本文へスキップ
英語教材ラボ 小学校版

単元別(5・6年)

小5 Unit 7 日本のすてきの授業|3点セットで発表が3文になる

NEW HORIZON Elementary 5 Unit 7「Welcome to Japan!」(Here We Go! 6 Unit 2「Welcome to Japan.」対応=光村は6年配当)の全8時間の進め方です。旅行の思い出話にしないための第1時の宣言、季節めぐりすごろくで3点セットの順番を体に入れる手順、ポスターの台本づくりと発表を分ける時数の組み方、リハーサルを20分のサンドイッチにする中間指導、第8時のパフォーマンステストまで。教材は無料PDFでそろっています。

公開 2026-08-17・更新 2026-08-17

「日本のすてきを紹介しよう」と板書した瞬間に、教室の温度が二つに分かれることがあります。旅行の話をたくさん持っている子と、そうでない子です。この単元でいちばん先に外しておきたい地雷は、そこにあります。

だから第1時で言い切ります。紹介するのは「行ったことがある場所」ではなく「日本にあるもの」です。桜も、夏祭りも、雪も、ラーメンも、行ったかどうかとは関係なく日本にあります。過去形を一度も出さない設計になっているのは、文法の都合だけではありません。思い出話にしなければ、旅行の経験の差も費用の差も教室に出てこないからです。

もう一つ、この単元には強い装置があります。「季節と行事 → できること → 感想」の3点セットです。順番が決まっているだけで、5年生は英語で3文話せるようになります。ここでは小5 Unit 7「日本のすてきポスターで Welcome to Japan!」の単元パック(NEW HORIZON Elementary 5 Unit 7 "Welcome to Japan!" / Here We Go! は6年配当で Unit 2 "Welcome to Japan." 対応)の7点を使って、8時間を組みます。

8時間の見取り図

主な活動帯(はじめ5分)記録
1先生・ALTの「日本のすてき」を聞く(Welcome to Japan. / We have ... に出会う)+「だれに伝えるか」を決めて掲示歌/チャンツ
2季節・行事の言い方練習(絵カード)+季節めぐりすごろく(活動1)Small Talk①話題1(先生の好きな季節)
3You can .... の言い方+感想 It's .... とリアクション練習歌/チャンツ
43点セットを口で組み立てる(季節→できること→感想)+書きWS①Small Talk①話題2(外国の友だちに教えたい日本)
5グループでポスターの台本づくり・役わり決め(活動2)歌/チャンツ◎行動観察(知技)
6ポスター発表リハーサル①(グループ交換)→中間指導歌/キーフレーズ暗唱◎行動観察(思判表)
7世界の国のすてきを聞く(教科書OH)+ポスター発表本番→おわりに「行ってみたくなったポスター」発表歌/チャンツ
8パフォーマンステスト(発表+やり取り)+単元の振り返りなし——テストに使い切る◎テスト(知技・思判表)+振り返りカード(態度)

第1〜2時:相手を決めて、教室に貼る

第1時の仕事は2つあります。1つは、先生(ALTが入る日なら二人で)が日本のすてきを英語で話し、Welcome to Japan. と We have ... の音に出会わせること。もう1つが、この単元の核です。だれに伝えるかを決めて、教室に貼ること。ALT、姉妹校の子、オンライン交流の相手——相手の顔が見えるほど、子どもの言葉は出ます。

We have は、U5「町・道案内」で自分の町を紹介したときに使った形です。新しいのは、うしろに in +季節が付くところだけ。「今日から新しく覚えるのは in だけ」と最初に言い切ると、子どもの構えがほどけます。have を「持っている」と訳さないのも大事なところで、「日本には〜があるよ」の合図の音として、かたまりのまま渡します。ここで文法の説明をした瞬間に、話せなくなります。

第2時は絵カード16枚で季節・行事のことばを浴びてから、季節めぐりすごろく(活動シート1)へ。盤は16マス、班に1枚、サイコロも班に1つ。止まったマスで「We have(行事)in(季節).」→「You can(できること).」の順に2文言えたら、そのマスに止まれます。言えなければ1回休みで、次の番にもう一度挑戦。班の人は盤や絵カードを指さして助けてよいけれど、言ってあげるのはなし——このルールだけ徹底します。

進む手順そのものが3点セットの順番になっているのが、この盤の仕掛けです。ゲーム中に順番を説明し直さないほど、第5時の台本づくりで「順番が分からない」が減ります。サイコロが足りなければ、1〜6を書いた紙を裏返して引かせれば同じように回ります。サイコロ探しで5分溶かさないことのほうが大事です。

第3〜4時:感想は「おまけ」の位置に置いておく

第3時で You can .... と感想の It's .... を足します。ここでことばを増やしすぎないのがコツで、Small Talkの中間指導でも黒板に並べるのは fun / beautiful / delicious の3つだけ。1回に増やすのは1つにします。

すごろくで3文目(It's ~.)が「言えたらもう1マス」というボーナスの位置に置いてあるのも、同じ理由です。3文全部を必須にしたとたん、2文言えていた子まで止まります。

第4時は3点セットを口で組み立ててから、書きワークシート①へ。Welcome to Japan. をなぞり、ことばバンクから選んで We have ~ in ~. と You can ~. を書き写します。自力の英作文までは求めません(小学校の「書くこと」がどこまでかは聞く・読む・書くの評価にまとめています)。

この日のSmall Talkは「外国の友だちに教えたい日本」。町のじまんが思いつかない子には、学校でできることへ広げてやります。You can play dodgeball. / You can eat school lunch. は、クラス全員が持っている共有財産です。

第5〜6時:ポスターと、20分のサンドイッチ

第5時に台本と役わり、第6時にリハーサル、第7時に本番。作る日と発表する日を分けるのが時数のリアリズムで、1時間に詰めると必ず崩壊します。

台本は5行です。Hello! Welcome to Japan! / We have ... in .... / You can .... / It's .... / Please come to Japan. Thank you! 4人グループならこの5行を分け合って、1人1文以上。担当らんに名前を書くところまでが第5時の仕事で、知識・技能の見取りは、この( )の中でします。季節と行事が合っているか、You can のあとが動きのことばになっているか。写しでかまいません。

第6時の主活動20分は、時間を1分も足さずに2回へ割ります。

  1. 1回目・0〜7分 となりの班と見せ合い(発表3分+質問1つ)。先生は「質問が出なかった班」を見つけて回ります
  2. あつめる・7〜9分 聞きたかったこと・言えなかったことを日本語で出させます。発表側と聞く側の両方から、3〜4個で十分です
  3. 英語にする・9〜12分 補給表から近いものを黒板へ書き写し、全員で2回ずつ声に出します。先生がその場で英語を作らなくていいのが、この表の役目です
  4. 自分の台詞にもどす・12〜13分 2回目にする質問か、言い直す文を1つ決めて、となりに1回言えたら準備完了
  5. 2回目・13〜20分 別の班と交換。「質問が返ってきて発表は完成」と言ってから始め、終わりに本番の予告をして締めます

補給は聞く側に寄せます。発表の3文は台本にもう書いてあるので、2回目が伸びるかどうかは質問の数で決まるからです。ポスターの絵を指して言う What's this?、もう一歩ふみこむ Anything else?、そして August? のように語尾を上げてくり返すだけの確かめ。この3本が入ると、班と班のあいだに会話が生まれます。

「もちつき」「ぼんおどり」を英語にしてほしいと言われることがありますが、しなくていい、が答えです。mochitsuki、Bon-odori のまま出します。英語で何と言うかは中学校で出会うおたのしみ、と返して十分です。

第7〜8時:本番と、テストの日

第7時は教科書のOver the Horizon(世界の国のすてき)を聞いてから、ポスター発表の本番です。進行は第6時の台本のままで回せます。1グループ1分厳守。ここで延びると、第8時のテストへそのまま食い込みます。時間のおわりに「行ってみたくなったポスター」を出し合って締めます。

第8時はテストです。帯は置かず、45分をまるごと使います。先生と1対1で約1分、30〜40秒の紹介に質問を1〜2つ。1班8〜9人・約1分×35人で35〜40分が見当です。ポスターは1グループ1枚しかないので、朝のうちに全グループぶんを黒板へ貼っておき、子どもはテスト席から指さして話します。手元にあるのは活動シート2の台本だけ。持ち歩かせないので、取り合いが起きません。

先生はアンナさん(日本を知らない人)になります。Please tell me about your poster. から入り、What can I eat in Japan?(食べもの以外の子には What can I see?)で You can .... を1つ引き出し、Is it fun? で感想へ。Thank you! See you! のお別れまでがテストです。

待っている3班は、Bがポスターに足す「もう1文(You can ....)」を台本の空きらんに書き、Cが季節めぐりすごろくの延長戦(小声・盤は4〜5人に1枚)、Dが振り返りカードの単元のまとめ。1班終わるごとに役割がA→B→C→D→Aと1つずれていきます。どれも先生の手を借りずに回るものだけを置いてあります。

評価しないものも先に決めておきます。ポスターの絵のうまさと色ぬりの丁寧さ(図工の評価と混ぜない)、a や the の抜け、月名の発音。日本の行事にくわしいかどうかも、その場所へ行ったことがあるかも無関係です。見るのは、聞き手に伝えようとしているかだけ。

この単元でよくあるつまずき

  • 「行ったことないから書けない」で手が止まる。紹介するのは日本にあるもの、と第1時の宣言に戻します。教室・学校・町で見られるものから出させると、全員が入れます
  • ポスターづくりが図工の時間になる。色ぬりとかざりは英語の45分から外し、宿題か図工へ回します。英語の時間の本丸は、文を決めることです
  • 行事の名前が英語にならない。無理に訳を作らないでください。日本のことばはそのままで通じます。その場でまちがった英語を作らないほうが、あとの単元で困りません

次の単元は小5 Unit 8 あこがれの人の授業、前半の流れは小5 Unit 3 できることの授業にあります。ALTが入る日の分担はALTと組む45分の進行台本、テストの日の回し方はパフォーマンステストの回し方へ。

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、小6の英語が中1でどうつながるかを見てきた立場から書いています。制度・評価の記述は、学習指導要領と国立教育政策研究所「指導と評価の一体化」参考資料、文部科学省の通知・研修ガイドブックにあたって確認しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

この単元の教材は、すべて無料PDFでそろっています

指導計画・Small Talk台本・絵カード・活動シート・書きワーク・評価7点。印刷するだけで45分が流れます。

授業の進め方のほかの記事

単元別(5・6年)小5 Unit 4 身近な人紹介の授業|He/She が必要になる伝言リレーHe と She の説明はしません。「さっきの話、だれかに教えたくない?」で三人称は必要になります。単元別(5・6年)小5 Unit 5 道案内の授業|相手の指を見て Stop! と言える8時間地図を指でたどらせると、ことばが足りない瞬間が先生にも子どもにも見えます。だから Stop! を最初から正式なことばとして教えます。単元別(5・6年)小5 Unit 6 注文の授業|値段を100円たんいに固定する8時間やり取りを止めるのは英語ではなく数です。値段を100〜900円の100円たんいに固定すると、往復が最後まで残ります。単元別(5・6年)小5 Unit 8 あこがれの人の授業|Why? に1文返せるまでの8時間5年の集大成は「理由まで言えた」でなくていい。Why? で会話がこわれなかった、が合格点です。単元別(5・6年)小6 Unit 1 たからものの授業|値段のつかない宝物から始める宝物の値段は、8時間で一度も話題にしません。6年の最初に「言えなかった」と言える空気を作ります。単元別(5・6年)小6 Unit 2 一日の生活の授業|頻度の4段を体感で入れる8時間頻度の4段は説明しません。「学校のある5日でいうと何日?」に置きかえて、指で示すところから入ります。