ひとことで言うと
ロールプレイは、店員と客、道を聞く人と教える人のように役を決め、その場面で英語を使う活動です。スキットは、台本のある短い寸劇を練習して演じて見せる活動です。違いは「その場で話すか、用意した台本を演じるか」で、スキットは正確さと表現の定着に、ロールプレイは即興のやり取りに向きます。順番はスキットが先、ロールプレイが後です。
出どころ
どちらもコミュニカティブな言語教授法の中で定着した活動で、学習指導要領の本文にはありませんが、解説が求める「目的や場面、状況」のある言語活動の代表的な形です。教科書の各単元の対話文は、そのままスキットの台本になり、場面を変えればロールプレイの土台になります。
授業での実際の使い方
台本ありから台本なしへ、3段で移します。
| 段 | 活動 | 手がかり | ねらい |
|---|---|---|---|
| 1 | スキット | 教科書の対話文をそのまま。役を替えて2回 | 表現と音の定着 |
| 2 | 穴あきのスキット | 品物・場所・数字を自分で決めて入れる | 表現の入れ替え |
| 3 | ロールプレイ | ロールカード(役と目的だけ)。台本なし | 即興のやり取り |
ロールカードは、役と目的を1〜2行で書きます。「客: 青いTシャツをMサイズで買いたい。値段を聞く」「店員: 青はLしかない。別の色をすすめる」のように、2人の目的が少しずれていると、やり取りが必要になります。1回2分で、相手を替えて2回。先生が言う言葉は、スキットでは「同じ音で、はっきり」、ロールプレイでは「台本は忘れて、相手の言ったことに返して」です。
よくある誤解
- スキットの発表会で終わると、話す力にはなりません。スキットは第1段で、ロールカードだけで話す第3段まで行って、初めて「その場で使える」になります。
- 全員の前で発表しなければならない、わけではありません。ペアで同時に行い、先生が回って聞くほうが、1人あたりの話す時間は何倍にもなります。
- 演技のうまさは評価しません。評価するのは、目的が達成できたか(値段が聞けたか)と、相手の言葉に応じられたかです。
校種別の違い
| 校種 | 形 |
|---|---|
| 小学校 | 買い物・道案内の場面で、絵カードを品物にしたロールプレイ。台本は担任と ALT がやって見せる |
| 中学校 | 教科書の対話文をスキット→穴あき→ロールカードの3段で。パフォーマンステストの課題にも |
| 高校 | 意見の対立がある場面(提案と反論)のロールプレイ。論理・表現へ |
| 塾 | 個別指導で講師が相手役になる。学校のパフォーマンステストの前に1回 |
この用語が出てくる教材と記事
- 中学英語のコミュニケーション活動18選。役と目的のあるペア活動を、文法ごとに集めてあります。
- パフォーマンステストの教材一覧。やり取りの課題カードとルーブリックです。
- 小5 Unit 6 注文の授業。店員と客のロールプレイを単元の出口にした小学校の例です。
- 情報の差の作り方はインフォメーションギャップ、育てたい力は即興のやり取りへ。