3年で大文字に出会った子が、小文字に会う4時間です。到達点は小文字の名前に慣れ親しむところまで。読ませず、書かせません。書くのはカードの最後で自分の名前の頭文字をなぞるページだけ。書字に不安のある子も全活動に入れます。
勘どころは、小文字を単独で見せないことです。a から順に26枚めくると、覚えるものが26個増えたと受け取られます。大文字とペアで出せば、同じ26枚が「知っている大文字に相棒を紹介された」に変わる。似ている兄弟と似ていない兄弟に分けて見せるだけで、3年の学びが土台になります。
地雷は b と d、p と q です。「棒が左なら b」と説明で片づけたくなりますが、4年で深追いすると、混同している子ほど文字がこわくなります。説明ではなく、出会う回数で解きます。
使うのは小4 Unit 6「Alphabet」の単元パック(Let's Try! 2 Unit 6 対応)の7点。単元計画、小文字カード(a〜zの26枚+なぞるカード)、活動シート3枚、ふりかえりカード、ALT打ち合わせシートです。3年で大文字、4年で小文字、5年で四線という道のりはアルファベット指導の3年間が担当なので、この記事は4年の4時間だけ。去年の範囲は小3 Unit 6 アルファベット大文字の授業に。
全4時間の見取り図
| 時 | 主な活動 | 帯(はじめ5分) | 見取り |
|---|---|---|---|
| 1 | 小文字と出会う(ABCソング小文字版・3年の大文字の再会から) | 歌(ABC Song) | — |
| 2 | 大文字・小文字マッチング(神経すいじゃく) | 歌+カードフラッシュ | — |
| 3 | 小文字せいくらべ(形のなかま分け) | 歌+ポインティング | 行動観察(見取りメモ) |
| 4 | そらがきクイズ大会・身の回りの小文字さがし | 歌 | 振り返りカード点検 |
3・4年は外国語活動なので数値の評定はなく、通知表は文章記述です。表の「見取り」は成績の記録ではなく、学期末に文章を書くときの手がかりのメモです。第3時のなかま分けと、第4時に集める振り返りカード。この2回で足ります。文末は、知識・技能なら「名前の読み方に慣れ親しんでいる」、思考・判断・表現なら「結びつけて伝え合っている」、態度なら「すすんで見つけたり伝えたりしようとしている」の形です。
第1時:大文字との再会から、小文字に会わせる
45分の骨は4時間とも同じで、変わるのは主活動だけです。0〜5分があいさつとABC Song、5〜12分が小文字カードでの練習、12〜15分がめあての確認、15〜37分が主活動、37〜45分がふりかえりカードとあいさつです。
入口は小文字ではなく大文字にします。3年で使ったA〜Zを貼って「去年やったね」から始め、そこへ小文字を1枚ずつ、対応する大文字の下に並べる。形の変わらない Cc・Ss・Oo から置き、そのあとが Aa・Bb・Ee・Gg・Rr です。「Bはおなかがへっこんだ」という声が出たら板書に残します。歌は3年と同じ ABC Song で、掲示だけ小文字版に替えます。
第2時:神経すいじゃくは、8ペアから
主活動は活動シート1「大文字・小文字マッチング(神経すいじゃく)」(話すこと・文字への気づき/3〜4人グループ/15分)。大文字ゾーンと小文字ゾーンに分けて裏向きに並べ、大から1枚・小から1枚めくります。ペアなら「Match!」、ちがったら裏にもどす(型は神経衰弱に)。学習の中身は、めくったら必ず名前を声に出す一点です。B… b! と言ってから次の人へ。言い忘れたカードはノーカウントにします。
最初の1回は8ペア(Aa / Bb / Dd / Ee / Gg / Pp / Qq / Rr)に絞ります。形がほぼ同じ Cc・Ss・Oo は外してあります。全部出すと、位置だけで当てる偶然合わせになるからです。慣れたらレベル2の16組へ。カードは汎用教材の大小ペアカードを班数分。
第3時:せいくらべが、この単元の心臓部
帯の歌のあと、小文字カードの練習をポインティングゲームにすれば、前の時間の8ペアが復習できます。主活動は活動シート2「小文字せいくらべ(形のなかま分け)」(文字への気づき/ひとり→ペアで確認/15分)。小文字を背の高さで、1かいだて(a・c・e)、うえにでる(b・d・h)、したにさがる(g・j・p)の3つに分けます。表で見せてから、シートの m・t・y・o・k・q・s・f を分けます。答えは1かいだてが m・o・s、うえにでるが t・k・f、したにさがるが y・q。こたえあわせは名前を言いながらペアで。
t の高さが中途半端(2階建てだけれど少し低い)だと気づいた子は、大いにほめてください。見取りもそこです。「したにさがる文字はしっぽみたい」のような気づきと、分類ができている様子をメモします。地味な15分ですが、5年で四線に書き始めたときにいちばん効きます。時間が押したら、なかまは2つでも成立します。
第4時:そらがきクイズと、身の回りの小文字さがし
活動シート3「そらがきクイズ大会」は先生用の進行シートで、子どもには配りません(文字への気づき・話すこと/クラス全体→ペア/15分)。空中に大きく小文字を書いて当てさせます。子どもから正しい向きに見えるよう鏡向きか、背中を向けて書きます。わかったら手を挙げて It's 'b'! と答え、正解したら全員でそらがき。出題はレベル1の o / s / x / z、レベル2が a / e / m / w、レベル3が b / d / p / q のひっかけ4きょうだいの順。ここで前の時間のせいくらべが効き、「上に出た? 下に下がった?」がヒントになります。前に出る代表は6人まで、残りはペアの出し合いに。書く学習ではなく、形を体でなぞる遊びです。
残りの7分は身の回りの小文字さがし。本の表紙、掲示物、体育館シューズ。文字の名前が言えたら合格です。ALTが来る日は、打ち合わせシートの実物紹介と「大文字はどんなときに使う?」を頼みます。大文字は名前の最初など特別なときだけ、ふだんの英語はほとんど小文字。この一言が、小文字を学ぶ意味を子どもに渡します(分担はALTと組む45分へ)。締めはふりかえりカードで、3項目に◎○△をつけ「見つけた!」じまんを1つ。
この単元でよくあるつまずき
- b と d、p と q が混ざる。鏡文字期にあたる発達段階です。まちがえやすいのがふつうだと先に全体へ伝えてから扱い、説明で直そうとせずペアカードで出会う回数を増やします
- 文字の弁別が難しく、1枚も取れない子がいる。1文字ずつの識別より、形のグループ分けのほうが入りやすい子がいます。せいくらべの「なかま」から入り、2つのへやで手がかりを作ります
- 背中に指で書く遊びを嫌がる子がいる。触られるのが苦手な子には強制せず、手のひらや見て当てる形に切り替えます
前の単元は小4 Unit 5 文房具の授業、次は小4 Unit 7 ほしいものの授業です。見取りメモを通知表の文章にする手順は3・4年の所見の書き方へ。