自分の学校を英語で歩き直す単元です。勘どころは、道案内を紙から入れないことにあります。Go straight! で3歩進む、Turn right! で右を向く。教室で全員に体を動かさせてから紙面マップに移すと、矢印が体の記憶とつながります。説明から入ると、right と left の日本語訳を覚える時間になってしまいます。
地雷は第4時です。「学校あんないツアー」という名前から校内を歩く計画を立てたくなりますが、移動と待ち時間で45分は簡単に溶け、廊下で他学級とぶつかる日もあります。最初から「教室から動かない版」、つまりマップを見せながらの発表に寄せてよい単元です。歩かなくても、子どもが語る学校は十分に立ち上がります。
小4 Unit 8「お気に入りの場所をつたえよう」の単元パック(Let's Try! 2 Unit 8 "This is my favorite place." 対応)は、単元計画・がっこうのばしょカード・活動シート3枚・ふりかえりカード・ALT打ち合わせシートの7点です。この7点で4時間をそのまま流せます。
全4時間の見取り図
| 時 | 主な活動 | 帯(はじめ5分) | 見取り |
|---|---|---|---|
| 1 | 学校の場所のことばと出会う(カード)・どこの部屋?音クイズ | 歌+カードフラッシュ | — |
| 2 | 道案内のことば(Go straight. / Turn right.)・紙面マップで案内ごっこ | チャンツ(Turn right!) | — |
| 3 | お気に入りの場所インタビュー(favorite の言い方) | チャンツ | 行動観察(見取りメモ) |
| 4 | 学校あんないツアー発表(This is my favorite place.) | チャンツ | 振り返りカード点検 |
外国語活動に評定はつきません。右端の欄は点数のための記録ではなく、通知表の文章のもとになる見取りです。見どころは2か所だけ決めておきます。第3時は favorite を使ってたずね合えているか、第4時は場所と気持ちをセットで伝えようとしているか。名簿の上に印をつける程度で足ります。
第1時:音から入って、場所のことばを黒板に残す
45分の配分はこうです。0〜5分があいさつと歌・チャンツ、5〜12分がばしょカードでの練習、12〜15分でめあての確認、15〜37分が主活動、37〜45分が振り返りとあいさつ。4時間ともこの型で回します。
がっこうのばしょカードは16枚。classroom / music room / science room / library / cooking room / lunch room / gym / playground / entrance / teachers' office / nurse's office / stairs など、校内をひととおり言えるセットです。全部を全員に求めず、10個言えれば十分と決めます。カードは黒板に校内マップふうに貼り、そのまま第2時の道案内の目印として残します。
主活動は「どこの部屋? 音クイズ」(聞くこと/クラス全体/10〜15分)です。先生が音まねをして、子どもはカードを指さして答える。ピアノをひくまねとラララで music room、本をめくるまねとしーっのポーズで library。進行シートには8問分のネタ帳がありますが、初回は5問で十分です。ポインティングゲームと同じで、英語を言わずに全員が参加できます。
ネタ帳には You can sing here. / Many, many books. といった英語ヒントも並んでいます。聞いてわかればよい英語なので、言わせません。音まねだけのレベル1、英語ヒントだけのレベル2、と学級の様子で段を上げます。最後は逆クイズにして、子どもが出題し、先生とALTが答える側に回ります。ALTが来る日の分担はALTと組む45分へ。
第2時:指をささずに、ことばだけで案内する
帯の Turn right! チャンツから、そのまま全員起立で体を動かします。Go straight! で3歩進む、Turn right! で右を向く、Stop! で止まる。使うことばは4つだけです。Go straight. / Turn right. / Turn left. / Stop!
主活動が「紙面マップで道あんないごっこ」(話すこと・やり取り/ペアで1まいのシート/15分)です。マップは5×5のマス目で、まわりに8つの部屋、真ん中の classroom がスタート。白いマスが廊下で、そこだけ通れます。けしごむをコマにして、案内役がゴールの部屋をこっそり決め、ことばだけでコマを動かします。着いたら「どこの部屋?」と聞いて、答えられたら交代です。
この活動は「案内役は指をささない」というルールに尽きます。指させることばは要らなくなるからです。破られたら止めて、ルール確認に戻ります。マップの部屋名は英語と日本語を併記してあり、読みの負担を消して「聞いて動く」に集中させる設計です。慣れた班にはレベル2の「目かくしコマ」を。コマ役は目をとじて指でマスをなぞるので、案内役のことばがたよりのすべてになります。
第3〜4時:お気に入りと、その理由をたずね合う
第3時の帯で favorite を入れます。意味を説明せず、fa-vo-rite の3拍のかたまりでチャンツにのせる。「いちばんすき」だけ添えれば動きます。
第3時と第4時は「お気に入りの場所ツアーはっぴょう」(話すこと・発表/ひとりで準備して班で発表)の前半と後半です。準備メモに書くのは、お気に入りの場所、すきな理由(日本語でOK)、案内ポーズの3つ。手のひらで「こちらです」と示す形に、図書室なら本をひらくまねのようなジェスチャーを足します。手が決まると声が出るので、照れの強い学級ほどここを丁寧にやります。照れが強いときの手は3・4年で声を出さない子にまとめました。
第3時のうちに、たずね合いを一巡させておきます。友だちのツアーメモは「だれ/お気に入りの場所/りゆう」の3列で、2人分書ければ十分です。ここで出てくる日本語の理由が、この単元のほんとうの宝になります。図書室はしずかだから、保健室は先生が話を聞いてくれるから。友だちの新しい一面が見えます。からかいが出ない範囲で、という線だけは引いておきます。
第4時は班での発表です。型は短くてかまいません。Hello! This is my favorite place. The library!(ジェスチャー)I like books. Thank you! 理由まで英語で言えたら最高で、言えなければ日本語でよい、と先に言い切ります。聞く人は Me, too! / Nice! のリアクションを返す係です。締めは振り返りカードで、場所のことばを聞いてわかった、道あんないができた、This is my favorite place. でつたえられた、の3項目を自分で見ます。
ここでの見取りは上手さではなく、評価規準の言い方でいえば「友だちのお気に入りの場所に関心をもち、すすんで案内したりたずねたりしようとしている」かどうかです。時間が余ったら校内マップにお気に入りシールをはって「学校の人気スポット」を作ると、次の年の新1年生への学校紹介にそのまま使えます。
この単元でよくあるつまずき
- お気に入りの場所が思いつかない子がいる。「よく行く場所」「落ち着く場所」でもいいと幅を出します。保健室や図書室が挙がったら、それも大事な居場所として先生が承認してから次へ進みます。
- right と left が混ざる。この年ごろの混乱は自然なので、説明を足すより物理サポートが効きます。右手にシールを貼る、教室の右の壁に right のカードを貼る。
- 移動が難しい子がいて、ツアーの形で迷う。1人だけ別メニューにせず、学級全体をマップ発表版に切り替えます。全員が同じ形のほうが、発表の中身に集中できます。
前の単元は小4 Unit 7 ほしいものの授業、次は1年をしめくくる小4 Unit 9 わたしの一日の授業です。ここで出会った Go straight. / Turn right. は、5年の小5 Unit 5 道案内の授業で学校の外へ広がります。この4時間の見取りを学期末の文章にどう変えるかは3・4年の所見の書き方へ。