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英語教材ラボ
期末テスト2学期期末テストの9枚を土台に(無料PDF)

工程 2・内容をつかむ

気持ちの温度計登場人物の気持ちを場面ごとに数字にして、折れ線で追う

合う本文
物語・対話文・スピーチ・手紙
時間
10〜15分
形態
個人・ペア
学年の目安
中1〜高校
準備
温度計の表(場面・気持ちの語・−5〜+5・証拠の行)教科書だけ
見本の本文
Three Lemon Candies(物語・中2程度)

登場人物の気持ちを、場面ごとに気持ちの語1つと−5〜+5の数字、証拠の行で記録し、折れ線にして変化を追う内容理解の活動です。気持ちを、本文の言葉を根拠に読むようになります。温度計の表の作り方と手順、中学で使える気持ちの形容詞の一覧、オリジナルの物語での2人の温度計の見本、数字が割れたときの扱いをまとめました。

公開 2026-10-18・更新 2026-10-18

ねらい

「このとき、ミカはどんな気持ち?」と聞くと、答えは happy か sad になりがちで、なぜそう思うかまでは出てきません。気持ちの温度計は、登場人物の気持ちを場面ごとに区切り、気持ちの語(形容詞1語)・数字(−5〜+5)・証拠の行の3つで記録して、折れ線にする活動です。

1つの場面の気持ちを当てるより、場面と場面のあいだで気持ちがどう動いたかを見るほうが、物語は深く読めます。折れ線にすると、いちばん大きく動いた所が目に見えます。多くの場合そこが話の山場で、なぜ動いたのかを説明しようとすると、前後の文を読み直すことになります。

数字は人によって違ってかまいません。同じ場面を−3とする生徒と−1とする生徒がいても、どちらにも証拠の行があれば、違いは読みの違いとして話し合えます。数字は話し合いのきっかけで、正解を1つに決めるためのものではありません。行間の推理が「何があったか」を証拠で推すのに対して、こちらは「どう感じたか」を証拠で推します。

手順

  1. 本文の内容をひととおりつかんだあとに置きます。
  2. 先生が場面を4〜5つに区切り、行番号で示します。温度計の表(場面・気持ちの語・数字・証拠の行)を配るか、ノートに書かせます。
  3. 1人で5分、登場人物1人について、場面ごとに気持ちの語を一覧から1つ選び、−5〜+5の数字をつけ、証拠の行を書きます。
  4. 数字を表の下の枠に点で打ち、線でつないで折れ線にします。
  5. ペアで3分、折れ線を比べ、いちばん大きく動いた所と、なぜ動いたかを話します。
  6. 全体で2〜3人に、いちばん大きく動いた所を聞きます。比べるのは数字ではなく、証拠の行です。

先生が言う言葉の例です。

場面先生の言葉
始めるときHow does Mika feel here? Choose one word from the list.
数字をつけるときVery happy is plus five. Very sad is minus five.
証拠を求めるときWhy do you think so? Which line? 何行目からそう思った?
ペアで比べるときWhere is the biggest change? Why?

中学で使いやすい気持ちの語の一覧です。表を配るなら、横に刷っておきます。

温度計の向き気持ちの語
+の側happy(うれしい)・glad(よかった)・excited(わくわくする)・thankful(ありがたい)・proud(ほこらしい)
−の側sad(悲しい)・worried(心配だ)・nervous(緊張する・不安だ)・sorry(すまない・気の毒だ)・lonely(さびしい)・angry(腹が立つ)・scared(こわい)
場面によるsurprised(おどろく)・embarrassed(はずかしい・照れくさい)・shy(照れる・はずかしがる)

見本

見本の本文(当サイトのオリジナル)Three Lemon Candies物語・中2程度・全9行(全文で約134語)
  1. It was raining hard after school. Mika didn't have an umbrella, so she waited at the school gate.
  2. Then Sota came out. He was in her class, but they didn't talk much.
  3. He had a big blue umbrella. He looked at the rain, and then he looked at Mika.
  4. “Here,” he said. He gave her the umbrella and ran into the rain.
  5. The next morning, Mika went to Sota's desk. “Thank you for yesterday. Here's your umbrella.”
  6. Sota smiled, but his voice sounded strange. He had a cold.
  7. “No problem,” he said. “I like rain.”
  8. Mika knew that wasn't true. She took a small bag out of her pocket. There were three lemon candies in it.
  9. “For your throat,” she said. This time, Sota didn't say anything, but his face turned a little red.

場面を5つに区切って、ミカとソウタの温度計を作った例です。

場面ミカソウタ
① 1〜3行目 校門でworried −2(1行目 didn't have an umbrella)nervous −1(2行目 didn't talk much、3行目 looked at Mika)
② 4行目 傘surprised +1(4行目 gave her the umbrella)shy +1(4行目 Here の1語だけで走っていく)
③ 5〜6行目 次の朝thankful +3(5行目 Thank you for yesterday)happy +2(6行目 Sota smiled)
④ 7〜8行目「雨が好き」sorry −3(6行目 He had a cold、8行目 knew that wasn't true)glad +1(7行目 No problem)
⑤ 9行目 レモンのあめglad +2(9行目 For your throat と、ソウタの赤い顔)embarrassed +4(9行目 didn't say anything、face turned a little red)

折れ線にすると、ミカの線は③から④で6目もり下がります。ソウタが風邪をひいたのは自分に傘をくれたからだと、6行目と8行目でミカが気づく場面で、この物語でいちばん大きく動く所です。ソウタの線は④まで小さく上下し、⑤で大きく上がります。2人の線がいちばん離れるのも④です。ソウタは No problem と平気なふりをし、ミカはそれが本当ではないと知っています。

答えが割れやすいのは、ミカの③と⑤です。③は、5行目の Thank you だけを見れば thankful ですが、6行目の his voice sounded strange まで読んだ生徒は worried をつけます。どちらも証拠があるので認めます。⑤は、ミカの気持ちが本文にほとんど書いていない場面で、glad とする生徒も、自分も照れて embarrassed とする生徒もいます。数字が+1でも+4でも、証拠の行が言えれば十分です。なお、ソウタの⑤の embarrassed を+の側に置いたのは、この照れがうれしさまじりだからです。「場面による」の語は、こうして向きを自分で決めます。

つまずきやすいのは、ソウタの③です。6行目の He had a cold. を見て、sad や−3をつける生徒がいます。「それは体のこと? 気持ちのこと?」と聞き返し、気持ちは同じ行の Sota smiled から読ませます。体の具合と気持ちを分けて読むことを、ここで一度確かめておきます。

変化をつける

  • やさしくする: 数字のかわりに、顔のマーク6つ(とてもうれしい〜とても悲しい)から選ばせます。中1の前半は、気持ちの語を日本語で書いてもかまいません。証拠の行だけは必ず書かせます。
  • むずかしくする: 2人の折れ線を同じグラフに描き、線がいちばん離れる場面とその理由を説明させます。理由を英語の1文(Mika felt sorry because Sota had a cold.)で言わせると、表現の活動にもつながります。
  • 対話文で: 話し手1人に絞り、発言ごとに温度をつけます。Monday Morning のリクなら、6行目の I was so sad. から8行目の Number 10 was amazing. で、気持ちが大きく上がります。
  • 高校では: 評論の筆者の態度の変化を、段落ごとに追います。気持ちの語のかわりに態度の語(positive・negative・doubtful・hopeful など)を使い、+5を強く賛成、−5を強く反対にします。
  • 性格まで読むとき: 同じ人物の人物カードを作ると、温度計で集めた証拠の行を、性格の欄の証拠にそのまま使えます。

つまずきと手当て

  • happy と sad ばかりになる: 一覧を渡します。一覧は、気持ちを表す語をまだ持っていない生徒のための足場です。2回目からは「happy と sad は使わない」と決めると、一覧の中から近い語を探すようになります。
  • 数字がばらばらで、話し合いがまとまらない: 数字ではなく証拠で比べます。「同じ行を証拠にした人は?」と聞き、同じ行から違う数字が出た理由を話させます。
  • グラフを描くのに時間がかかる: 目もり(−5〜+5)と場面の線を入れた枠を配ります。点を打ってつなぐだけなら、2分で描けます。

出どころ

登場人物の気持ちの変化を図で追う方法は、読む指導で広く使われてきました。国語の授業でいう心情曲線に近いものです。登場人物の心境や性格を読み取る活動は、田尻悟郎『英語教科書本文活用術!』(教育出版、2014)の第1章でも1つのまとまりとして扱われています。このレシピの温度計の形(気持ちの語・数字・証拠の行の3つをそろえる)と見本は、このサイトで作ったものです。

いっしょに組むとよいレシピ

くわしい手順と紙(このサイトの教材)

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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