この単元で子どもが持ち帰るのは、食材のことば16語ではありません。お店の3往復です。What do you want? — Strawberries, please. — How many? — Two, please. 小3 Unit 7 カードをおくろうの授業で形を集めたお店ごっこに、数の1往復が足される。足し算はそれだけです。
地雷は、その3往復が2往復に縮むことです。慣れてくると子どもは Strawberries, two, please. と一息で言い切ってしまう。直す手はお客ではなくお店側にあります。いきなり数を言われたら How many? と首をかしげて聞き返す。この役をお店役に渡せば、先生がお客を1人ずつ直して回らずにすみます。
小4 Unit 7「ほしいものは なにかな」の単元パック(Let's Try! 2 Unit 7 "What do you want?" 対応)は、単元計画・しょくざいカード16枚・活動シート3枚・きくワーク・Small Talk 台本・ふりかえりカード・ALT打ち合わせシートの9点です。この9点で5時間をそのまま流せます。
全5時間の見取り図
| 時 | 主な活動 | 帯(はじめ5分) | 見取り |
|---|---|---|---|
| 1 | 食材のことばと出会う(カード)・キーワードゲーム | 歌+カードフラッシュ | — |
| 2 | What do you want? と出会う・ほしいものインタビュー(軽く) | チャンツ(want / please) | — |
| 3 | How many? を足す(数の再会)・きくワーク(だれのパフェ?=なにを・いくつ をきいて、A〜E のパフェをえらぶ)・お店の3往復を練習 | Small Talk①(先生の日曜のカレー)+チャンツ+数え歌 | — |
| 4 | フルーツやさんロールプレイ(パフェ/ピザの材料あつめ) | Small Talk②(先生が作りたいスープ)+チャンツ | 行動観察(見取りメモ・知技/思判表) |
| 5 | スペシャルメニュー発表会(My special parfait!) | 歌 | 振り返りカード点検(態度) |
4年は外国語活動なので、成績の数字はつきません。右端の欄は、学期末に文章を書くための手がかりを残す欄です。第4時は店のそばで「3往復が成立しているか」と「メモに決めた食材と数を伝えて集めているか」を見て、名簿に印を残す程度で足ります。第5時はふりかえりカードを集めて、「自分のメニューを伝えようとしているか」を読みます。
第1時:16枚は覚えさせない。耳から取らせる
45分の配分は、0〜5分があいさつと帯(第1時は歌+カードフラッシュ、第2時からはチャンツ)、5〜12分がしょくざいカードの練習、12〜15分でめあての確認、15〜37分が主活動、37〜45分が振り返りとあいさつ。5時間ともこの骨格は変わりません。
しょくざいカードは、いちご・メロン・ぶどう・もも・りんご・パイナップル・さくらんぼ・バナナ・オレンジ・トマト・とうもろこし・にんじん・じゃがいも・たまねぎ・マッシュルーム・アイスクリームの16枚。パフェにもピザにも振れる構成です。
主活動は「しょくざいキーワードゲーム」(聞くこと/ペア・机のまん中に消しゴム1つ/10〜15分)。キーワードの食材が聞こえた瞬間に消しゴムを取る、キーワードゲームの型です。読み上げは緩急が命で、キーワードの直前に似た音を置くと沸きます。strawberries のときの cherries が筆頭で、-ries につられて手が出る子が続出します。
ルールは3つ。手はあたまの上、おてつきは1回休み、相手の手をたたかない。1つめがないと、消しゴムに手をかぶせて待つ子が出ます。3ラウンドごとにキーワードを変えれば16語を一巡でき、押している日は5分の短縮版で切り上げて構いません。
第2〜3時:1往復ずつ足していく
第2時で What do you want? に出会います。3年 Unit 7 のかたちやさんで一度聞いていることばなので、新しく教えるより、先生の店の場面で意味を思い出させます。数はまだ足しません。ほしいものインタビューも軽く1往復だけ。What do you want? — Strawberries, please. の音のかたまりを入れることに使います。帯はチャンツ(want / please)へ切り替えます。
ここで Do you have ...? と混ざる子がよく出ます。小4 Unit 5 文房具の授業でやったばかりの形なので当然で、直さなくて構いません。通じることが先、2つの疑問文の整理は5年の仕事です。
第3時で How many? を足します。数は3年 Unit 3 で通った道なので、帯の数え歌で1分呼び戻せば戻ってきます。strawberries や cherries のような複数形の音にも自然に触れますが、文法の説明はしません。音のまままねさせれば十分です。
帯の前の数分は Small Talk 台本で、先生の本当の料理の話をします。第3時は先生が日曜に作ったカレー。じゃがいもをいくつ入れたか How many potatoes? と当ててもらい、子どもは指で数を出します(ペアにはしません)。ここでの How many? は数をたずねることばとして聞かせるだけで、お店でも数をたずねると気づくのは、このあとの先生の店の場面にとっておきます。第4時は先生が作りたいやさいのスープです。先生がお客になり、子どもが全員でやおやさんになって What do you want? と How many? をたずね、先生が Tomatoes, please. — Three, please. とたのみます。ペアは30秒×2回で、1回目のあとに Sorry! Sold out! を1つだけ足します。このあとのフルーツやさんで店の子が使うことばです。食材は野菜だけにして、くだものとパフェはきくワークとお店にとっておきます。子どもの家の料理や食べられない物はたずねません。モデル音声は話題ごとに1本ずつです。
3往復の6行は、Shop: Hello! What do you want? / You: Strawberries, please. / Shop: How many? / You: Two, please. / Shop: Here you are. / You: Thank you! です。話す前に、きくワーク「だれのパフェ?」でこの3往復をまるごと4回聞かせます。パフェは「同じ食材で数ちがい」と「にている食材(strawberries と cherries)」をまぜてあるので、なにを・いくつ の両方を聞かないと選べません。4人目は数を先に言ったお客に店の人が How many? と聞き返す場面で、第4時に店の子へ渡す役のお手本になります。ペア練習は、きくワークの3(客がひみつのパフェを選び、店の子が3往復で当てる)で行います。この6行は活動シート2の右の欄に刷ってあるので、この時間にくばって、忘れたときに見る紙として使います。4年は外国語活動なので、黒板には英文を書かず、食材の絵カードと「おみせ」「おきゃく」の札を貼っておきます。パフェにするかピザにするかは、この時間の終わりに一人ひとりが決めておきます。時間が足りなければ、クラスでどちらか1つにしぼっても構いません。
第4時:お店役を鍛えると、3往復が守られる
主活動は「フルーツやさんロールプレイ(材料あつめ)」(話すこと・やり取り/お店役とお客役に分かれて/15〜20分)。班の机をお店にして8店を開き、店ごとに売る食材を2種類ずつ変えておきます。ロールプレイの型で、前半と後半で役を交代します。
出発の前に、おかいものメモの「ほしい食材」と「いくつ」を先に決めさせます。英語を書かせる欄ではないので、日本語でも絵でも数字でも構いません。決めてから行けば、お店の前で固まりません。集めるカードは全部で6枚までにすると、選ぶ楽しさも出ます。
仕掛けを1つ。店の封筒を前半用・後半用に7枚ずつにしておくと、人気の食材は途中で売り切れることがあります。お店役には Sorry! Sold out! を渡しておきます。断られる、別の店をさがす。この回り道が入った瞬間に、練習が本物のやり取りに変わります。余裕のある店には Strawberries? Good choice! のレベル2を。
見取りはここです。前半は1〜4班、後半は5〜8班の店のそばに立ち、3往復が成立しているか、メモに決めた食材と数を伝えて集めているかを名簿にメモする。それだけで、発音の正しさや集めた枚数は見ません。
第5時:発表は3文だけ
最後は「スペシャルメニューはっぴょう会」(話すこと・発表/ひとりで作る→班で発表)。集めた材料カードを台紙のパフェグラスに並べるか、絵で描き足すかは自由です。メニューには名前をつけます。にじいろパフェ、モリモリピザ。
発表の型は3文だけです。This is my special parfait! / I have strawberries, bananas and ice cream. / Thank you! この3文は活動シート3の下の枠に刷ってあるので、手元を見ながら言えます。黒板には英文を書かず、食材の絵カードを貼っておきます。めやすは材料を3つ英語で言うことですが、言えない材料は指さすだけでも発表として受けとめます。
聞く側にも仕事を渡します。Yummy! / Nice! のリアクションは発表者へのプレゼント、食べものをそまつにあつかうことばはなし。時間が足りなければ班内発表だけで十分です。全体での発表は、希望した子が席からメニューを見せる形で数名に。余れば、友だちのメニューで「いいな」と思った材料を指さして、Yummy! Cherries! のように言い合います。
作りこむ子ほど「アイスは何段?」「いちごは何個?」にこだわるので、I have three strawberries! が自然に出ます。ふりかえりカードは単元を通して同じ1枚で、毎時間の終わりに1行ずつ書き、最後に◎○△と「つたわった!」場面をまとめます。作品は教室掲示へ。
この単元でよくあるつまずき
- 食物アレルギーのある子がいて、話が「食べられるか」に寄る。メニューは空想の作品だと言い切り、「にがてなものは入れなくていい」を添えます。口に入れる話にしないだけで、安全に回ります。
- 3往復が長くて覚えられない子がいる。お店側のセリフを紙で持たせて構いません。読ませる紙ではなく、忘れたときに目を落とす安心材料として渡します。
- 発表になると声が出なくなる子がいる。メニュー表を見せて材料を3つ言えたら発表として成立、と先に宣言します。それでも声が出ない子への手は3・4年で声を出さない子にまとめました。
前の単元は小4 Unit 6 アルファベット小文字の授業、次は小4 Unit 8 お気に入りの場所の授業です。この5時間の見取りを学期末の文章にどう変えるかは3・4年の所見の書き方へ。ALTが入るなら第4時のお客さん役と第5時のリアクション役が当たりです。分担はALTと組む45分を見てから打ち合わせシートを渡してください。