介を聞く(I'm good at .... / My treasure is .... に出会う)歌/チャンツ
2好きなもの・得意なことの言い方練習(絵カード)+サイコロトーク1周目(活動1)Small Talk①話題1(先生のたからもの)
3たからものの言い方 My treasure is .... と、たずね方 What's your treasure?歌/チャンツ
4サイコロトーク2周目(I want to .... を追加)+書きWS①Small Talk①話題2(先生のとくいなこと)
5自分の「たからものカード」をつくる(活動2)歌/チャンツ◎行動観察(知技)
6たからものカードで伝え合う①(ペア交代3人)→中間指導歌/キーフレーズ暗唱◎行動観察(思判表)
7世界の子どもの自己紹介を聞く(教科書OH)+伝え合う②→おわりにクラスのたからもの発表歌/チャンツ
8パフォーマンステスト(やり取り)+単元の振り返りなし——テストに使い切る◎テスト(知技・思判表)+振り返りカード(態度)

第1〜2時:宝物の基準を、先生が先に下げる

第1時は聞く時間です。先生の自己紹介の中で I'm good at .... と My treasure is .... に出会わせます。第2時のSmall Talkで、その宝物を実物か絵で見せます。20年もの、と言ったところで笑いが起きたら、ねらいどおりです。

「宝物なんてない」と言う子が必ず出ます。毎日つかっている物でも、好きな場所でもいいと伝えてください。ふでばこも、くつも、公園も、立派な宝物です。ねだんは関係ない、と先生が先に言い切っておくことが効きます。実物の持参は求めない設計にしてあるので、持って来られる子と来られない子の差も出ません。

第2時の後半はサイコロトーク(活動シート1)の1周目。3〜4人グループで15分、班に1個のサイコロを振り、出た目のお題で自分のことを1文言います。1が住んでいる町・学校、2が好きなもの、3が得意なこと、4がたからもの、5がやってみたいこと、6がフリー。言えたらその行にチェックが1つ入り、6行そろえばクリアです。3周でとどきます。

ルールは3つだけ。パスは1人1回まで。同じ目が出たら前とはちがう内容にする。だれかが言ったら、あいづちか質問を必ず返す——返すまでが1ターンです。ここで見るのは上手さではなく、全部の型を1回ずつ口に出したかどうか。チェックが埋まっていく手ごたえが、そのまま話す量を増やします。

第3〜4時:can を I'm good at .... に置きかえる

第3時で My treasure is .... と What's your treasure? に進みます。6年最初の新しい形はここだけです。

第4時では I want to .... を足して、サイコロトークの2周目へ。ここで橋を架けます。I'm good at .... は、5年のU8「あこがれの人」で He is good at ~. と言った、あの形です。主語を自分にしただけで、新しいことは何もありません。can swim を I'm good at swimming に言いかえるのも、音でつなぐだけにします。-ing の説明はしません。swimming のように形が変わる語と soccer のようにそのままの語がありますが、そこも並べて見せるだけで足ります。

Small Talkの話題2では、先生が I'm good at swimming. のあとに But I'm not good at music. I can't play the guitar! と続けます。ここで笑いが起きたら成功です。得意なことが出てこない子は、好きなことに切り替えてかまいません。I like .... で十分に伝わります。絵カードを2枚見せて Soccer? Or drawing? と選ばせれば、指さしでも会話になります。

同じ時間に書きワークシート①も入ります。My treasure is my book. をなぞってから、ことばバンクで I'm good at ~. と My treasure is ~. を書き写す2ステップです。I'm のアポストロフィは文字の右上に小さく——ここだけは、ひとこと添える価値があります。

第5〜6時:カードと、20分のサンドイッチ

第5時にたからものカードを作り、第6・7時で交流します。作る日と話す日を分けるのが時数のリアリズムで、1時間に詰めると崩壊します。カードは家に持ち帰らせず、第5時のうちに完成させます。

カードは絵1枚と4文(I'm from .... / I like .... / I'm good at .... / My treasure is ....)。黒板の型を写してかまいません。知識・技能の見取りは、この4文で。I'm good at .... と My treasure is .... を選び分けて書けているかを見ます。カードのすぐ下に、聞いた3人ぶんのメモらんが付いています。

交流の前に、必ず確認することが1つあります。友だちのたからものを笑わない、くらべない。ここだけは先に言葉にしておきます。

第6時の主活動20分は、時間を足さずに2回へ割ります。

  1. 1回目・0〜7分 伝え合いの1人目→2人目(1人1分+質問かあいづち)。先生は「質問が出なかったペア」を見つけて回ります
  2. あつめる・7〜9分 聞きたかったこと・言えなかったことを、日本語でOKと先に宣言して集めます。「言えなかった」を出しやすい空気が、そのまま1年の土台になります
  3. 英語にする・9〜12分 補給表から近いものを黒板へ書き写し、全員で2回ずつ声に出します。先生がその場で英語を作らなくていいように、表が用意してあります
  4. 自分の質問にもどす・12〜13分 2回目にする質問を1つ決めて、となりに1回言えたら準備完了
  5. 2回目・13〜20分 3人目へ。「質問かあいづちを1つ」をもう一度言ってから始めます。2回目は必ず長くなります

補給は質問する側に寄せます。カードの4文はもう書けているので、会話になるかどうかは返すことばで決まるからです。Why? は5年のヒーロー単元で使った質問がここで生き返るもので、聞かれたら好きの文をゆっくりもう一度——I like music. と言えば、それが理由になります。because はまだ使わせません。そして質問に困ったときの切り札が How about you? です。この1本を持っているだけで、会話が途中で止まらなくなります。

ゲームのキャラクターや推しの名前が宝物に出てきたら、そのままで大丈夫です。固有名詞は英語にしなくても通じます。文のほうだけ My treasure is ~. に乗せれば、立派な英語です。

第7〜8時:伝え合い②と、テストの日

第7時は教科書のOver the Horizon(世界の子どもの自己紹介)を聞いてから、伝え合いの2回目。進行は第6時の台本のまま回せます。おわりに「心にのこったのは、だれのたからもの?」と聞いて、クラスのたからもの発表で締めます。

第8時はテストです。帯は置かず、45分をまるごと使います。先生と1対1で約1分、1班8〜9人・約1分×35人で35〜40分。たからものカードは持って来てよく、黒板の4つの型も掲示したままにします。絵カードの提示用1部をテスト席の机に置いておくのは、ことばが出ない子に2枚見せて選ばせるためです。

質問は Hello! How are you? から入り、What do you like? で1つ、What are you good at? へ。出てこなければ Can you swim? に切り替えて、そこから good at へ戻します。単元の中心は And... what's your treasure? Show me, please. です。

ここでもう1つ、この単元だけの仕掛けがあります。宝物を聞いたあと、3秒だまって待つこと。この沈黙で子どものほうから質問が返ってきたら、思考・判断・表現のaです。出てこなければ、そのまま Wow, nice! Thank you. See you! へ進めば済みます。3秒を先生が埋めてしまうと、測るはずのものが測れません。

待っている3班は、Bがサイコロトークのグループ戦(小声で)、Cがたからものカード交流のつづき(班の中で小声・立ち歩かない)、Dが振り返りカードの単元のまとめ。1班終わるごとに、役割がA→B→C→D→Aとひとつずれます。終わった子には、聞かれたことを話さないように言っておきます。あとの子にとって思い出しテストになってしまうからです。

評価しないものも先に決めます。宝物の値段・新しさ・めずらしさは一切見ません(毎日つかっているふでばこで満点になります)。I'm good at swim. のような形のまちがいも、声の大きさも減点しません。見るのは、カードを見せる・指さすといった伝えようとする工夫のほうです。

この単元でよくあるつまずき

  • 「宝物がない」と止まる。もの以外でもよい、と枠を広げます。人・場所・思い出・ペット。毎日つかっている物や好きな場所で十分だと、先生が例で示すのがいちばん早い道です
  • 得意なことが1つも出ない。好きなことで代替してかまいません。I like .... で伝わります。絵カードを2枚見せて選ばせれば、指さしからでも1文が立ち上がります
  • 1と5の型だけ言えないまま単元が終わる。サイコロトークで埋まりにくいのは、住んでいる町(I'm from ....)とやってみたいこと(I want to ....)です。机間指導で見つけたら、全体で1回だけ言い直します

5年の最後の単元は小5 Unit 8 あこがれの人の授業にあります。テストの日の回し方はパフォーマンステストの回し方、この単元の所見は所見の書き方へ。評価の全体像は評価と所見のガイドにまとめています。

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、小6の英語が中1でどうつながるかを見てきた立場から書いています。制度・評価の記述は、学習指導要領と国立教育政策研究所「指導と評価の一体化」参考資料、文部科学省の通知・研修ガイドブックにあたって確認しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

この単元の教材は、すべて無料PDFでそろっています

指導計画・Small Talk台本・絵カード・活動シート・書きワーク・評価7点。印刷するだけで45分が流れます。

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