新出語を「ノートに意味を写して終わり」にすると、生徒は本文で同じ語に出会っても読めず、まして使えません。語彙が定着しないのは覚える気がないからではなく、出会い方が「意味の書き写し」だけだからです。この記事は、音・使い方・想起をセットにした語彙の導入と、本文・アウトプットで再会させて定着させる流れを解説します(本文・語彙リストは非掲載。指導の骨組みを提供します)。
この方法で解決できる悩み
- 単語の意味は写させたのに、本文で読めない・テストで書けない
- 語彙指導が「日本語訳を確認して終わり」になっている
- 覚えさせたい語が多すぎて、どう扱えばいいか回らない
語彙は「4点セット」で導入する
意味だけを渡すと記憶に残りません。新出語は、次の4点をセットで一度に扱います。
| 要素 | やること |
|---|---|
| 音 | 教師が発音→全体・列・個で3回リピート(つづりより先に音) |
| 意味 | 訳語は最小限。絵・実物・英語の言いかえで直感的に |
| 使い方 | その語を含む短い1文(コロケーション)で見せる |
| 想起 | 隠して「これ何だっけ?」を即その場で1回 |
「音→意味→使い方→想起」を1語につき30秒。訳を写す時間より、この30秒の方が残ります。
定着は「間隔をあけた再会」で決まる
1回で覚える語はありません。定着は、同じ語に何度も文脈の中で再会することで進みます。導入して終わりにせず、意図的に再会を仕込みます。
- 導入直後: フラッシュカードで即・想起(意味→英語、英語→意味の両方向)
- 本文で: 「さっき導入した語がここに出てくる」と気づかせる(読解の中での再会)
- 次時のはじめ: 帯で前回の語を30秒リトライ(間隔をあけた復習)
- アウトプットで: その語を使わないと言えない活動・お題を出す
「使わせて」初めて自分の語になる
理解語彙(見て分かる)と使用語彙(自分で使える)は別物です。テストや発表でその語を使う必然のある場面を作らないと、使用語彙になりません。導入した語を使うお題(例:新出の形容詞で自己紹介、新出動詞で昨日の出来事)を、単元内に必ず1回置きます。
本文の授業シリーズ
語彙の導入は、本文の授業の入り口に置きます。新出語彙の導入(本記事)→オーラル・イントロダクション→内容理解の発問→音読→リテリング→自己表現ライティング、という流れの最初のピースです。ここで音と使い方をセットにしておくと、続くオーラル・イントロダクションで教師の英語が生徒に届きやすくなり、本文読解もスムーズになります。語彙指導は、本文の授業全体の土台です。