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英語教材ラボ
期末テスト2学期期末テストの9枚を土台に(無料PDF)

工程 2・内容をつかむ

行間の推理本文に書いていないことを、証拠の文つきで当てる

合う本文
対話文・物語
時間
10〜15分
形態
ペア・一斉
学年の目安
中1〜高校
準備
推理の問い3つ(板書か口頭)教科書だけ
見本の本文
Monday Morning(対話文・中2程度)

教科書本文に書いていないこと(いつ・どこで・2人の関係・なぜそう言ったか)を、本文の文を証拠にして当てる内容理解の活動です。問いの選び方、証拠の行番号を言わせる手順と先生の言葉、オリジナルの対話文での見本、答えが割れたときの扱い、下の学年と高校での変え方をまとめました。

公開 2026-10-18・更新 2026-10-18

ねらい

事実を問う発問(Who? What? When?)は、本文の該当する文を探して写せば答えられます。読まなくても、探せば正解できてしまいます。行間の推理は、答えが本文のどこにも書いていない問いを出し、そのかわりに「どの文からそう言えるか」を証拠として言わせる活動です。

答えを支える文を探すには、本文を前後のつながりで読むしかありません。1文だけを見ても答えは出ず、2つ3つの文を組み合わせて、はじめて言えることがあります。ここで、文の意味を足し算する読み方が起きます。発問の3層でいえば2段目の推論発問にあたりますが、この活動の芯は「証拠の行番号を必ず添える」という1つの決まりです。決まりがあるので当てずっぽうの答えが出にくく、違う答えが出たときも、証拠どうしで比べられます。

手順

  1. 本文の内容をひととおりつかんだあと(事実の発問や音読のあと)に置きます。初めて読む段階では使いません。
  2. 先生が推理の問いを3つ出します。答えは本文に書いていないけれど、証拠の文が2つ以上ある問いを選びます。
  3. 1人で1分、答えと証拠の行番号をメモします。「答え+行番号」の形で書かせます。
  4. ペアで2分、答えと証拠を比べます。証拠が違えば、どちらの読みが強いかを話し合います。
  5. 全体では、答えより先に証拠を聞きます。「何行目で分かった?」と聞き、答えはそのあとで確かめます。

先生が言う言葉の例です。

場面先生の言葉
問いを出すときThe answer is not in the text. But you can find clues.
証拠を求めるときWhich line tells you that? 何行目からそう言える?
答えが割れたときTwo answers. Let's look at the clues. どっちの証拠が強い?
証拠が1つだけのときGood guess. Can you find one more line?

考えるのは日本語でかまいません。答えを英語で言えなくても、証拠の文を英語のまま指せれば、本文は読めています。答えを英語で言わせるのは、活動に慣れてからで十分です。

見本

見本の本文(当サイトのオリジナル)Monday Morning対話文・中2程度・全10行(全文で約88語)
  1. Ms. Green:Good morning, Riku. You look sleepy.
  2. Riku:Good morning, Ms. Green. I went to bed at two last night.
  3. Ms. Green:At two? Were you studying for the test?
  4. Riku:No. I was watching a soccer game on TV. Japan played Brazil.
  5. Ms. Green:Oh, I watched it, too! What a game!
  6. Riku:But Japan lost. I was so sad.
  7. Ms. Green:Me, too. But the last goal was beautiful.
  8. Riku:Yes! Number 10 was amazing. I want to play like him someday.
  9. Ms. Green:Then don't sleep in class today. You have practice after school, right?
  10. Riku:Right. I'll try!

この対話文で出せる推理の問いと、証拠の例です。

推理の問い答えの例証拠の行
いつの会話?月曜日の朝、授業の前1行目 Good morning と、9行目 in class today
リクは何部?サッカー部らしい8行目 I want to play like him と、9行目 You have practice after school
グリーン先生もねむいかもしれない。なぜ?先生も同じ試合を夜おそくまで見ていた5行目 I watched it, too と、2行目の at two
最後のゴールを決めたのはどっちのチーム?日本の10番らしい7行目 the last goal was beautiful と、8行目 Number 10 was amazing

最初に出すなら、3行目の test から「近いうちに何がある?」のような、1行で答えられる問いが向いています。全員が手をつけられる入口になり、そのあとで証拠が2つ要る問いに進めます。

最後の問いは、答えが割れやすい問いです。「日本は負けたのだから、ゴールはブラジルでは?」という読みも出ます。そのときは、リクが10番のようにプレーしたいと言っている8行目を指し、「リクがあこがれている選手がブラジルの選手だったら、この会話はどう読める?」と返します。証拠があるかぎり、どちらの読みも認めます。行間の推理は、正解を1つに絞る活動ではなく、証拠で読みを支える活動です。

変化をつける

  • やさしくする: 問いに選択肢をつけます(いつの会話? ア 金曜の夜 イ 月曜の朝 ウ 土曜の昼)。証拠は1つでよいことにします。中1の前半は、日本語の問いと日本語の答えで十分です。
  • むずかしくする: 推理の問いを生徒に作らせます。「答えが本文に書いていなくて、証拠が2つある問い」を1人1問作り、ペアで出し合います。作る側に回ると、本文を前後のつながりで読み直すことになります。
  • 物語で: 登場人物がなぜそうしたか(行動の理由)を問います。理由が本文に書いていない場面ほど、推理の問いになります。
  • 高校では: 物語や評論の段落で、筆者が書かなかったことまで問いを広げます(なぜここで話が終わるのか、なぜこの例を選んだのか)。答えは英語で1文、証拠は段落と行で示させます。

つまずきと手当て

  • 本文に書いてあることを答えてしまう: 事実の発問との違いが伝わっていません。最初に「書いてあることを答えたら0点、書いていないことを証拠つきで当てたら1点」と、ゲームの決まりとして示します。
  • 想像だけで答える(証拠がない): 「おもしろい。で、何行目?」と必ず行番号を聞き返します。証拠のない答えは板書しない、と決めておくと、すぐに行番号を添えるようになります。
  • 先生の想定と違う答えが出て困る: 証拠があれば認めます。推理の問いの答えは1つとは限りません。定期テストに出すときは、答えを書かせるより、証拠になる行を選ばせる形にすると採点が割れません。

出どころ

本文に書かれていないことを推し量らせる問いは、推論発問(inferential question)として、読解の指導で長く使われてきた考え方です。本文の行間や文の裏にある意味を推測する活動は、田尻悟郎『英語教科書本文活用術!』(教育出版、2014)でも第1章の最初の項目として扱われています。このレシピの「証拠の行番号を必ず添える」決まりと、問いと答えの例は、このサイトで作ったものです。

いっしょに組むとよいレシピ

くわしい手順と紙(このサイトの教材)

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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