小学校の英語で、はじめて「英語で社会の課題を考える」単元です。生き物のこと、ごみのこと、自分たちにできること——話す価値のある中身がそろっているぶん、45分がまるごと日本語の話し合いになりやすい単元でもあります。
英語の時間に子どもが手にするのは4文です。①生き物 → ②すみか → ③こまっていること → ④わたしたちにできること。これが言えたら大成功で、深いところは理科「生物と環境」や社会に預けます。混同すると、英語の時間なのに英語をひとことも言わずに終わった、という45分ができあがります。
もう1つ、環境の単元はこわい話になりやすいところがあります。減っていく数や強いことばを並べるより、「いっしょにやろう」の言い方でそろえたほうが、6年生の口は動きます。ここでは小6 Unit 6「生き物を守ろう」の単元パック(NEW HORIZON Elementary 6 Unit 6 "Save the animals." / Here We Go! 6 Unit 5 "We live together." 対応)を使って、8時間を組み立てます。
8時間の見取り図
| 時 | 主な活動 | 帯(はじめ5分) | 記録 |
|---|---|---|---|
| 1 | 先生の好きな生き物の話を聞く(Where do ~ live? に出会う) | 歌/チャンツ | — |
| 2 | 生き物とすみかの言い方練習(絵カード)+いきものペアさがし(活動1) | Small Talk①話題1(先生の好きな生き物) | — |
| 3 | 生き物がこまっていることを知る(~ is a big problem.) | 歌/チャンツ | — |
| 4 | We can ~. でできることを出し合う(ポスターの下書き)+書きWS① | Small Talk①話題2(海のごみ) | — |
| 5 | ポスターの台本を仕上げ、役わりを決めて練習(活動2) | 歌/チャンツ | ◎行動観察・台本点検(知技) |
| 6 | ポスターセッション①(説明係↔見学係を交代)→中間指導 | 歌/キーフレーズ暗唱 | ◎行動観察(思判表) |
| 7 | 世界の生き物と自然を聞く(教科書OH)+ポスターセッション②→おわりに「できること」ランキング発表 | 歌/チャンツ | — |
| 8 | パフォーマンステスト(説明+Q&A)+単元の振り返り | なし——テストに使い切る | ◎テスト(知技・思判表)+振り返りカード(態度) |
「できること」ランキングは第7時のおわりに置きます。前の時間までに出そろった案を集計してから発表する形なので、帯には乗りません。
第1〜2時:すみかの決まり文句を、神経衰弱で体に入れる
第1時は先生の好きな生き物の話から。Where do sea turtles live? と自分で問いかけ、They live in the sea. と自分で答えてみせるだけで、たずね方と答え方が一度に耳に入ります。疑問詞+do の形ですが、文法の説明はしません。「すみかを聞くときの決まり文句」として音のかたまりで入れます。答えはいつも They live in .... の形なので、三人称の -s が出てこない設計になっています。
第2時のいきものペアさがし(活動1)は、生き物カード8枚を2組そろえた16枚の神経衰弱です。3〜4人グループで15分。2枚めくる前にグループ全員で Where do pandas live? と言い、めくった人が They live in the forest. と答えます。答えはすみか早見表を見てかまいません。
この活動の肝は点の数え方です。点は取れた枚数ではなく、文を言えた回数。こうしておくと、めくり運の差が勝敗にならず、全員が声を出します。カードのことばは1つ分の形なので、話すときは sea turtles のように s をつけて言えると近い言い方になりますが、言い落としても直しません。salmon と deer は、たくさんいても形が変わらないことばです。
第3〜5時:問題は絵カードにせず、表とことばバンクで
第3時で ~ is a big problem. を扱います。ここで「こまっていること」を絵カードにしたくなりますが、その必要はありません。活動シート2の表とことばバンク(Plastic / Garbage / Plastic bags / Hot weather)で足ります。絵にしようとすると、絵の説明で1時間が終わります。
第4時の We can ~. は、実現できる小さいことに寄せます。大きな宣言より We can pick up trash. のほうが、次の日の行動に変わるからです。ここで気をつけたいのは、家でしていることを聞かないこと。買い物のしかたや持ち物は家庭の事情に直結します。教室や学校でできることを全員で出し合ってから選ばせれば、この話題は起きません。
第5時は台本の仕上げと役わり決め。4人グループで台本の6行を分け合い、1人1文以上を担当します。見取り(知技)は台本の( )の中で行い、すみかが合っているか、We can のあとが動きのことばになっているかだけを見ます。写しでかまいません。ポスターは第5時に仕上げ、セッションは第6・7時。作る日と発表する日を分けるのが時数のリアリズムで、1時間に詰めると必ず崩れます。
第6時:ポスターセッションと、20分のサンドイッチ
セッションは「半分がポスターの前に残って説明係、半分が見学係」の形です。全体の前で1グループずつ発表するより、話す量が倍になります。主活動の20分は次のように割ります。
- 0〜7分 セッション1回目(半分残る・半分回る)。見学係は質問を1つ。先生は「質問できずに帰ってきた子」を見つけておきます
- 7〜9分(あつめる) 聞きたかったこと・こまった質問を、日本語でよいと宣言してから集めます。見学係と説明係の両方から3〜4個
- 9〜12分(英語にする) 補給表から黒板へ書き写し、全員で2回ずつ声に出します。「答えられた班」も1つ取り上げます(答えは1語でよい)
- 12〜13分(自分の質問にもどす) 2回目にする質問を1つ決めて、となりに1回言えたら準備完了
- 13〜20分 セッション2回目。説明係と見学係を交代します。2回目は質問が必ず増えます
補給は質問のことばに寄せます。説明の4文はもうポスターにあるので、伸びしろは見学係の側にあるからです。この単元の当たりのことばは1語の Why? で、聞かれた側は ~ is a big problem. をゆっくりもう一度言えばそれが答えになります。理由を because でつながせないための設計です。ほかに Slowly, please. と One more time, please.、最後を Good idea! Let's save the sea turtles! で締められると、見学係が発表を完成させる側に回ります。
「ぜつめつ」「温だん化」のような理科のことばが出たら、その場で英語を作りません。日本語で言ってからポスターの絵を指す、で十分です。
第7〜8時:セッション②と、テストの日
第7時は教科書のOver the Horizonとセッション②。進行は第6時の台本と同じで回ります。おわりの5分で「できること」ランキングを発表すると、8時間が学級の行動に着地します。
第8時はテストです。45分を使い切るので帯は置きません。先生と1対1で約1分、30秒の説明に質問を1〜2つ。グループのポスターを持って来てよく、手元にない子は活動シート2の台本でかまいません。黒板の4文の型も掲示したままにします。班をA〜Dに分け、1班終わるごとにA→B→C→D→Aと役割が1つずれます。待機の3班は、早見表をふせたいきものペアさがしを小声で、ポスターの「できること」を1つ書き足して清書、振り返りカードの記入です。
先生の問いは、あいさつ → ポスターを見せて → Where do they live? → Why? → What can we do? → お別れ、の6行。最後の質問のあと3秒だまって待つのを進行表に入れておきます。生き物の知識の正しさは評価しません。すみかを取りちがえても減点せず、発音の正確さや声の大きさも見ません。見るのは、ポスターを指す・ジェスチャー・言い直すといった伝えようとする工夫です。声が出にくい子には、ポスターを机に置いたまま質問に1つずつ答える形も用意してあります。観点の切り分けは評価規準の作り方へ。
この単元でよくあるつまずき
- 生き物にくわしい子だけが活躍する。すみかは絵カードと早見表で示し、調べてきた子が有利にならないようにします。知識の量ではなく、文を言えた回数で評価します
- 英語より日本語の話し合いが長くなる。台本の4行を先に埋めてから話し合いに入る順番にします。深い議論は理科の時間へ預ける、と学級で共有しておくと戻しやすくなります
- ポスターが「ダメ!」の掲示になる。禁止のことばではなく、いっしょにやろうの言い方でそろえます。結びを Let's save .... にしておくと、自然にその形になります
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