小3の英語は、Unit 8でいちど立ち止まります。クイズカード16枚のうち10枚は、Unit 4の「すきな色」・Unit 5の「すき」で出会ったことばの再会だからです。「知ってる!」から始められるのが、この5時間の強みです。新しいのは動物4枚(panda / elephant / penguin / sea turtle)と pencil・notebook の6枚。この6枚だけは第1時の絵カード練習(5〜12分)で先に入れておきます。ここを飛ばすと、第2時のヒント出しで「動物のなかま」が使えません。
ただし「今日は復習です」と言った瞬間に、その強みは消えます。1年分のことばを取り出す仕掛けは、クイズ大会という舞台のほうにあります。復習ということばを出さずに復習を終えるのが、この単元の設計です。
地雷はもう1つ。第5時の大会を単元の主役だと思うことです。本番は進行と得点で手一杯になります。ヒントを工夫する姿がいちばん見えるのは、その前の第4時、班で作戦を練る時間のほうです。小3 Unit 8「What's this?」の単元パック(Let's Try! 1 Unit 8対応・無料PDF7点)で5時間を組み立てます。
全5時間の見取り図
| 時 | 主な活動 | 帯(はじめ5分) | 見取り |
|---|---|---|---|
| 1 | What's this? と出会う(かくれんぼカード=すこしずつ見せる) | 歌+カードフラッシュ | — |
| 2 | ヒントでたっち(ヒントを聞いて当てる) | チャンツ(What's this?) | — |
| 3 | ハテナボックス(さわって当てる)・ヒントのことばをふやす | チャンツ | — |
| 4 | クイズ大会のじゅんび(出し方をえらぶ・ペアで練習) | チャンツ | 行動観察(見取りメモ) |
| 5 | これなあに?クイズ大会(グループ対抗) | 歌 | 振り返りカード点検 |
3・4年は外国語活動なので、数値の評定はつきません。右の列は評定の資料ではなく、通知表の文章を書くための見取りです。第4時に見るのは「ヒントの出し方を工夫している」姿、第5時は「すすんで答えたり出題したりしようとしている」姿だけです。
第1時:かくれんぼカードで、What's this? に出会う
45分の型は5時間とも同じです。帯5分、カードの練習7分、めあての確認3分、主活動22分、振り返りとあいさつ8分。
出会わせ方はかくれんぼカードです。画用紙で隠し、はしから少しずつずらして見せる。子どもが「あっ!」となったところで、カードを目の前に突き出しながら What's this? と言います。this が近くのものを指すという説明は要りません。突き出す動きが、意味を先に伝えます。
答えは It's a panda. で返し、a や an は説明しません。an elephant も音のまま丸ごとまねさせるところまで。冠詞の話を始めると、まねする勢いが止まります。
第2〜3時:ヒントの順番を固定する/箱の中に手を入れる
第2時は活動シート1「ヒントでたっち(きいて、あてよう!)」(聞くこと・ペアで1まいのシートを2人・10〜15分)。9マスの絵をペアのまん中に置きます。出題は先生。It's black and white.(色)→ It's an animal.(なかま)→ It's big.(大きさ)とヒントは3つまで。分かったら絵をタッチ。2人ともタッチできたら2人とも1ポイントです。
9マスの仕掛けは、パンダとペンギンが両方入っていることです。「白黒の動物」まで聞いて手が動いた子は、最後の大きさのヒントでひっくり返される。最後まで聞く意味を体験で教えられます。この色→なかま→大きさの順を固定するのは、第4時に子どもが自分でクイズを作るときの型になるからです。順の考え方はスリーヒントクイズにあります。
第3時は活動シート2「ハテナボックス(先生用・進行シート)」(話すこと・やり取り・代表+クラス全体・15分)。ふたつきの箱に手を入れる穴をあけ、代表1人2分、6人で12分。全員はやりません。核は役の逆転です。手を入れるのは1人でも、What's this? とたずねるのは見ている34人のほう。たずねる側を全員が6回経験できます。
中身はボール、ぬいぐるみ、消しゴム、お手玉など。とがったもの、こわれやすいもの、誤飲サイズ、ぬれたものは入れません。さわる代表は必ず挙手制にします。見て当てる側にも It's a ball? It's a car? It's an eraser? の3択ヒントを配れば、全員に出番があります。ALTが来る日は「ALTの先生がさわる番」を1回。頼みたいことはALT打ち合わせシートに4行書いて渡します。
第4時:出し方を選ばせる。見取りはこの時間に置く
活動シート3「クイズ大会をつくろう(グループで1問)」(話すこと・やり取り・3〜4人グループからクラス大会へ)は、第4時が準備、第5時が本番です。班でカードを1枚選び(ほかの班には秘密)、出し方をかくれんぼ・ヒント3つ・ジェスチャーの3つから1つ選びます。かくれんぼは画用紙でカードを隠して1cmずつずらすだけで準備物ゼロ。体で表す型はジェスチャー当てと同じ。英語が出にくい子が出題側で主役になれます。
役割は4つ。きく係(What's this?)、カード係、ヒント係、こたえ係(It's ◯◯!)。この分担なら、全員に必ずせりふが回ります。声が小さい子は、カードを持ち上げる係とペアにして1人で全部やらせません。
見取りの1回目はここです。班を回り、相手が当てられるようにヒントの出し方を工夫しているかを見ます。「これじゃすぐ分かっちゃう」「これは最後にしよう」と相談する声が、そのまま思考・判断・表現の場面です。第5時は進行で手が離せません。
第5時:クイズ大会は、勝敗ではなく回数で数える
帯は歌にもどして大会に入ります。1グループ1問、2問目は時間があまったときのボーナスです。答える班は相談タイム10秒、声をそろえて答える。1回で当たれば2ポイント、2回めで1ポイント。得点は接戦になるよう「おしい!ポイント」を0.5点で乱発して構いません。目的は勝つことではなく、What's this? — It's ◯◯. のやり取りが何回起きたかのほうです。
最後にふりかえりカードを集めます。単元を通して同じ1枚で、毎時間のおわりに1行ずつ書きためてきた紙です。◎○△は、It's ◯◯. で答えられたか、ヒントを聞いて答えを考えられたか、班の役割をやりきったかの3つ。最後の欄の「クイズにしてみたいもの」が、次の Unit 9 で絵本を聞くときの入口になります。
この単元でよくあるつまずき
- 答えが英語で出てこない。日本語で当たったら正解にして、全体で英語に直します。当てる楽しさを取り上げると、次の問題で手が挙がらなくなります
- 箱に手を入れたがらない子がいる。さわる代表は挙手制のまま動かしません。見て当てる役、3択ヒントを言う役でも主役になれます
- 時間が足りず、出題できない班が出る。ヒントは色となかまの2種類だけでも大会は成立します。ハテナボックスも代表6人で切り上げてよく、45分に収まります
前の単元は小3 Unit 7 カードをおくろうの授業、次は小3 Unit 9 きみはだれ?の授業で、絵本で1年をしめくくります。学期末の通知表の文章は3・4年の所見の書き方にまとめています。