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英語教材ラボ
期末テスト2学期期末テストの9枚を土台に(無料PDF)

工程 5・表現につなぐ

会話を語りに、語りを会話に対話文を3人称のお話に、物語を台本に書きかえる

合う本文
対話文・物語
時間
15〜20分
形態
個人・ペア
学年の目安
中2〜高校
準備
なし教科書だけ
見本の本文
Monday Morning(対話文・中2程度)

対話文を said や asked を使った3人称・過去形のお話に、物語をせりふとト書きの台本に書きかえる活動です。内容は変えずに伝える形を変えるので、何を残して何を落とすかを選ぶ読みが起きます。情報の表を使う手順と先生の言葉、オリジナルの対話文と物語での見本、中学と高校での扱いの違いをまとめました。

公開 2026-10-18・更新 2026-10-18

ねらい

対話文は、せりふだけで話が進みます。いつ、どこで、2人がどんな様子なのかは、せりふの中から読み取るしかありません。その対話文を3人称・過去形のお話に書き直すと、せりふに埋まっていた場面と様子を、自分の言葉で書き出すことになります。反対に、物語を台本(せりふとト書き)に書き直すと、地の文で説明されていた動きや気持ちを、せりふと動作に置きかえることになります。

どちらの向きでも、内容は変えず、伝える形だけを変えます。せりふを全部写すことはできないので、何を残して何を落とすかを選ぶことになり、サマリー・ピラミッドのような要約に近い読み方が起きます。中学では、時制の一致のような細かい決まりには立ち入らず、お話として通じればよいことにします。高校では、間接話法の練習として扱えます。語り手を替える視点を変えて語るが「だれが語るか」を変える活動なら、こちらは「どんな形で語るか」を変える活動です。

手順

  1. 本文の内容をつかんだあとに置きます。書きかえる向き(対話文をお話に、物語を台本に)は、先生が決めます。
  2. 話し手と大事な情報を表にします(3分)。対話文なら「だれが・何を言ったか」、物語なら「だれが・何をしたか」を、1行に1つずつ日本語で書き出します。この表が、あとでチェック表になります。
  3. 書きかえます(10分)。お話にするなら said / asked / told を使い、動詞は過去形でそろえます。台本にするなら、せりふの前に話し手の名前を書き、動作は( )のト書きにします。ト書きは日本語でかまいません。
  4. 決まりを確かめます。表の情報は全部入れる。お話にするときは、英語の引用符を使うのは1回まで。
  5. ペアで読み比べます(3分)。相手の作品を読みながら、表の情報に印をつけていきます。印のつかない情報があれば、どこに入れられるかを2人で考えます。

先生が言う言葉の例です。

場面先生の言葉
始めるときWrite this conversation as a story. Use "said" or "asked."
表を作るときWho said it? What is important?
書くときUse quotation marks only once. 引用符は1回まで
読み比べるときCheck the list. Is anything missing? 抜けている情報はない?

見本

見本の本文(当サイトのオリジナル)Monday Morning対話文・中2程度・全10行(全文で約88語)
  1. Ms. Green:Good morning, Riku. You look sleepy.
  2. Riku:Good morning, Ms. Green. I went to bed at two last night.
  3. Ms. Green:At two? Were you studying for the test?
  4. Riku:No. I was watching a soccer game on TV. Japan played Brazil.
  5. Ms. Green:Oh, I watched it, too! What a game!
  6. Riku:But Japan lost. I was so sad.
  7. Ms. Green:Me, too. But the last goal was beautiful.
  8. Riku:Yes! Number 10 was amazing. I want to play like him someday.
  9. Ms. Green:Then don't sleep in class today. You have practice after school, right?
  10. Riku:Right. I'll try!

まず、話し手と大事な情報を表にします。

話し手大事な情報
グリーン先生リクがねむそう(1行目)
リク夜中の2時に寝た。テレビでサッカーの日本対ブラジル戦を見ていた(2・4行目)
リク日本が負けて悲しかった(6行目)
グリーン先生先生も試合を見ていた(5行目)
グリーン先生今日は授業中に寝ないように(9行目)

この表をもとに、お話にした例です(このサイトで作った例)。

お話にした文対話文では変わったところ
On Monday morning, Ms. Green saw Riku. He looked sleepy.1行目あいさつが消え、いつ・だれが を地の文で言う。You look → He looked
He went to bed at two because he watched a soccer game on TV.2〜4行目3行目の問いと4行目の答えを、because の1文にまとめた
Japan played Brazil and lost, so Riku was sad.4・6行目離れた2行を so でつないだ。I was so sad → Riku was sad
Ms. Green watched the game, too.5行目I watched it → Ms. Green watched the game
She said, "Don't sleep in class today."9行目引用符はここで1回だけ。前の行がないと通じない Then は落とした

書きかえで消えるのは、あいさつ(Good morning)、あいづち(Me, too.)、感嘆(What a game!)です。会話を生き生きさせていた言葉ほど、お話では要らなくなります。反対に、On Monday morning のような場面の言葉と、Riku のような人物の名前が増えます。月曜の朝という場面は、行間の推理で読み取った答えがそのまま使えます。8行目のあこがれと放課後の練習は、この例では落としました。

迷いやすいのは最後の2行です。10行目の I'll try! も入れたい生徒には、「引用符の1回を、9行目と10行目のどちらに使う?」と聞きます。どちらを選んでもかまいません。選んだ理由が言えれば、その生徒は会話の終わりの山を読めています。

物語を台本にする向きでは、candy の1〜4行目が、たとえば次のようになります。

見本の本文(当サイトのオリジナル)Three Lemon Candies物語・中2程度・1〜4行目(全文で約134語)この4行を、せりふとト書きの台本にします
  1. It was raining hard after school. Mika didn't have an umbrella, so she waited at the school gate.
  2. Then Sota came out. He was in her class, but they didn't talk much.
  3. He had a big blue umbrella. He looked at the rain, and then he looked at Mika.
  4. “Here,” he said. He gave her the umbrella and ran into the rain.
  • 登場人物: ミカ、ソウタ(同じクラス。あまり話したことはない)
  • MIKA: (放課後の校門。傘がなく、雨を見上げている)……
  • SOTA: (大きな青い傘を持って出てくる。雨を見て、ミカを見る)
  • SOTA: Here.(傘をミカにわたし、雨の中へ走っていく)

台本にすると、地の文の多くがト書きに移ります。手が止まるのは2行目の He was in her class, but they didn't talk much. です。ソウタに We are in the same class. と言わせると、説明のための不自然なせりふになります。2人の関係は、登場人物の紹介に書くか、目を合わせないといった動作で見せます。地の文の説明を、せりふと動作のどちらに置くかを考える所が、台本にする向きの読みどころです。

変化をつける

  • やさしくする: 書き出しの文を渡します(On Monday morning, Ms. Green saw Riku.)。表も先生が作っておき、生徒は表を英文にするだけにします。
  • むずかしくする: 語数の上限を決めます。見本のお話は46語なので、40語以内なら、もう1つ何かを削ることになり、要約に近づきます。
  • 台本にしたら: ペアで読み合わせます。せりふの少ない台本ほど、動作と間で見せる練習になります(ロールプレイとスキット)。
  • 高校では: 間接話法で書かせます。She asked him if he had been studying. のように、時制と代名詞をそろえ、引用符を使わずに書きます。新聞の記事の形にして英語の見出しをつけさせると、いちばん大事な情報を1行で決めることになります。

つまずきと手当て

  • せりふを引用符で全部写す: せりふの前に She said, をつけ足しただけでは、形は変わっていません。引用符は1回まで、と決めます。どのせりふを引用符に残すかを選ぶこと自体が、いちばん大事なせりふを選ぶ読みになります。
  • 大事な情報が抜ける: 手順2の表を、チェック表として使います。書き終えたら、まず自分で表の行に印をつけ、それからペアに渡します。
  • 現在形が残る(He looks sleepy. など): お話は過去形でそろえる、と最初に決めます。書き終えたら動詞に下線を引かせ、形を確かめます。

出どころ

文章の形(ジャンル)を変えて書き直す活動は、書く指導で広く使われています。物語の地の文を台本の形にする書き換えは、田尻悟郎『英語教科書本文活用術!』(教育出版、2014)の第1章でも、応用の活動の1つとして挙げられています。このレシピの、大事な情報の表をチェック表に使う手順と、引用符を1回までにする決まり、見本のお話と台本は、このサイトで作ったものです。

いっしょに組むとよいレシピ

くわしい手順と紙(このサイトの教材)

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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