ひとことで言うと
ジグソー法は、1つの教材を3〜4の部分に分け、班の1人ずつが別の部分を担当する協同学習の方法です。まず同じ部分を担当した生徒どうしが集まって理解し(エキスパート班)、次に元の班に戻って、自分の部分を他の3人に説明します(ジグソー班)。自分しか知らない情報を持っているので、全員に「話す必然」ができます。
出どころ
アメリカの社会心理学者エリオット・アロンソンが1970年代に考案した方法です。日本では、東京大学 CoREF が「知識構成型ジグソー法」として、部分の資料を組み合わせて問いに答える形に整理し、小中高の授業で広まりました。学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」の実践例としてもよく挙げられます。
授業での実際の使い方
英語の長文(4段落)を4人班で読む50分の型です。
| 分 | 班 | やること |
|---|---|---|
| 0〜5 | 全体 | 問い(例: この話の登場人物は最後にどう変わったか)と段取りを示す。段落を1人1つ割り当てる |
| 5〜20 | エキスパート班 | 同じ段落を担当した生徒が集まり、内容を確かめる。日本語でよい。「班に戻って英語で3文で言う」が出口 |
| 20〜35 | ジグソー班 | 元の班に戻り、段落の順に1人ずつ英語で説明。聞き手はメモ |
| 35〜45 | ジグソー班 | 問いに対する答えを班で作る(英語で2〜3文) |
| 45〜50 | 全体 | 2〜3班が発表。先生が全文の要点を示して閉じる |
先生が言う言葉は「あなたの段落は、あなたしか読んでいません」です。この一言で、エキスパート班での確認に本気が入ります。段落の長さは1人100語以内にします。それ以上だと、エキスパート班の15分で足りません。
よくある誤解
- 「班で分担して読む」だけではジグソーではありません。エキスパート班(同じ部分を担当した者どうしで確かめる段)を省くと、担当の生徒が読めていないまま説明する場面が起きて、班の理解が崩れます。
- 教え合いの場面を英語でやらせすぎると止まります。エキスパート班は日本語で内容を確かめ、ジグソー班での説明だけを英語にするのが現実的な線です。
- 生徒任せの時間ではありません。エキスパート班を回って、説明の英文を作れない班に「主語と動詞だけでいい」と声をかけます。
校種別の違い
| 校種 | 形 |
|---|---|
| 小学校 | 絵本の場面を班で分けて、絵を見せながら1文ずつ言う。文字の読みが要らない形にする |
| 中学校 | 教科書本文の段落、または同じ話題の短い資料3〜4本を分担 |
| 高校 | 長文の段落分担が基本。資料の食い違いを比べて問いに答える形に発展 |
| 塾 | 集団指導で、入試の長文を段落ごとに分担して時間を短縮する |
この用語が出てくる教材と記事
- ペア・グループ活動の技術。班活動が成立する条件(役割・時間・成果物)を書いた本編です。
- 教科書本文の授業アイデア12選。本文を分担して読む形を含む12の並べ方です。
- 発問の技術。ジグソーの最初に置く「問い」の作り方は、事実発問・推論発問・評価発問の3段で決まります。
- 情報の差で話す形はインフォメーションギャップへ。