ひとことで言うと
インフォメーションギャップは、ペアの片方だけが知っている情報(差=ギャップ)を作り、それを埋めるために英語で質問と答えをさせる活動の仕組みです。Aさんは地図の店の場所を知っていて、Bさんは知らない。Bさんが尋ねないと分からないので、質問が「練習」ではなく「必要」になります。
出どころ
1970年代以降のコミュニカティブな言語教授法(CLT)で、言語活動の条件として整理された考え方です。学習指導要領(外国語)の解説が言語活動に求める「目的や場面、状況」の設定を、いちばん小さな形で満たす仕組みで、教科書のペア活動の多くがこの形で作られています。
授業での実際の使い方
作り方は3手順です。
- 同じ形式のシートを2枚(AとB)作り、書いてある情報を半分ずつ空所にする。Aに書いてある部分がBでは空所、その逆も同じ。
- 空所を埋めるために必要な質問文を、シートの上に1つ書いておく(例: What time does the store open?)。
- 「相手のシートを見ない」を最初に言う。見えると質問が要らなくなる。
| 場面 | Aが持つ情報 | Bが持つ情報 | 使う文法 |
|---|---|---|---|
| 時間割 | 月・水・金の時間割 | 火・木の時間割 | What do you have on Monday? |
| 道案内 | 地図に店の位置が3つ | 別の店の位置が3つ | Where is the post office? |
| 人物紹介 | 名前・出身・好きなもの | 年齢・できること・ペット | Where is she from? Can he swim? |
先生が言う言葉は「見せないで、聞いて」の一言です。終わったら2人でシートを合わせて、埋めた答えが合っているかを確かめさせます。この答え合わせがあると、聞き取れなかった生徒が「もう一度言って」と言うようになります。
よくある誤解
- 質問と答えの練習なら何でもインフォメーションギャップ、ではありません。2人とも答えを知っている質問(教科書の絵を見て What is this?)にはギャップがなく、生徒は聞かずに答えます。
- 難しい文法は要りません。ギャップの作り方が本体で、文法は既習の1つで足ります。
- 情報の差だけでなく、意見の差(オピニオンギャップ)や理由の差(リーズニングギャップ)でも同じ仕組みが作れます。高校では意見の差のほうが使いやすくなります。
校種別の違い
| 校種 | 形 |
|---|---|
| 小学校 | 絵カードの裏表。「持っているカードを当てる」「ほしいものを聞いて集める」 |
| 中学校 | A・Bシートの空所埋め。文法ごとに1枚作れる |
| 高校 | 意見の差・理由の差で作る。資料の食い違いを埋める形はジグソーに近づく |
| 塾 | 1対2の個別で、2人に別の情報を渡して確認テストの答え合わせをさせる |
この用語が出てくる教材と記事
- 中学英語のコミュニケーション活動18選。文法ごとに、情報の差で話すペア活動を集めてあります。
- ペア・グループ活動の技術。ペアが成立する条件と、ギャップの作り方です。
- 小学校英語のゲーム大全。カードの裏表で差を作る活動が入っています。
- 分担して集める形はジグソー法、活動と練習の線引きは言語活動へ。