この単元の主役は、5時間目の最後の10分です。両手でカードをさし出して This is for you.、受け取った子が Thank you! と返す。その10分から逆算すると計画が立ちます。ことばが人へのおくりものになる経験は、小3の1年でここだけです。
地雷は工作です。カードづくりを英語の時間でていねいにやると、5時間のうち2時間がはさみとのりに消えます。英語に残すのは、材料を集めることと渡すことの2つだけ。色ぬりとかざりは図工か休み時間へ回します。
使うのは小3 Unit 7「This is for you.」の単元パックです。かたちカード8枚(circle / triangle / square / star / heart など)、活動シート3枚、ふりかえりカード、ALT打ち合わせシート、単元計画の7点です。
全5時間の見取り図
| 時 | 主な活動 | 帯(はじめ5分) | 見取り |
|---|---|---|---|
| 1 | 形のことばと出会う(カード)・教室のかたちさがし | 歌+形カードフラッシュ | — |
| 2 | きいてあつめて かたちハント(聞いて○をつける) | 歌+チャンツ | — |
| 3 | What do you want? と出会う・かたちやさんロールプレイ① | チャンツ(want / please) | — |
| 4 | かたちやさん②(材料あつめ)→カードづくり(構成まで) | チャンツ | 行動観察(見取りメモ) |
| 5 | カードわたし会(This is for you. — Thank you.) | 歌 | 振り返りカード点検 |
外国語活動に数値評定もA・B・Cもありません。右端の欄は成績のためではなく、学期末に文章を書くための見取りです。第4時は買い物の様子をメモし、第5時に振り返りカードを点検する。この2回で足ります。
45分の形はどの時間も同じです。あいさつ・歌・チャンツ(0–5分)、かたちカードで練習(5–12分)、めあての確認(12–15分)、主活動(15–37分)、振り返り(37–45分)。
第1時:形のことばを、教室からさがす
帯は歌とかたちカードのフラッシュ。言わせる前にポインティングゲームを挟むと、まだ声を出したくない子も同じ土俵に立てます。
主活動は教室のかたちさがし。時計は circle、まどや黒板は rectangle、三角定規は triangle。カードを1枚見せ、同じ形のものを指さします。この時間の仕事は8つ言えるようにすることではなく、形にも英語の名前があると気づかせることです。
第2時:形のつぎに、数を聞く
主活動は活動シート1「きいてあつめて かたちハント」(聞くこと/ひとり・ペアで確認OK/10〜15分)です。15マスの「かたちのいけ」に形が泳いでいて、注文どおりの形に、言われた数だけ○をつけます。聞き取りの照準が、形だけから「形と数」の2段に上がります。
読み上げは「Two ...(ため)... stars, please!」の順。数のあとに1回ためると数→形の順に聞く癖がつき、第3時のお店ごっこが楽になります。答え合わせを「Stars? — Two!」のコール&レスポンスにすれば、それ自体が言う練習です。同じ形ならどこに○をつけても正解、まちがえたら×で消して直せばOK。先に言うと手が止まりません。
レベル2は色つきの注文です。A blue star, please. と読み上げ、○のよこに色をひらがなでメモ。色は小3 Unit 4 色・すきなものの授業で出会ったことばの再会です。「前にならったのがまた使えたね」と口に出して価値づけます。時間が押せば1ラウンドで切り上げてかまいません。
第3〜4時:かたちやさんで、材料を買う
帯は want と please のチャンツに替えます。What do you want? は「お店の人のことば」として入れるのが近道です。店員は聞く人、お客は please の人。立場とセットにすると説明なしで覚えられます。
主活動は活動シート2「かたちやさんロールプレイ(カードのざいりょうを あつめよう)」(話すこと・やり取り/お店役とお客役に分かれて/15〜20分)です。お店は教室のまわりに4〜5か所、店員は2人ずつ。前半と後半で役を交代すれば、全員が両方の立場のことばを使います(お店やさんロールプレイの形)。第3時はお試し、第4時が本番の材料あつめです。
出かける前に、おかいものメモへほしい形と数を書き、材料は全部で6まいまで。色紙の形は多めに切っておきます。品切れの店は What do you want? が言えなくなるからです。Thank you! を忘れたお客には、お店の子が「んんっ?」の顔でおしえます。注意ではなく思い出させる遊びの装置です。
見取りの1回目は第4時のここ。please をつけて伝えられているか、Thank you が自然に出るかを、お店を回りながらメモします。「カードを作る目的のために、ほしい形や色を伝え合っている」姿です。ことばの完成度より、やり取りが成立するほうが先です。
第4時の後半はカードづくり。はさみが苦手な子のために、形は切りぬき済みのものを用意します。作る速さの差が英語を使う機会の差になると、ねらいから外れます(学級のなかの差が大きいとき)。ALTが来る日はこの2時間へ。店員役のお手本を打ち合わせシートで頼んでおきます。
第5時:カードわたし会
主活動は活動シート3「カードわたし会(This is for you.)」(話すこと・やり取り/1対1のセレモニー/15分)です。全員が渡し、全員がもらう形をつくります。
はじめにシートの最終チェック。形が3つ以上あるか、渡す相手の顔を思いうかべたか、This is for you. を3回練習したか。この3項目に◎○△をつけると、渡す前の空気が整います。
渡し方も決めておきます。両手で、相手の目を見て This is for you.。もらった子は For me? Thank you! と返し、A star for you! と入れた形を1つ言って自慢するところまでが1セットです。Nice star! とほめ返す子が出たら、会話の芽なので全体に紹介します。
見取りは1点だけ。渡すとき・もらうときに相手を見ているかです。「相手のことを思いうかべながら、すすんでほしいものを伝えたりカードを渡したりしようとしている」姿は、ことばの正確さより照れ笑いのほうにはっきり出ます。
締めはふりかえりカードです。3つのできたことに◎○△をつけ、「つたわった!」場面とつぎにおくりたい相手を書きます。毎時間1行の欄が5行あり、5時間分が1枚に残ります。集めて点検すれば見取りは終わりです。2枚目を家族に渡すのは、宿題のおたのしみへ。
この単元でよくあるつまずき
- カードづくりが止まらない。構成を決めたところで切り上げ、色ぬりとかざりは図工か休み時間へ。ここを決め切らないと、第5時のわたし会が削られます
- want が言えなくて買い物が止まる。please だけでも売る、とお店役の子に先に伝えます。お客が黙ったら、店員がゆっくり言いなおします
- 「もらえない子」が出そうになる。渡す相手はくじで事前に決め、相手が見つけにくい子には先生が最初の相手になります
前の単元は小3 Unit 6 アルファベット大文字の授業、次は小3 Unit 8 これなあに?の授業で、たずねる側にもう一歩進みます。見取りメモを通知表の文章にする手順は外国語活動(3・4年)の所見の書き方へ。ALTが入る日の分担はALTと組む45分にまとめています。