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英語教材ラボ 小学校版

単元別(5・6年)

小6 Unit 4 行きたい国の授業|You can .... の向きが変わる8時間

NEW HORIZON Elementary 6 Unit 4「Let's see the world.」(Here We Go! 6 Unit 6「I want to go to Italy.」対応)の全8時間の進め方です。5年で使った You can .... の向きが相手向きに変わる核、国あてクイズの出し方、旅行代理店ロールプレイと中間指導、海外旅行の経験差を土俵に上げないための設計、国名の発音が不安な担任の構え方、第8時のテストまで。教材は無料PDFでそろっています。

公開 2026-08-17・更新 2026-08-17

この単元の教科書は、行った国ではなく「行きたい国」で組まれています。これは題材の好みの問題ではなく、設計です。行った国を語らせた瞬間、海外に行った経験のあるなしと家庭の事情が、そのまま英語の土俵に上がってしまいます。want to go で通すかぎり、全員が同じ位置から話し始められます。

ですから、この8時間のあいだ「行ったことある人?」という一言は教師も口にしません。ここだけ守れば、あとは楽しい単元です。ここでは小6 Unit 4「行きたい国をおすすめしよう」の単元パック(NEW HORIZON Elementary 6 Unit 4 "Let's see the world." / Here We Go! 6 Unit 6 "I want to go to Italy." 対応)を使います。

もう1つ、この単元でいちばん伸びるところを先に書いておきます。I want to go to .... は〈自分の話〉ですが、You can see .... は〈相手のための話〉です。同じ can の形なのに、向きが逆を向いています。だから主活動は旅行代理店のロールプレイにしてあります。店員が相手に合わせて話せたかどうかは、お客の「行きたい!」という反応で返ってきます。

8時間の見取り図

主な活動帯(はじめ5分)記録
1先生の行きたい国の話を聞く(I want to go to .... に出会う)+世界地図で国さがし歌/チャンツ
2国名と見どころの言い方練習(絵カード)+世界の国あてクイズ(活動1)Small Talk①話題1(先生の行きたい国)
3You can see [eat] .... の言い方+感想 It's .... を重ねる歌/チャンツ
4Where do you want to go? — Why? のやり取り+書きWS①Small Talk①話題2(行きたい国とその理由)
5旅行代理店の「おすすめカード」を作る(国1つ・見どころ2つ・ひとこと)歌/チャンツ◎行動観察(知技)
6旅行代理店ロールプレイ①(活動2・店員とお客をこうたい)→中間指導歌/キーフレーズ暗唱◎行動観察(思判表)
7世界の国のくらしを聞く(教科書OH)+ロールプレイ②→おわりに行きたい国ランキング発表歌/チャンツ
8パフォーマンステスト(提案のやり取り)+単元の振り返りなし——テストに使い切る◎テスト(知技・思判表)+振り返りカード(態度)

第1〜2時:地図に付せんを貼ってから始める

準備で効くのは1つだけです。活動シート1の早見表に載っている12か国に、教室の世界地図であらかじめ付せんを貼っておくこと。これだけで第1時の国さがしが一気に速くなります。あわせて大陸の言い方(Asia / Europe / Africa / North America / South America / Oceania)を黒板に貼ります。覚えさせる必要はなく、見ながら言えれば十分です。

早見表は12か国。ヨーロッパが4か国、アジアとアフリカと北アメリカが2か国ずつ、南アメリカとオセアニアが1か国ずつ並んでいます。右の欄には You can .... の見どころが書いてあり、その中身は絵カード16枚とそっくり対応しています。子どもはカードを1枚ひくだけで、どの国の話をするか決められる仕組みです。

第2時の主活動は世界の国あてクイズ(ペア・15分)。ヒントは2つ、順番は〈大陸→見どころ〉と決めます。It's in Asia. → You can see pandas. → Which country? という流れです。いきなり見どころから出すとすぐ当たってしまうので、順番のほうがルールの本体になります。分からないときは One more hint, please! でもう1つもらえます。

先生が出題を2回実演してから始めてください。It's in Africa. You can see lions. → Kenya! のように、同じ言い方で2回。実演なしでペアに入ると、まず止まります。

第3〜4時:You can .... の向きを変える

この形は5年のUnit 7「Welcome to Japan!」で一度使っています。あのときは自分たちの国のすてきを紹介する文でした。今回は、目の前の相手が行きたくなるための文です。同じ形なので言い方の練習はいりません。かわりに、だれに向けて言っているのかを何度も確かめます。

第4時では Why? のやり取りに進みます。ここで答えを長くさせないのが大事です。Why? への答えは You can see ~. の1文で十分だと最初に宣言します。理由を接続詞でつなぐ形は小学校では扱わないので、理由は既習の文をもう1つ足す形にします。It's exciting. まで言えたらおまけ、という扱いにしておくと、文の長さで競う空気が出ません。

書きワーク①は同じ第4時に。I want to go to Italy. をなぞってから、ことばバンクを見て「I want to go to ~.」と「You can see ~.」を書き写します。豆知識として1つだけ、国の名前は文のとちゅうでも大文字で始まることに触れておきます。

なお、この単元でいちばん不安が大きいのは、たぶん子どもではなく先生のほうです。国名の発音は担任泣かせです。ALTがいる日か教科書の音源に1回モデルを出してもらい、あとは堂々とまねればそれで足ります。子どもが見ているのは正確さではなく、英語を話そうとする大人の姿のほうです(ALTとの分担はALTと組む45分にまとめています)。

第5〜6時:旅行代理店と、20分のサンドイッチ

第5時でおすすめカードを作ります。書くのは、おすすめの国が1つ、見どころが2つ、ひとこと感想が1つ。色ぬりやかざりつけは朝学習か宿題に回します。授業時間で塗らせると、それだけで1コマ消えます。

第6時が本番です。クラスの半分が店員、半分がお客になり、お客が店を回ります。主活動の20分は、必ず2回に割ります。

  1. 1回目(7分) ロールプレイ1回目(店員と客)。客は2〜3店を回ります。先生は「Why? のあとで止まった店員」を見つけて回ります
  2. あつめる(2分) 言いたかったのに言えなかったことを集めます。「日本語でOK」と先に宣言し、店員側と客側の両方から3〜4個
  3. 英語にする(3分) 補給表から近いものを黒板へ書き写し、全員で2回ずつ声に出します
  4. 自分の台詞にもどす(1分) さっき言えなかった子が、となりに向かって1回言えたら準備完了
  5. 2回目(7分) ロールプレイ2回目(店員と客を交代)。「補給したことばを1つ使えたら店長級」と言って送り出します

補給表で当たりになるのは、まず Hmm... One moment, please. です。5年のレストラン単元で会った「ちょっと待って」がここで再登場します。まよっている時間を英語で持ちこたえられると、店員は黙りこまずに済みます。もう1つは You can eat pizza? ——店員の文を語尾上げでくり返すだけで、客の側の質問になります。そして最後まで言い切るための Thank you! Bye!。終わり方まで言えて、1軒分が完成です。

この単元の分かれ目は、客から Why? が出るかどうかです。補給のあとに「Why? と聞かれたら店員はうれしい」と一言添えておくと、2回目は質問が目に見えて増えます。中間指導で取り上げるのは、上手な子ではなく「お客さんの顔を見て You can ... と言えた子」です。文の長さではなく、向きをほめます。

第7〜8時:世界のくらしと、テストの日

第7時は教科書のOver the Horizonで世界の国のくらしを聞き、そのあとロールプレイ②を回します。進行は第6時と同じで構いません。この時間のおわりに行きたい国ランキングを発表して単元を締めます。1回の相談は1分厳守で、3店回れなくても2店でよしとします。延ばすと役の交代が消えます。

第8時はテストです。45分を使い切るので帯は置きません。子どもが旅行代理店の店員、先生がお客です。1人約1分×35人で35〜40分。班をA〜Dに分け、1班終わるごと(9〜10分)に役割がA→B→C→D→Aと1つずれます。待機の3班は、B=旅行代理店の延長戦を小声で(お客役をこうたい)、C=国あてクイズのペア戦を小声で(出題をこうたい)、D=振り返りカードの記入です。おすすめカードは机に置きっぱなしにして、呼ばれた子だけ持って来ます。配り直しの時間がゼロになります。

進行は6行。あいさつ → I want to travel. Which country is good? → Oh, nice! Why? → Wow! Sounds good! Anything else? → 3秒だけ黙って待つ → お別れ。2行目で I want to go to ~. と自分の話で答えてしまう子には、And for me? と返しておすすめに戻します。3行目の Why? が You can see .... を引き出す合図で、ここが単元の核です。出てこなければ What can I see there? と言いかえます。

評価しないものをはっきりさせておきます。国名の発音の正確さ、知っている国の数、海外に行ったことがあるかどうか、文の数、声の大きさ——どれも見ません。見るのは、お客である先生の顔を見て提案できたかどうかです。

この単元でよくあるつまずき

  • 行きたい国が決まらない。絵カードを3枚ひろげて「この中でいちばん気になる絵は?」と聞きます。絵が決まれば国が決まり、そのとき理由(You can see ~.)はもう手の中にあります
  • おすすめカードを読み上げるだけになる。カードを机に置かせて、顔を見て1回言う練習を全体で30秒はさみます。店員が黙ってしまう班には、先生がお客役で入って Which country is good? と1回だけ火をつけます。言い方は毎回まったく同じにするのがコツです
  • 言いたいことばが英語にならない。世界遺産やオーロラのようなことばは、無理に英語にしません。地名はそのままで通じますし、「くわしくは中学校の英語でね」と返せば、それが予告編になります

前の単元は小6 Unit 3 週末の授業、子どもが can の形に初めて出会う5年の単元は小5 Unit 3 できることの授業にあります。単元ゴールの評価をどう回すかはパフォーマンステストの回し方、評価の全体像は評価と所見のガイドへ。

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、小6の英語が中1でどうつながるかを見てきた立場から書いています。制度・評価の記述は、学習指導要領と国立教育政策研究所「指導と評価の一体化」参考資料、文部科学省の通知・研修ガイドブックにあたって確認しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

この単元の教材は、すべて無料PDFでそろっています

指導計画・Small Talk台本・絵カード・活動シート・書きワーク・評価7点。印刷するだけで45分が流れます。

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