ひとことで言うと
リテリングは、教科書の本文のように、読んだり聞いたりした英文の内容を、本文を見ずに自分の言葉で語り直す活動です。本文をそのまま覚えて言う暗唱とは違い、キーワードや絵を手がかりに、自分の持っている表現で内容を再構成します。音読で音に慣れた本文を「話すこと」に変える橋の役目をします。
出どころ
学習指導要領(中学校・高校 外国語)の「話すこと[発表]」に、聞いたり読んだりしたことについて、事実や自分の考えを話す言語活動が示されています。リテリングはその代表的な形で、検定教科書の多くが本文のあとに Retelling の活動を置いています。用語自体は学習指導要領の本文にはなく、教科書と現場で広く使われる言葉です。
授業での実際の使い方
本文を読み終えた時間の後半に、支援を3段で減らしながら回します。
| 段 | 手がかり | 生徒がすること | 目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | キーワード(本文の名詞と動詞を10語ほど黒板に) | ペアで交互に1文ずつ、キーワードを順につないで言う | 3分 |
| 2 | 絵や図だけ(キーワードを消す) | 絵を指しながら、自分の言葉で内容を言う | 3分 |
| 3 | 何も見ない | 相手に向かって30秒〜1分で語り直す。聞き手は内容を1つ質問する | 2分 |
先生が言う言葉は「本文の言い方じゃなくていい」「知っている単語で言い換えて」の2つです。生徒は本文どおりに言おうとして止まるので、言い換えを許すことを先に言います。段1で止まる生徒には、キーワードを文の形(主語+動詞)まで書いた手がかりを渡します。
よくある誤解
- 暗唱ではありません。暗唱は本文の再生で、リテリングは内容の再構成です。本文と一字一句同じなら、それは暗唱ができたということで、リテリングの評価にはなりません。
- 音読の回数を増やせばできるようになる、とは限りません。音読で音は入りますが、語り直すには「何を言うか」の順序を頭の中に持つ必要があります。キーワードの並びを先に作らせる段が要ります。
- 全文を語り直す必要はありません。3〜5文で内容の骨が言えれば十分です。長い本文は段落ごとに分けます。
校種別の違い
| 校種 | 形 | 長さ |
|---|---|---|
| 小学校 | 絵本や聞いた話を、絵を指しながら1〜2文で言う(既習の表現で) | 30秒 |
| 中学校 | 教科書本文をキーワード→絵→何も見ないの3段で。パフォーマンステストの課題にもなる | 30秒〜1分 |
| 高校 | 長文の段落ごとに要約して語り直す。意見を1文足す形に発展させる | 1〜2分 |
| 塾 | 学校の本文の内容確認として。塾では本文が使えない場合が多いので、自作の短い英文で | 30秒 |
この用語が出てくる教材と記事
- 教科書本文の授業アイデア12選。音読からリテリング、要約までの並べ方があります。
- リテリングのパフォーマンステスト(中2)。課題カードとルーブリックのセットです。
- リテリングで話せない生徒に。高校版の授業ガイドですが、支援の減らし方は中学でも同じです。
- 音読の種類は音読のバリエーション、評価はパフォーマンステストへ。