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英語教材ラボ
期末テスト2学期期末テストの9枚を土台に(無料PDF)
段階5・表現につなぐ(5つの段階のうち)

1年生に届けるリライト本文を、下の学年が読めるやさしい英語に書きかえて、本当に届ける

準備読み手の学年の教科書(習った文法と語を確かめる)

定番の形は会話を語りに、語りを会話に

この活動の流れ合計20分(目安 20分)
  1. 読み手を決め、むずかしい所に印4分
  2. ペアで1文ずつ書きかえる9分
  3. 読み手のつもりで読み合う4分
  4. 直して、読み手への問いを3つ3分

生徒にはこう言って始める

仕掛けと本物にする一手とは

“First-year students will read your version. Can you make this text easy for them? Same meaning, easier English.”

あなたの英語を、1年生が読みます。中身はそのまま、英語だけやさしく

生徒が乗る仕掛け見せる挑む
読み手が実在するので、「この語は1年生に通じる?」を語ごとに確かめる理由ができる
本物にする一手相手
書きかえた文を1年生の授業で本当に読んでもらい、1年生が答えられた問いの数で、届いたかを確かめる

ねらい

本文を、自分より下の学年が読める英語に書きかえて、本当にその学年に読んでもらう活動です。中2なら中1に、中3なら中1や小学6年に向けて書きます。中身は変えず、英語だけをやさしくします。

書きかえるには、まず読み手が知らない所を見つけなければなりません。中1はまだ比べる文(faster than)を習っていない、動名詞の主語(Walking is ...)も知らない。では、同じ意味をどう言えばよいか。言いかえの答えは本文のどこにもないので、生徒は本文の意味をつかみ直し、知っている英語で組み立て直します。わかりやすく書くことは、わかっていないとできません。

この活動の芯は、読み手が実在することです。教室の中で「1年生向けのつもりで」書くのとくらべて、本当に1年生が読むと決まっていれば、語を選ぶ理由がはっきりします。日本には、外国から来た人に情報を届けるための「やさしい日本語」という考え方があります。相手が分かる言葉で言い直すのは、教室の外でも使われている、本物の書く仕事です。

手順

  1. 本文の内容をつかみ、音読を重ねたあと、単元の終わりのほうに置きます。読み手の学年を決めます(中2なら中1)。読み手の先生に、次の授業で5分もらえるかを先に相談しておきます。
  2. ペアで4分、本文の中で、読み手がまだ習っていない文法と語に印をつけます。読み手の学年の教科書を開いて、習った文法と語を確かめながら印をつけます。
  3. ペアで9分、印の所を1文ずつ書きかえます。決まりは3つです。中身は変えない。1文を短く分けてよい。どうしても要る語は残し、絵か短い説明を添える。
  4. となりのペアと交換して読みます(4分)。読む側は読み手の学年のつもりで読み、分からない所に印をつけて返します。
  5. 印の所を直し、読み手に答えてもらう問いを3つ、英語で付けます(3分)。
  6. 読み手の学年の授業で読んでもらいます。答えが戻ってきたら、答えられなかった問いにつながる文を、もう一度直します。

先生が言う言葉の例です。

場面先生の言葉
始めるときFirst-year students will read your version. Same meaning, easier English.
印をつけるときWhich words and grammar don't they know yet? Check their textbook.
書きかえるときKeep the meaning. You can cut a long sentence into two.
仕上げでAdd three questions for your readers.

見本

見本の本文(当サイトのオリジナル)How We Come to School説明文・中2程度・全10行(全文で約117語)
  1. We asked 32 students in our class, “How do you come to school?”
  2. Sixteen students walk. Walking is the most popular way.
  3. Ten students come by bike. Most of them live more than two kilometers away from school.
  4. Four students take a bus, and two students come by car.
  5. We also asked, “What do you like about your way?”
  6. Many walkers said, “I can talk with my friends.”
  7. Bike riders said, “It's faster than walking.”
  8. Bus riders said, “I can read a book on the bus.”
  9. But some students said, “I want to come by bike, but the hill near our school is too steep.”
  10. What can we do about the hill? Please tell us your ideas.

この説明文(中2程度)を、過去形を習ったあとの中1(3学期ごろ)の読み手に向けて書きかえた例です。中1がまだ習っていない最上級・比べる文・動名詞の主語・too +形容詞を、知っている形に言いかえています。

行元の文書きかえた文言いかえた所
2Walking is the most popular way.That is the No. 1 way!動名詞の主語と最上級
3Most of them live more than two kilometers away from school.Most of them live far from school.(most=ほとんど)Their homes are 2 km or more away.長い1文を2文に分けた(most には短い説明)
7Bike riders said, "It's faster than walking."Bike riders said, "A bike is fast. I can come to school fast."比べる文
9I want to come by bike, but the hill near our school is too steep.I want to come by bike, but I can't. The hill near our school is very steep.(坂の絵)too +形容詞(can't と very の2文に分けた)

1行目・4〜6行目・8行目・10行目は、中1でもそのまま読めるので変えていません。全部を書きかえる必要はなく、読み手がつまずく所だけを直します。

9行目は、too steep を「来られない」と「とても急」の2文に分けました。want to は小学校の I want to go to ~. から使っているので、そのまま残しています。steep は中1が知らない語ですが、坂の問題を言うのに欠かせないので、残して坂の絵を添えました。どこまでなら中身を変えずに言えるかをペアで話し合うこと自体が、本文の読み直しになります。

読み手への問いは、本文の中身がそのまま届いたかを確かめる問いにします。How many students walk?/Why do bike riders like their way?/What is the problem for some students? の3つが答えられれば、書きかえは届いています。答えられなかった問いがあれば、その答えにつながる文の書きかえを見直します。

変化をつける

  • やさしくする: 書きかえる文を、先生が3〜4文選んで示します。言いかえの例を1つ全員で作ってから、残りをペアで書きます。
  • むずかしくする: 読み手を小学6年にします。小学校で習う語と表現(I like ... / I can ... / There is ...)だけで書くので、言いかえの幅が大きくなります。
  • 物語で: 時の流れが分かる語(Then・The next morning)は残し、気持ちを表す語を、読み手が知っている語(happy・sad・surprised)に言いかえます。せりふは短く切ると読みやすくなります。
  • 高校では: 中学3年生に向けて、本文の要点を100語ほどにまとめ直して書きます。要約と言いかえを同時に行うので、本文の骨組みと語の選び方の両方が問われます。

つまずきと手当て

  • 中身まで変えてしまう: 書きかえる前に、本文の中身を日本語で1行ずつ書き出しておき、書きかえたあとに1行ずつ照らし合わせます。消えた中身があれば、どこかに戻します。
  • 何でも短く切って、つながりが消える: 文と文をつなぐ語(so・but・because)は、読み手が知っていれば残すことにします。9行目の but が消えると、「来たいのに来られない」の向きが分からなくなります。
  • 読み手の学年が習った文法が分からない: 読み手の学年の教科書の、巻末の文法のまとめを見せます。小学生向けなら、小学校で使う表現の一覧を先生が用意します。

出どころ

学ぶ人の段階に合わせて英文を言いかえる考え方は、学習者向けに語と文法をしぼって書き直した段階別の読み物(graded readers)で長く使われてきました(多読)。日本の「やさしい日本語」も、相手に届く言葉で言い直すという同じ考え方です。この活動では、それを生徒が書く側に立って行い、下の学年という本物の読み手に届ける形にしました。3つの決まり、問いで届いたかを確かめる流れ、見本の書きかえは、このサイトで作ったものです。

公開 2026-10-29・更新 2026-10-29

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このページの流れ・手順・先生の英語・つまずきの手当てを、A4 の1枚にまとめたものです。

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くわしい手順と紙(このサイトの教材)

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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